ツノダシは長く伸びた背びれと黒色と黄色のコントラストが美しい海水魚です。観賞魚としても人気ですが、水質の変化に敏感で飼育は難しいです。
今回はそんなツノダシの生態や特徴、体の大きさ、混泳相性、おすすめの餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。
ツノダシの特徴と生態
ツノダシはスズキ目ツノダシ科に分類される海水魚です。インド洋と太平洋の珊瑚礁に生息しており、群れになって、広大な海を泳ぎ回ります。
体型は角が生えているように背びれが上に長く伸張しています。英語ではzonclus cornutusと表記し、「鎌」の意味があります。背びれは長く発達するため、輸入されるときに切断されますが、時間がたつと再生してきます。
映画のファインディングニモでは「ニモ」を水槽から救い出してくれるリーダーである「ギル」がツノダシですね。ちなみにニモはカクレクマノミ、ドリーはナンヨウハギです。
体色は黄色と黒色のシマシマ模様をしており、コントラストがはっきりとしているので、美しく鑑賞魚として優れています。
体の大きさ
ツノダシの大きさは18cm前後になる中型の魚です。
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寿命の長さ
ツノダシの寿命は平均して4年~5年です。飼育は難しく、短命になりやすいです。
ツノダシとハタタテダイの違い
※画像はハタタテダイです。
ツノダシとよく似ている種類にハタタテダイという海水魚がいます。
ハタタテダイはチョウチョウウオ科の魚で、尾びれが黄色になっているので簡単に見分けることが出来ます。
エンゼルフィッシュとの違い
ハタタテダイはよくよく見てみると淡水魚のエンゼルフィッシュにもよく似ていますが、エンゼルフィッシュは淡水に生息するシクリッドの仲間で、それぞれ違う生き物です。
ツノダシの飼育に必要なもの
必要な飼育設備
- 水槽
- ろ過フィルター
- ライト
- 底砂
- 水槽の蓋
水槽の選び方
ツノダシの飼育水槽は最低でも90cm(横幅)×45cm(奥行)を用意してください。遊泳力があるので、60cm水槽では狭いです。
群泳するときは120cm水槽を用意しましょう。
上部フィルターが設置できるフレーム付きのガラス水槽がおすすめです。おすすめの90cm水槽でも紹介しているので、ご参考ください。
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ろ過フィルターの選び方
ツノダシの水槽は90cm以上なので、ろ過フィルターはろ過力がある上部フィルターかオーバーフロー式が必要です。
おすすめの上部フィルターで紹介しているので、ご参考ください。
海水は淡水よりも粘性が高く、水面に泡がたまりやすいため、これを除去できるプロテインスキマー機能がついた「海道達磨」も人気です。
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止水域が出来るようなら、水流ポンプを設置しましょう。
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ライトの選び方
ツノダシには海水らしい青色のライトが似合います。
また、海水魚の水槽では光量をより強くするためや、好みの色合いにするためにLEDライトを2本セットすることも珍しくありません。
薄い青色のシャイニングブルーというLEDライトが人気です。ゼンスイのホームページで光の色合いや組み合わせについて紹介されています。
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青色をより強くしたいときは、こちらの商品を組み合わせましょう。色合いはKSSのホームページで紹介されています。
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底砂の選び方
底砂は弱アルカリ性を維持できる海水魚用の砂を使います。必要砂の量は90cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
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海水の作り方
海水はホームセンターやネット通販で販売されている、海水の元と比重計を使って作ります。カルキを抜いた水を用意しておいて、比重計で塩分濃度を測りながら、1.025を目安に塩を追加していきます。
人工海水の作り方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
夏は水が蒸発して塩分濃度が上がりやすいので、水槽の蓋をしっかりとしておき、水が減ったら淡水を追加していきましょう。
週に1回は水換えを行って、水質の維持に努めてくださいね。
ツノダシの飼育方法について
ツノダシは神経質で、水質や水温が変化するとすぐに体調を崩してしまうため、飼育が難しい海水魚です。
値段と販売場所
ツノダシは8cm前後の幼魚が1,000円~2,000円ほどの値段で販売されています。
暖かくなる4月頃から販売され始めるので、その頃になったら海水魚販売に力を入れているホームセンターか熱帯魚専門店に行ってみましょう。ネット通販であれば年中を通して入手することが出来ますよ。
適している水温
ツノダシに適している水温は23度~27度です。水温の変化に弱いので、毎日水温をチェックして、変動がないように注意してくださいね。
年中を通して水温が安定している太平洋に生息しているため、冬はヒーターを設置してください。おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
夏は30度を超えないように、冷却ファンを使ってあげましょう。
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水槽のレイアウトはどうする?
ツノダシはサンゴ礁に好んで生息しているので、ライブロックなどを入れてあげると落ち着けます。
しかし、体高があるので、水槽の半分以下の高さの物を置いて、遊泳スペースを広くとるようにしてください。
おすすめの混泳相手
ツノダシは大人しい性格をしており、混泳水槽で飼育しやすい魚です。しかし、長いヒレが攻撃対象になりやすいので、混泳相手には注意が必要です。
おすすめの混泳相手はツノダシよりも体が小さいハゼやカエルウオ、ハナダイ、クマノミなどです。
ツノダシだけで飼育していると、群泳してくれるので、見事な群れを見ることができますよ。
かかりやすい病気と治療方法
ツノダシは水温や水質の変化に弱く、体調が弱っているときに白点病にかかりやすいです。特に飼育を初めて1ヶ月は新しい環境に慣れていないので、注意が必要です。
白点病とは全身が白い点々に覆われる病気で、感染力が強いので、またたくまに水槽中に魚に感染してしまいます。
水槽の水には病原菌が生息しているので、すぐに全ての水を交換し、発症した個体は隔離して、グリーンFリキッドで1週間薬浴してください。
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ツノダシの餌付けはどうやる?
野生のツノダシは小型の甲殻類や藻類などの植物を食べる雑食性ですが、飼育下での餌付けがかなり難しい魚です。
ツノダシが食べてくれやすい順に紹介していきます。個体によって好みの差が激しいので、最初から何かに餌付けされているツノダシを購入しておけると楽です。
餌の頻度は毎日1回、2分ほどで食べきれる量を与えてくださいね。
最初はホワイトシュリンプかブランシュリンプ、アサリから始める
一番最初の候補は冷凍餌のホワイトシュリンプです。まずはこれを与えてみましょう。
次に生き餌のブラインシュリンプ、スーパーで販売されているアサリに挑戦していきます。
どれも餌付けが良い餌であり、これらを食べてくれなければ結構しんどいです。順番に挑戦していきましょう。
どれも準備が大変なので、慣れてきたら人工餌にも餌付けしていきましょう。
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主食は人工飼料
ツノダシの主食は植物性の「メガバイトグリーン」を与えます。
最初から人工飼料を食べてくれる個体は少ないので、すでに餌付いている餌を与え、その直後に人工餌を落として、いつも食べている餌と錯覚させましょう。何度かしていると、慣れてくれますよ。
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餌を食べないときは環境を見直そう
ツノダシは敏感で、水温や水質の変化、ストレスを感じているとすぐに拒食して餌を全く食べなくなります。
水の管理や隠れ家の設置などはしっかりと行ってください。群泳をしていると、餌を食べるために他の魚と競争するので、拒食しにくくなりますよ。
ツノダシについてまとめ
今回は特徴的な背びれを持つツノダシについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ツノダシは体色のメリハリが綺麗で、スーっと滑るように泳ぎ回る姿がかわいらしい海水魚です。
水質の変化に敏感なので、初心者の方には飼育が難しく、海水魚の飼育になれてから挑戦するといいかもしれません。
大きな水槽を用意して、群れで広々と泳がせてあげてくださいね。