エンゼルフィッシュは最も有名な熱帯魚ですが、混泳には注意しないといけないポイントがたくさんあります。
今回はそんなエンゼルフィッシュの混泳について、おすすめの混泳相手や混泳できない相手、成功させるコツなど紹介していきます。
エンゼルフィッシュは混泳しやすい?
エンゼルフィッシュはおとなしい性格をしているため、多くの熱帯魚と混泳を楽しめます。しかし、成長するにつれて攻撃性が増す個体もいるので、実際に飼育してみないとわからないことが多いです。
エンゼルフィッシュの混泳の注意点と成功のコツ
気性が荒くなる
エンゼルフィッシュは成長するにつれて気性が荒くなり、縄張り意識をもち始めます。特に繁殖期である春から夏にかけて強くなります。
縄張り意識は喧嘩の原因になります。4cm前後の幼魚のときから一緒に混泳させて縄張りを意識させないことが大切です。
大きく成長する
エンゼルフィッシュは10cmを超える中型の熱帯魚なので、3cm以下の小型熱帯魚だと食べられる可能性があります。
ただし、エンゼルフィッシュは水槽が狭いことが原因で大きく成長させるのが難しいので、最大で3cmもあれば十分なケースも多いです。
隠れ家を用意する
エンゼルフィッシュは上下に伸びた長いヒレをもっており、これが他魚の興味をそそり、突かれることが多いです。エンゼルフィッシュも他魚に攻撃することがあるため、隠れ家に水草をたくさんいれておきましょう。
流木や石組みは体を傷つける可能性があるので、なるべく避けておいてください。
エンゼルフィッシュと混泳させやすい相手
それでは、エンゼルフィッシュと混泳可能な魚やおすすめの混泳相手を紹介します。
混泳相手の選び方はエンゼルフィッシュに食べられない大きさで、大人しい性格であることが大切です。
ネオンテトラとの混泳
ネオンテトラは輝くような青色と赤色が美しい小型の熱帯魚で、混泳させるとエンゼルフィッシュとの色彩の違いがとてもきれいです。体長は3cmほどで危険な大きさですが、サイズ差を考えておけば混泳させることができます。
カージナルテトラであれば、ネオンテトラよりも一回り大きいので、トラブルの可能性はさらに下がります。目安として体長4cm以上あると安心です。
ネオンテトラの特徴と飼育方法やカージナルテトラの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
ヤマトヌマエビとの混泳
ヤマトヌマエビは水槽のコケや餌の食べ残しの掃除役として大人気のエビです。
エンゼルフィッシュはエビ類が大好物ですが、ヤマトヌマエビは体長が3cm〜5cmと大きく育つので、食べられる心配はありません。しかし、攻撃される危険性があるので、たくさん水草を植えておいた方がいいです。
ヤマトヌマエビの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
コリドラスとの混泳
コリドラスは水底で生活する熱帯魚で、エンゼルフィッシュの餌の食べ残しを処理してくれます。
とても大人しい性格で、体も丸々としているので、危害を加えることも加えられることもほとんどありません。エンゼルフィッシュが主役の混泳水槽にもっともおすすめです。
コリドラスの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
グラミーとの混泳
グラミーは触覚のように伸びたヒレが特徴的な熱帯魚です。非常に大人しい性格で泳ぎも得意ではないので、エンゼルフィッシュとの混泳に向いています。
ドワーフグラミーやパールグラミー、マーブルグラミーなど種類が豊富なので、選ぶのも楽しいです。
グラミーの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
プラティとの混泳
プラティは品種改良によってカラーバリエーションがとても豊富な熱帯魚です。価格も安価で飼育しやすいので、初心者向けの代表種です。
性格は温和で、体もぷっくりとしているので、エンゼルフィッシュと問題なく混泳させることができます。稚魚は餌になってしまうので、繁殖は諦めましょう。
プラティの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
オトシンクルスとの混泳
オトシンクルスはガラス面や流木、石に付着したコケを食べてくれる熱帯魚で、コケが生えやすい水草水槽に人気があります。
エンゼルフィッシュとはお互いにちょっかいをかけることはないので、問題なく混泳することができますよ。
オトシンクルスの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
ディスカスとの混泳
エンゼルフィッシュはディスカスと混泳させることができます。ディスカスとは円盤状の体型がかわいらしく、品種改良でカラフル体色を楽しめる熱帯魚です。
しかし、どちらもシクリッドで気性が荒いため、90cm以上の広い水槽が必要です。さらに、ディスカスは水質の変化に敏感で、高水温を好んでいるので、混泳相手としてはおすすめではありません。
縄張り争いをしないように幼魚の時から一緒に飼育して、飼育数は5匹以上にしておきましょう。
ディスカスの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
スネークヘッドとの混泳
エンゼルフィッシュはスネークヘッドと混泳させることができます。
スネークヘッドは細長い体で活発に泳ぎ回ります。エンゼルフィッシュもスネークヘッドもどちらも気が強いので、体の大きさが同じくらいになるように注意してください。
100cmを超える大型種もいますが、20cm前後のドワーフスネークヘッドやレインボースネークヘッドであれば問題ありません。
スネークヘッドの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
エンゼルフィッシュ同士の群泳
エンゼルフィッシュ同士での群泳は難しく、喧嘩してしまったり、1匹の個体が集中的に攻撃されることがあります。
これを防ぐためには幼魚のときから一緒に飼育したり、飼育数を5匹以上にするなど工夫が必要です。
うまくいっていても、いつパワーバランスが崩れるかわからないので、注意して見守ってくださいね。
エンゼルフィッシュとの混泳に向かない相手
エンゼルフィッシュが攻撃をしてしまうので、混泳することができない魚を紹介します。
グッピーとの混泳
グッピーはカラフルなヒレが美しく、繁殖が容易な熱帯魚です。
水面付近に生息して、せわしなく泳ぐので、エンゼルフィッシュが主役の水槽ではおすすめできません。
特に長い尾びれがエンゼルフィッシュの興味をそそり、つついてボロボロにしてしまう可能性があります。泳ぎが苦手で上手に逃げることもできないので、混泳はさけておきましょう。
グッピーの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
ミナミヌマエビとの混泳
ミナミヌマエビは水槽に発生したコケを食べてくれるので、水草水槽の掃除役として人気があります。
しかし、最大でも3cmほどの小型のエビなので、成体でもエンゼルフィッシュの餌になってしまいます。水草をたくさんいれていても、徐々に数は減ってしまうので、混泳はやめておきましょう。
ミナミヌマエビの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
プレコとの混泳
プレコには口に吸盤と細かい歯が流木やガラス面のコケを削り取って食べてくれるので、コケの掃除役に最適です。
基本的に生きているエンゼルフィッシュを襲うことはありませんが、夜行性で寝静まった時に、エンゼルフィッシュの平たい体型は吸い付きやすく、ウロコがボロボロにされる危険性があります。混泳はやめておきましょう。
プレコの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
ゼブラダニオとの混泳
ゼブラダニオは紺色のシマシマ模様がとても綺麗な熱帯魚です。運動量が多く、泳ぐのが得意なので、水槽内をせわしなく泳ぎ回ります。
混泳させているとエンゼルフィッシュの餌を横取りしてしまい、餌不足になる可能性があります。エンゼルフィッシュが主役の水槽でも視界に入って邪魔なので、混泳にはおすすめできません。
ゼブラダニオの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
スマトラとの混泳
スマトラは攻撃性が高く、ヒレなど長いものをどんどんつつくくので、混泳がしにくい魚として有名です。運動量も多いので、他魚が弱るまで、攻撃し続けます。
エンゼルフィッシュよりも体は小さいですが、ヒレがボロボロにされてしまうので、混泳は絶対にしないでくださいね。
スマトラの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
金魚との混泳
金魚は温和で飼いやすい魚ですが、体の大きさは15cm〜20cmと意外に大きく成長します。幼魚のときには問題ありませんが、大きく成長すると力強い泳ぎで水流が発生して、エンゼルフィッシュにストレスを与えてしまいます。
ヒレが長い琉金などだとエンゼルフィッシュにヒレをつつかれてしまうので、混泳はやめておいたほうがいいですよ。
金魚の種類で紹介しているので、ご参考ください。
エンゼルフィッシュを混泳させるときの飼育環境
エンゼルフィッシュの混泳水槽で注意してほしい飼育環境について紹介していきます。
通常の飼育方法についてはエンゼルフィッシュの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
混泳に適している水温
基本的な熱帯魚の適温は24度〜28度なので、27度前後に設定しておきましょう。
成体を早く成長させたかったり、病気をの治療や予防したい時は水温を高く、それ以外の時は低めにしておきましょう。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
混泳に適している水質
エンゼルフィッシュが好んでいる水質は弱酸性〜中性です。ソイルや水質調整剤で弱酸性を維持してあげましょう。
混泳時の餌やりの方法
混泳水槽では餌の取り合いがあるので、太りすぎている個体や痩せている個体がいないかこまめに確認する必要があります。
取り合いを避けるためには、それぞれの魚が食べやすい餌をあげるといいですよ。
エンゼルフィッシュはゆっくりと沈む、小粒の餌を好みます。水面付近に生息するプラティならテトラミンなどの沈みにくい餌を、コリドラスなどの水底に生息する魚には沈むスピードが早く、一口では食べきれないタブレット状の餌を与えましょう。
隠れ家になる水草
水草は熱帯魚の飼育以上に難しいです。強い光量や二酸化炭素供給、肥料などにお金がかかります。
今回は初心者向けとして考えるのであれば、飼育に手間がかからないアナカリスやマツモ、ウィローモス、アヌビアスナナ、ミクロソリウムなどの水草がおすすめです。小型の魚が逃げ込めるスペースを上手に作ってあげましょう。
エンゼルフィッシュと混泳についてまとめ
最後にエンゼルフィッシュと混泳相性がいい魚の条件を紹介しておきます。
今回紹介した魚以外でも、混泳することができる魚はたくさんいますので、ここでその混泳条件を満たしているか確認してみてくださいね。
混泳可能な条件
- 生活層が異なる。水底か水面
- 温和な性格をしている
- エンゼルフィッシュより少しだけ小さい
- エンゼルフィッシュのヒレをつつかない
- 泳ぐスピードが同じくらい
- エンゼルフィッシュの興味をそそる長いヒゲやヒレがない
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