ドクターフィッシュは水族館や温泉地などで、肌の角質を食べてくれる魚として有名です。肌を掃除してもらうと、とても気持ちがいいですよね。そんなドクターフィッシュは実際に販売されていて、自宅で簡単に飼育できるのです。
今回はそんなドクターフィッシュの特徴や寿命、値段など飼育方法を詳しく紹介していきます。
ドクターフィッシュとは?
ドクターフィッシュの正式名はガラルファというコイの仲間です。西アジアの河川域や、トルコの温泉地域に生息しており、高い水温の環境を好んでいます。
コイ科特有のかわいい顔とヒゲをしていますが、黒っぽい体色が地味なので、観賞魚として飼育する方はあまりいません。
群れで生活しており、普段は水底でじっとしていますが、餌を見つけると食いつくように群がってきます。コイの池に餌をいれたときのような壮絶さを観察することができます。
体の大きさ
ドクターフィッシュの大きさは成魚だと最大で14cmの大きさまで成長する中型の淡水魚です。セラピー用でみかける個体は5cmほどの幼魚です。
寿命の長さ
ドクターフィッシュの寿命は平均して7年です。病気やストレスに強く、水槽飼育でも長生きさせやすいです。生後2年ほどで成魚になり、あまり角質を食べなくなります。
ドクターフィッシュにはセラピー効果がある?
ドクターフィッシュが人の皮膚にくっつくのは、皮膚についている古い角質や微生物を食べるためです。なのでとてもお腹が空いている状態なんですね。
口には歯がないため、肌を傷つけずに角質を取り除くことができ、高い美容効果があります。また吸い付く時の振動が心地よく、リラクゼーション効果もあります。
数十匹のドクターフィッシュに足をくっつかれる体験は、思わず叫ばずにはいられない気持ち良さがありますよね。
ドクターフィッシュのセラピーの危険性と注意点
ドクターフィッシュは病気を持った人の角質を食べていることもあり、その状態で手足の傷口を触れられると水虫や皮膚炎が感染する可能性があります。
足の臭いに悩みを抱えている人がすることもあり、悪性のあまりドクターフィッシュが死亡したこともあるほどです。
セラピーをしたいときは傷口がないことを確認し、なるべく人通りが少なく、清潔感のある街で行いましょう。
ドクターフィッシュの飼育に必要な水槽の設備
水槽の大きさと飼育数
ドクターフィッシュを自宅で飼育をするときは、単独飼育だと45cm水槽が必要になります。
群泳をさせたいときは60cm水槽を用意してください。
ろ過フィルター
ろ過フィルターは水槽の大きさに合わせて選びます。
45cm以下の小型水槽であれば安価で設置しやすい外掛けフィルターがおすすめです。60cm以上の大型の水槽なら強力なろ過が期待できる上部フィルターを使いましょう。
ライト
ライトは魚を鑑賞しやすくするだけではなく、体色が薄くなるのを防止できます。セラピー目的であれば入れる必要はありません。
水槽用のヒーター
ドクターフィッシュは低水温に弱いので、冬は水槽用のヒーターが必要です。
必要なワット数の目安は45cm水槽で100W、60cm水槽で150W必要です。毎月の電気代はそれぞれ600円と1,000円前後です。
水槽の立ち上げ方法
ドクターフィッシュに限らず、熱帯魚の飼育を始める前に水槽を立ち上げておく必要があります。
立ち上げたばかりの水槽には有害物質を無害なものに変えてくるバクテリアがいないため、水質悪化しやすい環境です。最初は1匹~2匹の少数で飼育を初めて、バクテリアが増え始めたら飼育数を増やしていきましょう。
水槽の立ち上げには時間がかかるので、飼育前に準備しておくと安心です。
水槽立ち上げの順番
- 水槽の置き場所を決める
- 水槽と水槽台をセットする
- 照明、フィルター、底砂、ヒーターをセットする
- 各器具の電源を入れる
- フィルターを1日稼働させて濁りをとる
- ドクターフィッシュを1匹いれて1ヶ月飼育する
- 飼育数を徐々に増やしていく
アクアリウム水槽の立ち上げ方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ドクターフィッシュの飼育方法
ドクターフィッシュは体が丈夫なので、飼育はとても簡単です。しかし、縄張り意識が強いので、それなりに大きな水槽と隠れ家を作ってあげる必要があります。
値段と販売場所
ドクターフィッシュの値段は1匹あたり200円〜300円程度で販売されています。
熱帯魚専門店やホームセンターなどの店舗で見かけることはあまりありません。楽天やamazonなどのネット通販で販売されているでの、探して見ましょう。
生後2年を超えると肉食性が強くなり、角質をあまり食べなくなります。セラピーを目的にするのであれば、生後2年以内のドクターフィッシュを購入しましょう。
水槽のレイアウト
ドクターフィッシュは幼魚の時は群れで行動をしますが、大人になると縄張り意識が強く攻撃的になります。
複数飼いするときは、隠れ家になる流木や石を多く配置してあげましょう。石の上にのっかって休憩することが多いので、石組みを多めにしてあげると落ち着いてくれますよ。
飼育に適している水温と水質
ドクターフィッシュに適している水温は25度〜37度と幅広い環境に適応します。
高い水温を好んでおり、水温が25度付近では大人しく、35度前後で活発に動き出します。低水温に弱いので、冬は水槽用のヒーターが必要です。
30度を超える高水温で飼育するときは、水の蒸発が早くなります。水槽にはしっかりと蓋をして、水が減ってきたらこまめに追加しましょう。
水質は弱酸性を好むので、古い水や流木をいれてあげると元気になりますよ。
おすすめの餌と与え方
野生のドクターフィッシュの餌は石についた苔や微生物、小さな昆虫、魚の死骸などなんでも食べる雑食の魚です。混泳水槽では苔の掃除役として活躍してくれます。
人工餌に簡単に餌付いてくれるので、餌は「キャット」などの肉食魚専用の人工餌を与えましょう。
餌の頻度は1,2日に1回、1〜2分程度で食べきれる量を与えましょう。
お腹がいっぱいのときには角質を食べてくれないので、セラピーをしたいときは餌を与える前に行います。角質だけだと栄養失調になってしまうので、餌もあげるようにしてくださいね。
商品情報と価格をチェック
水槽の掃除と水換え方法
ドクターフィッシュを飼育していると、フンや食べ残しなどの有害な物質が溜まっていくので、1週間に1回は水槽の水換えをしないといけません。
そのときに一緒に底にたまったゴミやガラス面に付着したコケ、フィルターのスポンジを掃除しましょう。
掃除の手順を紹介します。
- カルキを抜いた水を準備して、水槽の水温と同じにしておく
- フィルターのスポンジを取り出して水道水で洗う
- ガラス面や石に付着したコケをこすり落とす
- 1/3の水量を目安にホースで水中のゴミや水底のフンを吸い出す。
- 捨てた分の水を1時間ほどかけて水槽に足す
かかりやすい病気
ドクターフィッシュは丈夫な魚なので、病気にかかることはほとんどありません。
さらに、熱帯魚の病気は寄生虫や細菌が原因になりますが、高水温が苦手なので、ドクターフィッシュを飼育している環境では生きていくことができません。
水質の急激な変化には弱いのでphショックで死んでしまうことがあります。購入してきたときは水あわせをしっかりと行ってあげましょう。
ドクターフィッシュのまとめ
ドクターフィッシュのセラピーはとても気持ちがいいものですが、自宅で飼育するときは長い間楽しむことはできないと覚えておきましょう。
とても長寿な魚でもありますので、セラピー以外にかわいい姿や泳ぎ方、仕草など、好きな一面を見つけてから飼育を始めてあげてくださいね。
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