ポリプテルスデルヘッジは綺麗な黒色のバンド模様を持っており、コレクションが高い中型のポリプテルスとして人気があります。地味な体色が多い中で、肉食魚としてだけではなく、観賞魚としての魅力も十分に楽しめるポリプテルスです。
今回はそんなポリプテルスデルヘッジの寿命や成長速度、水槽の大きさなど飼育方法を詳しく紹介していきます。
ポリプテルスデルヘッジってどんな熱帯魚なの?
ポリプテルスデルヘッジは西アフリカのザイールに生息するポリプテルスです。
上顎が突出するタイプのポリプテルスのなかでは最も背びれの数が多く、頭部には十字の模様があり、グレーの体色をベースにはっきりとした黒色のバンド模様がはいります。見た目が華やかなポリプテルスで観賞魚として人気を高めています。
体の大きさ
ポリプテルスデルヘッジは最大で40cmの大きさになる中型のポリプテルスです。
しかし、ここまで大きくなる個体は少なく、25cm〜30cmで止まってしまうことが多いです。体を大きく育てるのが難しいポリプテルスですが、発色の美しさは随一なので、しっかりと成長させて迫力ある個体にしていきたいですね。
成長速度
ポリプテルスデルヘッジの成長速度は生後半年で20cmまで成長します。そこからゆっくりと1年かけて30cmまで大きくなって成長が止まります。
最初の半年間でどこまで大きくなるのかで最大の大きさが決まります。大きくするときは人工飼料は与えずに、食いつきがいい生き餌をメインに与えて、水温を少し高くして育てていきます。
寿命の長さ
ポリプテルスデルヘッジの寿命は平均して10年です。長期飼育することになるので、最後まで責任を持って飼育してあげてくださいね。
ポリプテルスデルヘッジはバンドの種類が豊富
ポリプテルスデルヘッジは個体によってバンド模様が異なっており、そのバリエーションは豊富のため、コレクション性が高いポリプテルスです。
バンドの種類は均等にバンドが入るタイプ、バンドと地肌の境目が薄いミステリーバンド、バンドがほとんどないバンドレス、胴体には太いバンドがあり尾びれ付近は斑点模様になっているロイヤルバンド、太いバンドが連なっているタイガーバンドなどがいます。
バンドの黒さがはっきりと出ていて、左右対称な個体であるほど価値が高くなります。
個体によってはグレーから緑化することもあり、非常に美しく育ちます。
体色が似ているポリプテルスだとポリプテルスエンドリケリーという大型種がいます。こちらも綺麗なバンド模様があり、大型種の中で最も人気が高い種類です。
ポリプテルスデルヘッジのワイルド個体の魅力は?
ポリプテルスデルヘッジのワイルド個体は養殖個体ほど模様がはっきりしていることが少なく、バンド模様は乱れてところどころ黒色や茶色で荒々しい雰囲気があります。
あまり餌を食べられる環境ではなくので細身になりがちですが、泳ぎ方には力強さがあります。水槽で飼育されることに慣れていないので、最初は気性の荒さに驚くことでしょう。そんな野性味が最大の魅力といえます。
養殖個体と同じくらい見つけることができるので、入手は難しくありません。
ポリプテルスデルヘッジは60cm水槽でも飼えるの?
ポリプテルスデルヘッジは単独飼育であれば60cm水槽で飼育することができます。
個体によって最大の大きさが変わりますので、25cmを超える個体だと90cm水槽が必要になります。また、よく泳ぐタイプのポリプテルスですので、60cm水槽では鼻先を傷つけてしまう可能性がかなり高いです。魅力を引き出すのであれば、90cm水槽をおすすめします。
45cm水槽では飼育することはできません。45cm水槽でかろうじて飼育できるポリプテルスはセネガルスやパルマス、レトロニピンニスなどの小型種です。ただし、個体の大きさによっては飼育できなくなることがあります。
ポリプテルスデルヘッジの飼育方法
値段と販売場所
ポリプテルスデルヘッジの値段は養殖個体で1,000円〜2,000円、ワイルド個体で3,000円〜5,000円ほどで販売されています。
ホームセンターや熱帯魚専門店、ネット通販で8cm前後の幼魚を見つけることができますよ。ワイルド個体を探しているときは入荷がさかんになる春〜夏にかけてを狙いましょう。
飼育に適した水温と水質
ポリプテルスデルヘッジの適温は22度〜27度になります。冬場は水槽用のヒーターを準備しておきましょう。
水質は弱酸性〜中性まで適応できます。かなり丈夫な種類なので、餌の金魚やメダカが死ぬような環境でも生きていくことができます。
水質悪化を放置していると病気にかかったり元気がなくなってしまうので、週に1回は1/3ほど交換してあげましょう。
水槽のレイアウト
ポリプテルスデルヘッジは夜行性なので、隠れ家になる流木や石組みをすると喜んでくれます。もともと底砂の中に潜る性質もあるので、2cmほどの厚みで引いてあげましょう。
原産国のザイール川に合わせるのであれば、玉砂利にアヌビアスナナやミクロソリウムなどを流木に活着させたレイアウトがおすすめです。
掃除のしやすさや遊泳スペースの確保を重視して、底砂だけを引いたシンプルなレイアウトも好まれますよ。
水槽の立ち上げ方法
ポリプテルスデルヘッジの水槽の立ち上げる手順を紹介します。
立ち上げたばかりの水槽には水質を安定させるバクテリアがいないので、パイロットフィッシュという魚を飼育してバクテリアを繁殖させる必要があります。最低でも1ヶ月はみておいたほうがいいので、購入前に準備しておきましょう。
水槽の立ち上げ手順
- 水槽の置き場所を決める。電源に近く直射日光が当たらない場所
- 水槽台と水槽を置く
- フィルター、照明、ヒーターをセットする
- カルキ抜きした水を水槽に入れる
- フィルターを稼働させる
- パイロットフィッシュを1ヶ月飼育する
- ポリプテルスデルヘッジを入れる
水槽の立ち上げ方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
混泳向きの大人しい性格
ポリプテルスデルヘッジは温和な性格のため多くの熱帯魚と混泳することができます。下層に生息しているので、生活スペースが異なる上層〜中層の熱帯魚を選びましょう。
おすすめはエンゼルフィッシュや中型のグラミー、コンゴテトラなどの中型で体高がある熱帯魚です。
かかりやすい病気と治療方法
ポリプテルスデルヘッジは丈夫な魚なので、病気にかかることはめったにありません。
しかし、一度病気にかかると薬に弱いので、治療するのが大変です。定期的に水換えでしっかりと予防してあげてください。
養殖個体なら大丈夫ですが、野生のポリプテルスには高確率でマクロギロダクティルスポリプティという寄生虫がついています。死ぬことはありませんが、嫌がって体を傷つけるようになります。規定量の1/3に薄めたグリーンFで薬浴してあげてください。
ポリプテルスデルヘッジにおすすめの餌
ポリプテルスデルヘッジは餌の好き嫌いが少ないので、人工飼料でも比較的簡単に餌付いてくれます。
幼魚のときは冷凍赤虫をあげて、20cmまでは生きたメダカを与えていきます。成長期は生き餌でしっかりと成長させてください。
20cmを超えると目標サイズに合わせてキャットなどの人工飼料に切り替えるか、生き餌の和金(金魚)を使っていきます。
餌の頻度は1日に2回、2〜3分で食べきれる量を与えてください。餌に気づきにくいので、与え方に工夫がいります。目の前に落とすか、生き餌であれば消灯前にいれておくと食べてくれますよ。
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餌を食べないとき
ポリプテルスデルヘッジが餌を食べない原因は次のどれかです。
チェックポイント
- 餌と認識していない
- 餌に飽きている
- 元気がない
まずは水を1/3ほど換水して様子を見ましょう。
餌を食べないときは餓死するまで食べないことがあるので、餌のバリエーションを拡大して、牛ハツ、鳥のささみ、エビ、イトメなど考えられるものをどんどん挑戦していきましょう。
ポリプテルスデルヘッジの繁殖方法
ポリプテルスデルヘッジは水槽で繁殖を狙うことができる熱帯魚です。
繁殖には成熟した親がいることが必須なので、2年ほどかけてしっかりと育成していきます。生後1年はしっかりと餌をあげて、それ以降は太らせないように3日に1回の給餌におさえておきます。
90cm水槽で5匹以上で混泳しておきます。水温をは28度、水質をはph5.0〜6.0を維持して、水換えを週に1回1/3ほど行なっていると自然とペアができてきます。
ポリプテルスデルヘッジは水質が大幅に変わる雨季に繁殖を行います。
繁殖用水槽は60cm水槽を用意して、水温は25度、水質はph6.5に設定し、水質の変化を再現します。うまくいけば、夜には産卵してくれます。
雌雄の見分け方
オスは尻びれの幅が広く、メスは尻びれの付け根が丸く膨らんでいます。成熟してくると簡単に見分けることができますよ。
幼魚の育て方
ポリプテルスデルヘッジの卵は産卵から2日前後で稚魚が孵化します。最初は卵のうから栄養を摂取するので4日は餌は必要ありません。
それ以降は稚魚餌として栄養価が抜群のブラインシュリンプを与えていきます。ブラインシュリンプをあたえて1ヶ月ほど経過したらすっかりポリプテルス らしくなります。そうしたらイトメや冷凍赤虫に切り替えて生きましょう。
ポリプテルスデルヘッジの飼育についてまとめ
今回はポリプテルスデルヘッジの飼育について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ポリプテルスデルヘッジはそこまで大きくならないポリプテルスなので、肉食魚でありながら、60cm水槽で飼育を楽しむことができます。
さらに美しいバンド模様をもった個体も多くいるため、コレクション性も高いです。ぜひお気に入りの1匹を見つけて大切に育ててあげてくださいね。
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ポリプテルスの種類と飼育方法|水槽サイズや混泳、大きさは?