ハチェットフィッシュは銀色の輝くボディに水面をスーっと泳ぐ姿が可愛らしい熱帯魚です。臆病な性格でよく水面を飛び出すところも可愛いです。
今回はそんなハチェットフィッシュの種類や繁殖方法、混泳できる魚、飛び出しの防止方法など飼育方法を詳しく紹介していきます。
ハチェットフィッシュの生態と特徴
ハチェットフィッシュはアマゾン川やペルーに生息しているカラシンの仲間です。熱帯魚の中でも少し変わった体型が特徴的です。正面から見ると非常に薄く、1本の線のように見えるほどです。ハチェットは日本語で「手斧」と言う意味です。形状がそっくりで、空中にジャンプする姿がまるで、手斧を投げているように見えることから名付けられました。
水槽の下層〜中層にいることはめったになく、水面付近をゆったりと泳いでいます。驚くとすごいスピードで逃げたり、空中にジャンプしたりします。臆病な性格なので5匹以上の群泳で飼育することをおすすめします。
大きさは種類によって変わってきており、だいたい3cm〜10cmほどの大きさになります。寿命は平均して2年ほどになります。
ハチェットフィッシュの種類
シルバーハチェット
シルバーハチェットはいちばん古くから知られているポピュラーな種類です。ホームセンターや熱帯魚専門店で一番見かけることが多く、500円前後で販売されています。はっきりとした銀色の体色に、胸ヒレから尾ヒレまでまっすぐに通った黒いラインが特徴的です。体長は比較的大きく、5cmまで成長します。アルビノ個体が販売されていることがありますよ。
マーブルハチェット
マーブルハチェットは体表の大理石模様(マーブル柄)が美しく、ハチェットフィッシュの中で最も人気が高い種類です。2つの亜種が確認されており、マーブル模様がはっきりとしたファスキアータ亜種と不鮮明なストリガータ亜種があります。最大でも3cmほどにしかならないので、同サイズのネオンテトラなどの小型熱帯魚と混泳することで見栄えがとてもよくなりますよ。
グラスハチェット
グラスハチェットは最大でも2.5cmほどで、ハチェットフィッシュの中で最も小型の種類です。別名でピグミーハチェットフィッシュと呼ばれています。小型で群泳がとてもよく似合うので、10匹以上で飼育するととても優雅でかわいいですよ。しかし、まとまって入荷することは少なく、入手は難しくなります。
マーサハチェット
最大で4cmほどになるはチェットデス。この種類も2つの亜種がおり、腹部に網目状になっている種類と、腹部の輪郭が黒くなっている種類がいます。上から見ると胸ヒレが黒く見えるので、ブラックウィングハチェットとも呼ばれています。
トラコカラックスハチェット
トラコカラックスハチェットは大型のハチェットで成魚になると10cmほどになります。別名でトラコハチェットと呼ばれています。腹部は光沢がある銀色になっており、光の角度によってキラキラと輝く豪華な体色をもっています。
レヴィスハチェット
レヴィスハチェットはシルバーハチェットに似ており、間違えてシルバーハチェットの名前で販売されていることがある種類です。シルバーハチェットとの違いは、黒いラインの近くに、黒い斑点がまばらにはいっています。大型で成長すると8cmほどになります。
ハチェットフィッシュの飼育設備
ハチェットフィッシュは小型の水槽で飼育できるため、初期費用では2万円もあれば十分です。
必要な水槽の大きさ
ハチェットフィッシュは体が小さいので、小型水槽でも群泳を楽しむことができます。。飼育容器は透明度が高いガラス水槽を使いましょう。
飼育数の目安は次の通りです。
30cm水槽 | 2匹 |
---|---|
45cm水槽 | 10匹 |
60cm水槽 | 20匹 |
ろ過フィルターの選び方
45cm以下の小型水槽であれば、安価で取り付けが簡単なインテリア性にも優れている外掛けフィルターがおすすめです。
60cm以上の場合はろ過能力が高い上部フィルターを使いましょう。
強い水流を嫌うので、水流を弱める工夫が必要です。吐き出し口をガラス面に向けたり、スポンジでカベを作っておくと良いですよ。止水域が出来ないように注意してください。
ライト
ライトは鑑賞用としてみやすくなるだけではなく、体色を濃くする役割もあります。強い光が苦手なので、ストレスを感じているようなら、陰をつくってあげましょう。
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飛び出し防止の水槽の蓋
ハチェットフィッシュは水面付近を泳いでおり、驚かせるとジャンプして飛び出す危険があります。隙間がないようにしっかりと水槽の蓋をしておきましょう。
ハチェットフィッシュの飼育方法
ハチェットフィッシュは体が小さいので、水質の変化には気をつけてください。熱帯魚の飼育に慣れていない人には少し難しく感じるかもしれません。
値段と販売場所
ハチェットフィッシュの値段は1匹あたり500円〜800円です。
人気の熱帯魚ではないため、ホームセンターで見つけることは難しく、熱帯魚専門店やネット通販で探すと早いです。
導入前に水合わせをする
ハチェットフィッシュは水質の変化に弱いので、購入してきた個体をそのまま水槽にいれてはいけません。
新しい水に慣らすための水合わせという作業がとても重要です。
水合わせの手順
- 購入してきた魚を水ごとバケツに入れる
- 30分かけて水量が倍になるように水槽の水を入れる
- バケツの水が半分になるまで捨てる
- 30分かけて水量が倍になるように水槽の水を入れる
- バケツの水と飼育水の温度差がないかをチェックする
- バケツの水をギリギリまで減らして、水ごと魚を水槽に入れる
飼育に適した水温と水質
ハチェットフィッシュに適した水温は20度〜28度です。水槽は気温の変化が少ない場所に置いてあげましょう。
低水温に弱いので、冬は水槽用のヒーターを用意してください。
水質は弱酸性を好んでいますが、そこまで気にする必要はありません。
水質の変化に敏感なので、導入初期は水質が安定するまで週に2回、1/3ほど交換してください。慣れてくると週に1回、1/3ほど換水しましょう。
おすすめの餌と給餌方法
ハチェットフィッシュは肉食で、水面に落ちた小さな虫や微生物を食べています。
飼育下では人工飼料や生き餌を食べてくれますが、口が小さいため、餌の大きさには注意してください。
餌は浮遊性で小さいサイズが理想です。「テトラミン」というフレーク状の餌を手ですり潰してあげるといいですよ。
浮遊性の餌がない時は水面にゆっくりといれるようにして、すぐに底に落ちないように工夫してあげてくださいね。
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かかりやすい病気と治療方法
ハチェットフィッシュは白点病にかかりやすく、入荷直後の水質の変化や季節の変わり目の水温の変化に注意が必要です。ヒーターを設置して水温を高めの28度前後にすることで予防することができます。
白点病は感染力が強く、水槽全体にひろがっていくので、発症している個体を見つけたらすぐに別の水槽に隔離しましょう。1週間ほどメチレンブルーで薬浴してくださいね。
繁殖は難しい
ハチェットフィッシュは繁殖例が少なく、プロでも難しいといわれている熱帯魚です。
販売されている個体のほとんどが野生種です。産卵すらも難しく、抱卵していただけで、熱帯魚情報誌に掲載されるほどのニュースになります。
基本的な繁殖のコツはどの魚も同じく、しっかりと健康的に育った親がいることが大切になるので、餌をしっかりとあげてください。5匹以上を群泳させて自然とペアができるのを待ちましょう。
ハチェットフィッシュの混泳方法
ハチェットフィッシュは大人しい性格で、混泳向きの熱帯魚です。
おすすめの混泳相手
底に落ちた餌は食べないので、水槽の掃除屋として人気が高いヤマトヌマエビやミナミヌマエビ、コリドラス、どじょうと混泳させることが多いです。
中層を泳ぐネオンテトラ、プラティ、ラスボラとも相性がいいですよ。
混泳に向いていない相手
クラウンキリーやグッピーは大人しい熱帯魚ですが、生活層がかぶっているので、ストレスを与えてしまいます。こちらもなるべくやめておきましょう。
ハチェットフィッシュの飛び出しを防ぐには?
ハチェットフィッシュは臆病な性格をしており、水槽をコンコンと叩いただけでも、驚いて空中にジャンプすることがある熱帯魚です。水槽の蓋は隙間なくきっちりと置いておきましょう。
密閉された水槽だと夏場は水温が上がりやすいため、プラスチックの蓋にドリルで小さい穴を複数開けたり、網を蓋として上手に設置するといいですよ。
ハチェットフィッシュについてまとめ
ハチェットフィッシュは銀色に輝く美しい体色と、奇妙な形をした不思議な熱帯魚です。
とても臆病な性格をしているので、驚かせないように注意して、飛び出し防止のために水槽の蓋はしっかりとしておきましょう。
泳ぐのが苦手なので、水流は弱めにして、ストレスを与えない環境で大切に育ててあげてくださいね。
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