バクチヤモリは短足でおっとりとしており、とてもかわいいヤモリです。人気が高いですが、販売量が少なく、入手するのはなかなか大変です。
今回はそんなバクチヤモリについて値段やおすすめの餌、繁殖、ハンドリングの可否、種類など飼育方法を詳しく紹介していきます。
バクチヤモリの特徴
バクチヤモリはウロコヤモリ属の仲間で、大きなウロコが特徴的です。マダガスカルの森林地帯に生息しています。木の上で生活するヤモリで、地表を歩くことはほとんどありません。
ウロコを脱ぎ捨てる不思議な生態
バクチヤモリは身の危険を感じたり体に強い刺激を与えると、体のウロコを脱ぎ捨てて逃げます。名前に由来もそこから来ており、ウロコのはがれ方が博打に負けた時に身ぐるみを剥がされる状態に似ていることから名付けられました。
ウロコは2週間ほどすると自然に再生してくるので、心配する必要はありません。他のトカゲ類だと尾切りに近い行為です。ウロコは剥がれやすく、少し触っただけでも落ちてしまうので、触るときは注意しましょう。
体の大きさ
バクチヤモリの大きさは10cmほどです。最大サイズだと12cmまで成長します。
寿命の長さ
バクチヤモリの寿命は平均して5年です。最長だと7年ほど生きることができます。
寿命が近くなると、動きが鈍くなって、壁にへばりつく元気がなくなってきます。レイアウトをシンプルにして、休める場所を多めにしてあげましょう。
バクチヤモリの種類
バクチヤモリの種類は体の大きさで3つに分類されています。
体型や体色、生態系に違いはないので、大きくして迫力を楽しむか、小さい子でかわいく鑑賞したいかで決めましょう。
センザンコウバクチヤモリ
センザンコウバクチヤモリは別名でオオバクチヤモリと呼ばれている種類です。見た目が絶滅危惧種に指定されているセンザンコウに似ていることから名付けられました。
通常種よりも大きく、最大で15cmほどの大きさになります。
チビバクチヤモリ
チビバクチヤモリは通常種よりも小さく、最大でも7cmほどの大きさにしかならない種類です。体が小さいのでハンドリングが難しくなります。
バクチヤモリの飼育に必要な設備
必要なもの
- ケージ
- 照明
- 床材
- 餌入れ
- 水容器
必要なケージの大きさ
バクチヤモリは木の上に登るタイプのヤモリなので、高さのあるケージが必要です。ケージの大きさの目安は幅20cm×奥行20cm×高さ30cmの小型ケージで大丈夫です。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
照明は観賞用に
バクチヤモリは夜行性で日光浴をしないので、紫外線ライトやバスキングライトは不要です。観賞用にLEDライトをいれておきましょう。
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床材の選び方
バクチヤモリは多湿の環境を好むので、床材は湿度を保ちやすいヤシガラマットを使います。緊急時であればキッチンペーパーや新聞紙でも問題ありません。
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エサ入れ
バクチヤモリに活きた昆虫を与えるときはエサ入れを用意してください。昆虫がケージ内を逃げ回ると、脱走したりその辺で死んでしまったりと衛生的に良くありません。
水容器
水飲み用に水容器が必要です。水は毎日交換して新鮮な状態を保ってくださいね。
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レイアウトにはコルクを使う
バクチヤモリは木の上で生活しているので、登れる木の枝やコルクを置いてあげると落ち着きます。バクチヤモリが登っても倒れないように、しっかりとした太さの木を設置してあげましょう。
バクチヤモリの飼育方法
バクチヤモリは体を強く触るとウロコがはがれてしまうので、そこだけ注意すれば初心者にも飼育は難しくありません。
他のヤモリと同じように生きた昆虫を用意する必要があり、昆虫飼育に抵抗がないことも大切です。
価格と販売場所
バクチヤモリの値段は10,000円〜20,000円で8cmほどの個体が販売されています。
販売場所はネット通販やホームセンターにはいないので、爬虫類専門店で探しましょう。販売量は少なく、探すのは大変です。
飼育に適している温度
バクチヤモリに適している温度は25度〜30度です。低温に弱いので、冬はヒーターを用意してあげましょう。
ヒーターは爬虫類用のパネルヒーターを用意して、ケージの側面に貼り付けるといいですよ。
爬虫類のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
飼育に適している湿度
バクチヤモリに適している湿度は60%前後です。乾燥したらこまめに霧吹きを行い、3時間程度で乾燥するくらいの水量が目安です。乾燥に弱いので、毎日2回霧吹きしてあげましょう。
素早く動くのでハンドリングは難しい
バクチヤモリのハンドリングはやめておいたほうがいいです。
大人しい性格をしていますが、動きが素早く、強引に捕まえてウロコを剥がしてしまうことが多いからです。
人慣れしていて動かない子ならハンドリングすることが出来ます。日によって機嫌が変わるので、逃げる様子がなければハンドリングに挑戦してみましょう。
脱皮不全には要注意
バクチヤモリに限らず、ヤモリの仲間は体が大きくなると、窮屈な皮膚を脱ぎ捨てるために2ヶ月に1回ほど脱皮を行います。
この時に体調が悪かったり、古い皮が綺麗に剥がれない状態を脱皮不全と言います。脱皮不全は放置していると、壊死して腐ることがあるので、ぬるま湯でこすり落とす必要があります。
脱皮不全の原因はケージ内の湿度不足かカルシウムの栄養不足が考えられます。餌に爬虫類専用のカルシウム剤をまぶして栄養を補強しましょう。
バクチヤモリにおすすめの餌と与え方
バクチヤモリは基本的には生き餌しか食べません。
爬虫類用の餌として販売されている小型のコオロギやデュビア、レッドローチ、ミルワームを与えましょう。反応が悪いときは、ピンセットに昆虫の体液をつけて匂いを出し、昆虫を口の近くまで持ってきてゆすってみてください。
生き餌ばかりだとカルシウム不足になるので、3日に1回はカルシウム剤をまぶして与える必要があります。
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個体によりますが、人工飼料を食べてくれる子もいるので、専用餌のレオパゲルを食べてくれるか試していきましょう。
餌の頻度は2日に1回、腹八分を目安に与えてくださいね。
餌を食べない時
飼育環境の温度や湿度が適切ではない時やストレスを感じているときは餌食いが悪くなります。特に温度が低い場合が多いので、室温計でチェックしてください。
他にもゲージの掃除や体の観察を行って、病気がないかを確認していきましょう。
バクチヤモリの繁殖と産卵方法
バクチヤモリは販売量が少ないので、オスとメスを入手するのが大変ですが、繁殖自体は難しくありません。
縄張り争いもなく、オスとメスで複数飼育を行い、餌をしっかりと与えて成熟させていきましょう。
ペアができると1回の産卵で木の隙間に1〜2個の卵を産み付けます。25度の温度を保つことで2ヶ月ほどで孵化が始まります。
子供の育て方
バクチヤモリの子供が生まれたら親と別のゲージに移す必要があります。
親が赤ちゃんを食べるということはありませんが、赤ちゃんの餌を横取りしてしまうからです。
赤ちゃんの頭部の1/4の目安の大きさの昆虫を購入してきて与えましょう。
バクチヤモリについてまとめ
今回はバクチヤモリの生態や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
バクチヤモリはウロコを脱ぎ捨てる不思議な生態をしており、ニュルンとウロコが剥がれる様子は感動を覚えます。
意外にも素早く動き、ウロコが脱げる危険もあるのでハンドリングは難しかったりします。
爬虫類ショップでもなかなかお目にかかれない珍しいヤモリですが、機会があればぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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