シマヘビはアオダイショウと並ぶ日本を代表するヘビです。野生のヘビに出会う機会はそう多くなく、生体や抜け殻を見つけると感動しますよね。よく見るとかわいい顔つきをしており、時間をかけてることで飼育者にもなついてくれます。
今回はそんなシマヘビの生態や特徴、習性、冬眠の時期、生息場所、餌など飼育方法についても紹介していきます。
シマヘビの特徴
シマヘビはヘビ目ナミヘビ科ナメラ属に分類されるヘビの仲間です。日本の固有種で、北海道から本州、沖縄まで幅広く分布しています。
体色は背面は褐色をベースに2本の黒線が入っており、腹部は白色です。この黒色の線がシマシマ模様に見えることからシマヘビと名付けられました。
地域によって体色の差が激しく、赤色がベースになったアズキヘビや全身が真っ黒なカラスヘビ、突然変異で色素が抜けたアルビノなどと呼び名も変わります。
体の大きさと体型
シマヘビの大きさは平均して150cm、最大だと200cmまで成長します。メスはオスと比べて体が太くなり、肛門から尻尾にかけては細くなります。オスは頭部から尻尾にかけてすらっとしており、太さは変わりません。ヘビの肛門は頭部からみて2/3ほどの位置にあります。
寿命の長さ
シマヘビの寿命は平均して10年、最長でも12年ほどです。
毒性はある?
シマヘビには毒性はありません。しかし、歯には細菌がついていることがあり、噛まれた部分が腫れることがあります。噛まれたらしっかりと水で洗い流し、消毒しましょう。
アオダイショウやマムシとの違い
シマヘビとよく似ているヘビにアオダイショウとマムシがいます。
※画像はアオダイショウです。
アオダイショウは体色がそっくりですが、シマヘビは目の色が赤くなっているので簡単に見分けがつきます。アオオダイショウの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
※画像はマムシです。
シマヘビは頭部が細長くなっているのに対して、マムシは三角形で、大きさも60cmまでと小柄です。
シマヘビの生態と習性
シマヘビは木に登ることはほとんどなく、地上での行動がメインとなります。他のヘビよりも活発で、地上での移動スピードは速く、泳ぎも上手です。昼行性で夜間は岩の隙間で寝ており、日光が出てくると活動を始めます。
餌は小動物や鳥類、爬虫類などを食べますが、特にカエルなどの両生類を好んで食べます。そのため水田や沼地付近で見かけることが多いです。食欲旺盛で口に入るものはなんでも食べようとするので共食いもおきます。
攻撃的な性格で、自分より体が大きい生き物にも威嚇をして、近づいてくるものなら噛み付こうとしてきます。強引に捕まえると肛門から非常に臭い匂いをだしてきます。飼育下ではとても神経質で餌を食べたり、ハンドリングをできるようになるまで根気が必要です。
冬眠の方法
シマヘビは気温が15度を下回る11月から3月にかけて冬眠を行います。冬眠は土の中で行います。土の中は温度の変化がほとんどなく、寒さに弱いヘビには最適です。冬眠中は仮死状態になるのでまったく動くことはありません。
シマヘビの飼育に必要な設備
シマヘビは体が大きいため、ケージも比例して大きいものが必要です。大きさだけ注意していれば、特別なことはありません。初期費用では3万円ほどみておきましょう。
必要なケージの大きさ
シマヘビは陸上で生活しているので床面積をなるべく広くしてください。ケージはトグロを巻いた時の3倍以上必要であり、横幅で最低90cmとなります。
ケージは上部と側面が金網になっており、前開きのものを選んでください。ケージの内の蒸れに弱いので、風通しを良くして、手を近づける時は警戒させないように横からにしてください。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは観賞用に
シマヘビは日光浴をしないのでバスキングスポットや紫外線は必要ありません。観賞用に蛍光灯をいれておきましょう。
商品情報と価格をチェック
ぴったりと体がおさまるシェルター
新しい飼育環境に慣れていないシマヘビは神経質で落ち着かないので、全身がぴったりおさまるシェルターを入れてあげてください。大きすぎる隠れ家は苦手で、体と隠れ家の設置面積が広いほど落ち着きます。飼育者が近づいても隠れないようになったら外してくださいね。
床材の選び方
シマヘビの床材は湿気を吸収してくれるヤシガラマットがおすすめです。フンを見つけたらこまめに取り除くようにしてください。
商品情報と価格をチェック
水浴びするための水容器
シマヘビにとって水は飲むだけではなく、皮膚の水分補給にも使われます。特に脱皮前には全身を水につける必要があるため、全身が入る大きさの容器を準備してください。水道水はカルキを抜くために、一晩おいてから交換しましょう。
シマヘビの飼育方法
シマヘビは神経質な性格をしているため、飼育を始めてから1ヶ月はかまいすぎないように注意して、なるべく速く飼育環境にならしてあげることが大切です。
最初に1ヶ月を乗り切れれば、飼育は難しくありませんよ。
値段と販売場所
シマヘビの値段はだいたい3000円前後で販売されています。赤ちゃんだと1000円ほどになります。
ペットとして人気のあるヘビではないので、簡単には見つかりません。爬虫類専門店で探してみましょう。
飼育に適している温度
シマヘビに適している温度は18度〜28度です。
飼育下での冬眠は難しいため、パネルヒーターと暖突で暖めてあげてください。夏場は28度を超えないように冷房を入れるか、風通しがいい場所にケージを置いておきましょう。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
なつく性格では無く、ハンドリングは難しい
シマヘビは臆病な性格をしており、飼い主になつくことはほとんどありません。触ろうとしたら威嚇したり、ハンドリングしても動き回ります。特に野生で捕まえてきた個体は慣らすのが困難です。
慣れやすいのは外国の蛇になりますが、ボールパイソンやコーンスネークならハンドリングを楽しむことができます。ボールパイソンの特徴と飼育方法やコーンスネークの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
慣れないうちはスネークフックを使うことをおすすめします。
商品情報と価格をチェック
おすすめの餌と頻度
シマヘビは落ち着くと舌を出し入れする回数が増えるため、それを確認したら餌を与え始めます。だいたい飼育を始めてから3日後くらいです。
シマヘビの餌は冷凍マウスがメインになります。与える時は餌が濡れないようにビニール袋に冷凍マウスを入れて、40度のお湯で解凍してください。慣れてきたら牛ハツや鳥のささみなどバリエーションを増やしていくといいですよ。
音や振動、人の気配に敏感なので、餌付け出来ていない時は餌をケージに入れてから別の部屋に移動してあげましょう。回数を重ねてきたらピンセットから与えることで、飼育者の手の匂いや声を覚え、なついていってくれますよ。
餌の頻度は幼体の時は1日1回、大人になると3日に1回のペースで与えます。
ケージが狭かったり、餌が大きすぎたり小さすぎると拒食になることがあるので、注意深く観察してくださいね。拒食したときは好物のカエルを与えるのも効果的です。熱帯魚屋で販売されているアフリカツメガエルを使いましょう。
シマヘビの餌についてはヘビにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
シマヘビについてまとめ
シマヘビは日本の固有種として馴染み深い生き物ですが、ペットとしてはマニア向けとなっております。理由はそもそも日本の生き物を飼育しようと思う人が少なく、神経質な性格で飼育も難しいからです。
そんな気難しい性格だからこそ、飼育者に心を許してなついてくれた時の喜びはたまりません。ハンドリングで楽しめるようになったら、かわいい顔に体の大きさも合わさって一緒に生活するペットとしての魅力は十分ですよ。
-
アオダイショウの飼育方法|寿命や性格、餌、大きさは?