サカサナマズは逆さに、ゆらゆらと泳ぐ姿がかわいい熱帯魚です。普段は物陰に隠れていますが、慣れてくると昼間でも水中を泳ぎまわり、丸みを帯びた腹部を観察させてくれます。
今回はそんなサカサナマズについて寿命や混泳できる魚、おすすめの餌など飼育方法を紹介していきます。
サカサナマズってどんな熱帯魚なの?
サカサナマズは南アフリカのコンゴ川に生息しているナマズの仲間です。腹部を上にして泳ぐ特殊な習性から有名な魚です。
性格はおとなしく、群泳を好むので、5匹以上の群れで飼育してあげましょう。群れで連れ添って泳ぐこともあります。夜行性の魚なので、日中は泳がずに流木や岩の裏でじっとしていることが多いです。
エラに鋭いトゲがあるので、素手で触るときは注意しましょう。
体の大きさ
サカサナマズは最大で8cmの大きさになる中型の熱帯魚です。飼育下では6cm前後で成長が止まります。
寿命の長さ
サカナナマズの寿命は平均して3年〜5年です。捕食が苦手なので、痩せないように注意して育ててあげましょう。上手に育てると7年生きることもありますよ。
サカサナマズはなぜ逆さに泳ぐの?
サカサナマズが逆さに泳ぐ理由は解明されていません。
しかし、逆さに泳ぐことに適性をもっており、腹部は黒っぽく、背部は白っぽくなっています。上空から見ると黒っぽい体色の方が見つけにくく、逆さになることで腹部が保護色の役割を果たしています。
無重力でも逆さに泳ぐ!?
サカサナマズは無重力の空間でも逆さで泳ぐことが確認されています。他にも光の向きや光の強さに関わらず逆さに泳ぐ習性があります。
コリドラスなど一般的な魚は無重力空間で光を横からにすると背部を横に向けますが、サカサナマズにはそのような反応がないので、まだまだ謎が多い熱帯魚なのです。
サカサナマズの種類
サカサナマズは体色のバリエーションが豊富な熱帯魚です。全身が黒いビルマサカサナマズや黒と白のゼブラ模様のゼブラサカサナマズなどがいます。
ビルマサカサナマズはタイやミャンマーなどの東南アジアに生息する種類です。性格はかなり荒く、同種でも争うので単独飼育が基本になります。ゼブラサカサナマズはサカサナマズの突然変異で、体色以外は基本種と同じになります。黒と白のコントラストがとても美しい種類です。
サカサナマズの飼育方法
サカサナマズは丈夫な生き物なので、初心者にも飼育しやすいです。しかし、餌を食べるのが上手ではないので、他の魚と混泳するときは餌不足にならないように注意してください。
飼育に必要な水槽と設備
サカサナマズはあまり泳ぎ回ることがないので単独飼育であれば水槽のサイズは45cmもあれば飼育できます。しかし、臆病な性格で群泳を好んでいるので60cmの水槽を用意して、5匹以上で飼育すると落ち着きやすくなります。
ろ過フィルターは45cm水槽だと「外掛け式フィルター」を、60cm水槽なら「上部式フィルター」を使います。泳ぐのが得意ではないので、水流は弱めにしておきましょう。
レイアウトは隠れる場所を多めに
サカサナマズは光に当たるのを嫌がるので、流木や石を複雑に組んだレイアウトにすると隠れて観察することができなくなってしまいます。
水草の裏や流木を腹部にくっつけていると安心するので、必ずおいてあげてください。
細長い流木を水槽に立てかけると、鈴なりになった可愛らしい姿を観察できるのでおすすめです。日陰に集まってくるので、その習性を利用して観察しやすい場所を作ってくださいね。
値段と販売場所
サカサナマズの値段は1匹あたり500円前後で販売されています。現地で採取された3cmほどの幼魚が輸入されてきますが、販売数は多くありません。
販売場所はホームセンターで見かけることは少なく、熱帯魚専門店かネット通販を探してみましょう。ネット通販だとチャームさんがおすすめですよ。
水合わせの方法
購入してきたばかりのサカサナマズはすぐに水槽に入れずに、水あわせをする必要があります。ショップの水と水槽の水では水温差と水質差があり、急激な環境の変化によるphショックで弱ってしまうためです。水あわせの方法の手順を紹介します。
- サカサナマズを水ごとバケツに入れる
- バケツの水が倍になるように水槽の水を30分かけていれる
- バケツの水を半分捨てる
- 再びバケツの水が倍になるように水槽の水を入れる
- 水温差をチェックする
- 水をいれないようにサカサナマズを水槽に入れる
飼育に適した水温と水質
サカサナマズに適している水温は22度〜26度です。低水温に弱いので、冬はヒーターを用意してあげましょう。
水質は弱酸性から中性を好んでおり、適応範囲が広く丈夫です。しかし古い水は苦手なので、週に1回1/4は換水してあげてください。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
餌は人工餌がメイン
サカサナマズはなんでもよく食べてくれますが、とくにおすすめする餌はイトメや冷凍赤虫などの生餌です。人工飼料だと沈下性のコリドラスの餌や肉食魚専用餌であるキャットをあげましょう。
餌を食べるときは普通の魚と同じようにお腹を下にして食べます。
餌を積極的に探して食べる魚ではないので、餌に慣れるまでは他の魚と混泳させない方がトラブルが少ないです。餌をあげるときはスポイトを使って目の前に落としてあげましょう。
餌の頻度は1日に2回、2〜3分で食べきれる量を与えてください。
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混泳に向いている相手
サカサナマズは温和な性格をしているので多くの小型熱帯魚と混泳することができます。
しかし、普段は水面付近で活動しているので、グッピーやメダカなど同じ生活スペースの魚はさけておきましょう。
おすすめの混泳相手はネオンテトラなどの小型カラシンやグラミー、ミナミヌマエビやコリドラス、同じナマズの仲間であるグラスキャットなどになります。
かかりやすい病気
サカサナマズは体調が悪くなってくると、目や体が白濁してきます。体が丈夫な魚ですが、現地で採取された野生種は寄生虫を持っていることも多く、最初はよく観察しておきましょう。
白点病
白点病は全身が白い点々に覆われる病気です。熱帯魚でもメジャーな病気で、輸入されたばかりの個体は体が弱っておりかかりやすいです。購入して1週間はよく観察しておきましょう。感染力が強いので、発症している個体を見つけたら、すぐに別の水槽に隔離してメチレンブルーで1週間薬浴します。
エロモナス病
エロモナス病はウロコが逆立つ松かさ病や目が飛び出すポップアイを引き起こすエロモナス菌が原因の病気です。水質悪化によって水槽に細菌が繁殖しているので、すぐに全換水と水槽の掃除を行います。完治するのは難しいですが、初期症状であればエルバージュで1週間薬浴します。
サカサナマズの繁殖は難しい
サカサナマズは国内で繁殖例のあるナマズですが、意図的に繁殖させるのは難しい魚です。
繁殖を狙うときはしっかりと成熟した親魚を育てていることが大切なので、3cmの幼魚を購入してきて食いつきがいい冷凍赤虫を中心に育て上げましょう。
落ち着けるように隠れ家を多めにいれて、5匹以上で群泳させておきましょう。
現地では雨季に繁殖期になると言われているので、週に1回、1/2ほど水換えを行なって水質と水温の変化を作り出してください。
ペアができると砂に卵をばらまくように産卵します。親魚に食べられないように卵を見つけたらすぐに回収しましょう。
サカサナマズについてまとめ
今回は逆さに泳ぐ不思議な生態をしているサカサナマズについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
普段はじっとしているので、活発に泳ぐ姿を鑑賞することに向いていませんが複数のサカサナマズが影に集まって休んでいる姿はとてもかわいくて癒されます。
飼育の際には餌不足にならないように注意して、大切に育ててあげてくださいね。
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