ミナミヌマエビは水槽の掃除役として人気であり、繁殖も楽しむことができるエビです。他の種類のエビでは繁殖に少しコツがいりますが、ミナミヌマエビはとても簡単なので、初心者にもおすすめです。
今回はそんなミナミヌマエビの繁殖のコツを詳しく紹介していきます。
ミナミヌマエビの繁殖は難しい?
ミナミヌマエビの繁殖はとても簡単で、初心者でも十分に狙える生き物です。ミナミヌマエビを飼育している環境であれば問題なしという感じです。
新しい水槽の環境に慣れるまで少しだけ時間がかかりますが、落ち着いてくるとどんどん繁殖をして増えていってくれます。
ミナミヌマエビの繁殖と産卵方法
ミナミヌマエビのメスは卵をお腹に抱えて、孵化するまでお腹で世話します。新鮮な水を送るために、後ろ足を動かしていますよ。
抱卵の状態は見分けがつきやすく、お腹に黒い卵がたくさんついているのを見ることができます。
繁殖の時期
野生のミナミヌマエビは水温が20度〜25度になる春から夏にかけてが繁殖の時期になります。
室内飼育では水槽用のヒーターを入れて水温管理をしていると、年中繁殖を行ってくれます。
産卵前の行動・兆候は?
ミナミヌマエビは繁殖時期に入ると、オスがメスを追いかけ回すようになります。またペアができると数日ではありますが、繁殖のためにメスの上にオスが乗っかっている様子が確認できますよ。
抱卵から孵化までの期間は?
ミナミヌマエビが抱卵をはじめたら2週間から4週間で卵が孵化します。
抱卵をはじめると他の魚やエビに餌として狙われるようになるので、隠れ家になる水草を用意するか母エビを隔離してあげましょう。
卵の色は?
ミナミヌマエビの卵の色は最初は黒く、孵化が近づくにつれて白色から透明になっていきます。
死んでしまった卵には白カビが生えくるので、可能ならすぐに除去してください。生えていない卵は順調に成長しているので、温かく見守りましょう。
ミナミヌマエビの繁殖に必要な飼育環境
ミナミヌマエビの繁殖には一般の熱帯魚と同じ設備で問題ありません。
メダカを一緒に飼育している混泳水槽でも隠れ家を多く用意してあげれば十分に繁殖可能です。稚エビには餌になる微生物が必要なので、水草をいれておいてあげましょう。
繁殖用の水槽
ミナミヌマエビの繁殖用水槽は稚エビ育成用に必要になります。小型水槽である30cm水槽が用意できれば十分です。
稚エビを吸い込まないフィルター
フィルターは水槽の水質安定に必要です。バクテリアが繁殖させる必要があるので、水槽を立ち上げてから1ヶ月以上使用したことがあるフィルターを使ってください。
フィルターにエビが吸い込まれないように吸い込み口には専用のスポンジをつけてあげましょう。
隠れ家になる水草
水草は稚エビが休んだりするときに隠れ家にすることができます。特におすすめの水草がウィローモスで、葉が小さいので、稚エビのちょうどいい隠れ家になります。
ウィローモスには餌になる微生物が繁殖しやすく、新芽も柔らかくて食べやすいので、餌切れ対策にもなります。
底砂
ミナミヌマエビは水底で生活する生き物なので、砂がない水槽だと滑って歩きにくいです。砂利隙間に入ると潰れる可能性があるので、粒が小さいものを選んでください。
照明(ライト)
照明で綱領を強めにすることで餌になる苔の繁殖を促すことができます。なくても問題ありませんよ。
水槽用のヒーター
冬の間は水槽用のヒーターをいれてあげましょう。水温は最低でも20度になるようにしてあげてくださいね。
屋内と屋外で異なるミナミヌマエビの繁殖環境
屋内繁殖のコツは?
屋内飼育では掃除のしやすさを求めて、水草や流木が少なくなりがちですが、稚エビが食べられることが多くなるので、隠れ家になるものはたくさん入れてあげましょう。また小まめに掃除を行うと、餌になる微生物が減ってしまうので、コケが増えても放っておいてあげてくださいね。
冬場もヒーターを使うことで年中繁殖を楽しむことができますよ。
屋外繁殖のコツは?
ミナミヌマエビを屋外で繁殖させたいときは、水温の調整が最も大切です。
水槽用のヒーターが使えないので、水温が20度〜25度になる春と夏に屋外飼育をしましょう。その時期には天敵になるヤゴやボウフラの卵も増えるので、水槽の蓋を忘れないでください。
水温の調整さえできれば、強い日光が餌となる苔や微生物がどんどん増やしてくれるので、繁殖させやすい環境になりますよ。
ミナミヌマエビの卵の孵化率をあげるコツは?
ミナミヌマエビの孵化率をあげるためには、メスの脱卵を防ぐことが重要になります。脱卵の原因は水質変化、天敵の存在、メスの脱皮などがあります。
抱卵を始めたら、水質が変化しないように1回の水換えの量は1/6程度に抑えておきましょう。また可能であれば親エビは隔離しておき、ストレスを感じないように隠れ家を多めにいれておいてあげてくださいね。
ミナミヌマエビの稚エビの飼育方法
ミナミヌマエビの稚エビの育て方について紹介していきます。稚エビは親以上に水質の変化に敏感で、餌不足で餓死することも多いので、かなり注意しなければいけません。
産卵後の親エビと稚エビは隔離する?
ミナミヌマエビは生きている生物を食べることはないので、親エビと稚エビを隔離する必要がありません。
親エビが稚エビを食べている場合は、すでに稚エビが死んでしまっているときであり、稚エビが死んでいる原因を探る必要があります。
また、産卵後の親エビは体力が落ちているので、混泳水槽に戻すと攻撃される危険性があります。産卵後もそのまま稚エビと一緒に飼育しておきましょう。
稚エビが死んでしまう原因は?
孵化後の稚エビは体が小さく、水質の変化にとても敏感です。生後1ヶ月ほどたつまでは水換えは控えてください。
また水流が強かったり、天敵となる魚がいるとストレスを感じて弱ってしまいます。なるべく隔離するか隠れ家となる水草をしっかりと植えてあげてくださいね。
稚エビにおすすめの餌
ミナミヌマエビの稚エビは水槽内に繁殖する微生物だけで十分に成長することができるので、餌を与える必要はありません。不安な時は微生物が繁殖しやすいウィローモスやマリモなどの苔類をたくさんおいてあげましょう。
それでも、大量に飼育している場合には、餌不足になるので親エビと同じ餌をあげてくださいね。
ミナミヌマエビが繁殖しない、抱卵しない時は?
ミナミヌマエビが抱卵や繁殖をしない原因は3つあります。反対に言えばこれらの問題が解決できていれば簡単に繁殖させることができますよ。
チェックポイント
- オスとメスが揃っていない
- 親エビが成熟していない
- 水温が低すぎる、高すぎる
オスとメスの見分け方は?
繁殖をしない原因で最も多いのが、オスとメスがそろっていないことです。
ミナミヌマエビのメスは背中に卵巣があります。運が良ければ、抱卵前のメスの卵巣に黒い小さい卵を目視することが出来ます。
ほかにもメスは腹部の下側が丸みを帯びているのが特徴です。状態がいい環境で水温が適していればショップでも抱卵していることが多いので、それで見分けをつけるのが一番簡単ですよ。
1つの水槽に5匹ほどいれておけば自然とペアができて繁殖していきます。
親を成熟させるエサ
当然ですが、親が成熟していないと繁殖はしないです。
ミナミヌマエビの繁殖を成功させるには親エビが健康であることが必須です。微生物を餌とさせているだけでも繁殖を狙うことができますが、大量に繁殖をさせたいときにはエビ専用の餌を準備すると確実です。
餌は一般的に販売されているメダカの餌でも心配ありません。繁殖率や生存率が悪いときには高価になりますがエビ専用の餌をあげてみてくださいね。
ミナミヌマエビの餌でより詳しく紹介しているので、ご参考ください。
水温が低い
水温が低いと繁殖をしないです。水槽用のヒーターを使って20度〜25度を維持しましょう。
ミナミヌマエビの繁殖と産卵方法についてまとめ
ミナミヌマエビの繁殖は簡単ですが、水草などの隠れ家がないとメダカなどの混泳相手に食べられてしまうことが多く、抱卵しているのに増えないときはよく観察してください。
屋外でも繁殖は狙えます。逆に増えすぎには注意して、ミナミヌマエビの繁殖を楽しんでくださいね。
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