メダカの稚魚は体が小さくて弱いため、飼育するには慣れが必要です。しかし、餌のあげ方や水槽の置く場所など飼育のコツがわかってくると、死なせることなく元気に成長していってくれます。
今回はメダカの稚魚の死ぬ原因や生存率をあげるポイントを中心に飼育のコツを詳しく紹介していきますね。
メダカの稚魚はどんな姿なの?
メダカの稚魚は、卵の状態で10日から2週間したら孵化します。生まれたての稚魚は4〜5mmほどしかなくとても小さいです。
稚魚が小さいため、食べられる餌が少なく、飼育が難しくなってしまっています。反対に言えば、ここさえクリアできれば育てていくことは難しくありませんよ。
よく観察してみると体は透明で骨が透けており、大人と比べると全く別の魚のようです。ヒレやウロコが未発達のため、泳ぐことはできず、砂底や水草でじっとしていることが多いです。
メダカの稚魚の餌やりはいつからする?
メダカの稚魚への餌やりは生後3日ころから始めます。
最初はお腹にぶら下げているヨーサックと呼ばれる卵黄から栄養を摂取して成長するので、餌やりは必要ありません。
ヨーサックがなくなると餌を探して泳ぎ回るので、動きが活発になったら餌を与えてみてください。
稚魚は口がとても小さいので、親魚と同じ大きさの餌を食べることはできません。稚魚の口にあった餌を探してあげましょう。
メダカの稚魚の餌の量や頻度は?
メダカの稚魚は胃袋が小さいので、たくさんの餌を食べることはできませんが、たくさんの栄養を必要としています。
なので1度の餌の量は1分程度で食べきれる量にしておいて、餌やりの回数を1日5回ほどにします。少量をたくさんあげることが稚魚育成で大切になります。
餌やりの回数を維持するのが難しいため、餓死するリスクがあります。この問題は人工餌ではなく、別の餌を使うことで対策することができます。
メダカの稚魚におすすめの餌は?
最強の餌はグリーンウォーター
グリーンウォーターとは植物性プランクトンが発生している水のことです。
野生のメダカの稚魚は、水中に繁殖している植物性プランクトンや微生物を食べているので、食いつきが抜群です。日光が当たる場所にコケが生えて、そこに微生物が繁殖してグリーンウォーターになっていきます。
植物性プランクトンは人工餌と違って、食べ残しても水質を悪化させることはなく、メダカの稚魚が常に餌を食べられるので、餓死する心配がありません。
自分で繁殖させるときは、カルキを抜いた水をバケツに入れて、そこにメダカの人工餌をいれて直射日光を浴びせます。1週間程度でコケが繁殖して植物性プランクトンがわいてきます。水が薄い緑色になるので、すぐにわかります。
人工的に作り出すことも出来ますが、手間なときは原液を購入するのがおすすめです。
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psb
PSBとはバクテリアなどの細菌を含んでいる水質浄化剤です。本来は水槽の水を綺麗にする商品として使われますが、含まれている細菌がメダカの稚魚の餌になります。
グリーンウォーターと同じく餓死の予防がしやすいため、植物性プランクトンが繁殖しにくい屋内飼育ではPSBを餌として使うと良いでしょう。
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稚魚用の人工飼料
植物性プランクトンが水槽にわいていないことの方が多いため、人工飼料が必要になります。メダカの餌を水でふやかして手ですりつぶしてから与えましょう。
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ブラインシュリンプ
ブラインシュリンプは熱帯魚の稚魚の餌として有名な餌です。
栄養価がかなり高く、サイズも稚魚の口に入る大きさなので、稚魚の飼育にもっとも適しています。しかし生き餌で準備するのが大変という点と、価格が500円前後するので、メダカの稚魚の餌として使うことはあまりありません。どうしても生存率をあげたいというときに使ってくださいね。
ブラインシュリンプの与え方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
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メダカの稚魚に必要な水槽と飼育環境
おすすめの飼育容器と必要な大きさ
メダカの稚魚に必要な飼育容器の大きさは水深で3cmほどあれば大丈夫です。
飼育容器の種類はタッパやバケツ、プラスチックケース、ガラス水槽、発泡スチロールなどで飼育することができます。水量が少ないと水温の変化が激しくなるので、水温が上がりやすい夏は注意が必要です。
できれば、虫かごに使うプラスチックケースやガラス水槽くらいの大きさの飼育容器を準備できると安心です。
一つの飼育容器に過密飼育すると水質悪化しやすいため、なるべく多くの飼育容器を用意でしょう。成長速度が違うメダカの稚魚をサイズ別に分けることで、共食いを防ぎ、生存率のアップにもつなげることが出来ますよ。
エアレーションは必要?
メダカの稚魚はうまく泳ぐことができず、水流を嫌うので、エアレーションは無いほうが飼育しやすいです。かわりに酸素不足や水の洗浄するためにも水草を多くいれてあげるといいでしょう。
ただし、飼育数が多いと酸素不足になるのでエアレーションが必要です。メダカの稚魚を吸い込んでしまわないように、吸い込み口にスポンジをつけてあげてくださいね。
冬の寒さを乗り越えるのにヒーターは必要?
メダカの稚魚は親魚と違って冬の寒さを越すことはできません。野生のメダカの稚魚は春から夏の間に生まれて、冬までには大人になって越冬の準備を行うからです。
稚魚のままで越冬することは難しいので、水温が低くなる冬は水槽用のヒーターを準備してあげてくださいね。
水草は必要?
生まれたばかりのメダカの稚魚はとてもストレスを感じやすいです。
そこで、隠れ家になる水草はストレス軽減のために必須です。水草をたくさん植えていれば、親魚と一緒に飼育することもできます。
おすすめの水草は飼育が簡単なアナカリスやカボンバなどになります。川にはえていたり、ホームセンターで簡単に購入できますよ。
適している水温
メダカの稚魚の飼育に適した水温は25度前後ですが18度〜30度の範囲なら十分に飼育が可能です。
メダカの稚魚の成長速度は?
暖かい時期に生まれた稚魚は、よく餌を食べ、1ヶ月ほどで8mmほどまで成長します。この時からヒレが発達してメダカらしく泳ぐようになります。ここから半月ほどで10mmまで成長し、姿はもちろん泳ぎ方も大人のメダカと変わらなくなります。
親魚と大きさになれば同じ水槽で飼育しても問題ありません。生まれて3ヶ月で成魚になり、繁殖が可能になりますよ。
稚魚の成長速度が遅いと感じたら
メダカの稚魚の成長が遅くなる原因は、餌が十分に食べられていない、水温が低い、日光に当たっている時間が短いなどがあげられます。
他には飼育容器が小さすぎる場合もあります。多い理由は餌と日光なので一度確認してみてくださいね。
メダカの稚魚が死ぬ原因は?
メダカの稚魚が死ぬ原因は大きく分けて3つあります。特に生まれてから1ヶ月までは体力が無くて死にやすいので、注意してあげてください。
栄養不足による餓死
メダカの稚魚で一番多い死ぬ原因は栄養不足による餓死です。稚魚は成長のためにも多くの栄養を必要としており、不足すればすぐに餓死してしまいます。
水質の悪化
次にメダカの稚魚の死ぬ原因で多いのが水質の悪化です。食べ残した餌やフンが水質を悪化させ、メダカの稚魚が住めない環境へ変化させてしまいます。水質悪化を予防するためにはエアレーションをいれるか、水草を多めに入れる必要があります。
水温や水質などの環境の変化
環境の変化とは水温や水質の急激な変化のことです。メダカの稚魚は環境の変化に弱く、水換えで水質が変わるとストレスで死ぬことがあります。
水質悪化は死ぬ原因になりますが、水換えも死ぬ原因になるのです。水草を入れるなどして、なるべく水換えをしない環境を整えることが大切ですが、飼育数が多い時には水質悪化がおきてしまいます。
そんなときでも、少量の水をコップですくだす程度に抑えておきましょう。
水道水から飼育水を作るときはカルキを抜くことを忘れないでください。カルキの抜き方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
死ぬときの対策方法
メダカの稚魚が死ぬときの対策で最もおすすめの方法が屋外での飼育です。
太陽の下で餌になる植物性プランクトンが繁殖してくれるので、いつでも餌を食べられるようになります。人工飼料ではないので水が汚れる心配も少ないです。もし稚魚が死んでしまうことが多かったら、一度屋外飼育に切り替えてみてください。
どうしても屋内飼育をするのであれば、グリーンウォーターを使いましょう。
メダカの稚魚の水合わせの方法
水合わせとは、古い水槽から新しい水槽に移動するときに、水質が大きく変わってしまうので、新しい飼育水に慣らしていく作業のことを言います。
特にメダカの知行は水質の変化に弱いので、水合わせは慎重に行ってください。
方法はとても簡単で、メダカの稚魚を古い飼育水ごとバケツに移動させ、1/5ほど水を捨てて、新しい飼育水を継ぎ出します。
これを15分おきに1時間かけて4回行うことで、水あわせは完了します。
メダカの稚魚を屋外で飼育するときの注意点
メダカの稚魚を屋外で飼育する時は雨水に注意しましょう。
容器が水であふれると、稚魚も一緒に流されてしまいます。雨の日は水がかからない場所に置くか蓋をしておきましょう。
夏場だと蚊の幼虫であるボウフラにも注意が必要です。ボウフラは体が大きく、稚魚を食べてしまいます。ボウフラを確認したら、稚魚を別の水槽に移動させるか、ボウフラをこまめに除去していきましょう。
屋外での飼育はデメリットばかりではありません。太陽の光がビタミンDを作り出し、稚魚が丈夫に育ってくれます。餌となる植物性プランクトンもどんどん増えていくので稚魚にとって非常にいい環境なのです。屋外飼育の方が産卵や稚魚育成がうまくいくことが多く、メダカの養殖も基本的に屋外で行われているんですよ。
メダカの稚魚が消えてしまう?
生まれたばかりの稚魚は体が弱く小さいため、死んでしまうと周りのゴミに埋もれて見えなくなります。またなんでも食べようとしてしまうので、稚魚同士の共食いも頻繁におきてしまいます。
共食いを避けるためにも、サイズが違う稚魚は同居させないか、隠れ家となる水草を多く植えましょう。
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