シシバナヘビは特徴的な鼻とずんぐりした体、飼育のしやすさから人気を集めている、可愛いヘビです。小型ヘビの中ではコーンスネークの次に人気があります。
今回はそんなシシバナヘビの生態や特徴、毒性、値段、最大の大きさ、餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。
シシバナヘビの生態と特徴
シシバナヘビとはマイマイヘビ科シシバナヘビ属に分類されるヘビの仲間です。
最大の特徴は反り返った鼻先で、その見た目からイノシシの鼻(シシバナ)と名付けられました。鼻先で器用に穴を掘り、休憩場所を作ります。体は短い小型のヘビでありながらも、体型はずんぐりとしており、他のヘビにはない迫力を持っています。
完全な肉食性で餌はカエルなどの両生類を好んでいます。そのため湿気が多く、水辺が近い森林地帯に生息しています。
奥歯には毒性がある
シシバナヘビの口先には小さい歯が並んでおり、奥歯には2つの牙を持っています。奥歯には毒性があり、神経毒で獲物を麻痺させてしまいます。毒性は強くなく、人間が噛まれても少し腫れてきたり、痺れる程度です。それでも出血してしまうので、さわるときには注意してください。
脱皮をする
シシバナヘビは2ヶ月に1回のペースで脱皮を行います。脱皮前は餌の食いつきが悪くなるので、無理矢理食べさせるのをやめて頻度を減らしてください。
湿度が低いと脱皮不全になるため、しっかりと温湿度計を確認しておきましょう。
ハンドリング向けの性格
シシバナヘビはおとなしい性格をしているため、ハンドリングを楽しむことができます。同時に臆病な性格でもあるので、飼育して1ヶ月は新しい環境に慣らす期間として無理に触るのはやめておきましょう。
餌を与える時に、喜んで近寄ってくるようになってから、ハンドリングに挑戦していってくださいね。毎日触られるとストレスなので、ハンドリングは2日に1回、30分程度にしておきます。
シシバナヘビのモルフと値段
シシバナヘビには大きく分けて3種類おり、人気が高い種類は養殖によって多くのモルフ(カラーバリエーション)が生み出されています。
セイブシシバナヘビ
分布 | メキシコ |
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体長 | 60cm |
値段 | 3万円〜6万円 |
セイブシシバナヘビは北米の西部に生息しています。
他の種類はカエルなどの両生類しか食べませんが、セイブシシバナヘビは慣らすことでマウスも食べてくれるようになることから、最もペットとしても普及しています。
モルフの品種改良も豊富で、色素が抜け落ちて目が赤くなったアルビノ、全身が白く目が黒いスノー、斑点模様が薄紫色のラベンダー、アナコンダ模様どうしを掛け合わせたスーパーコンダなど人気があります。
トウブシシバナヘビ
分布 | カナダ |
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体長 | 80cm |
値段 | 7万円〜 |
トウブシシバナヘビは北米の東部に生息しています。シシバナヘビの中で最も体が大きく、最大で100cmまで成長します。
基本的には両生類しか食べませんが、マウスを食べる個体もいます。それでも消化器官が両生類に特化しているため、マウスを与えすぎると消化不良に陥ってしまいます。
全体的に黒ずんでおり、両生類しか食べないことから、人気は少なく、モルフの開発も進んでいません。メラニスティックという全身が黒いモルフが人気です。
ナンブシシバナヘビ
分布 | フロリダ、ミシシッピ |
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体長 | 50cm |
値段 | 7万円〜 |
ナンブシシバナヘビは北米の南部に生息しています。シシバナヘビの中で最も小型種で最大でも60cmにしかなりません。
模様はセイブシシバナヘビに似ていますが、体色はグレーをベースに茶色の斑点模様が入っており、すこしだけ暗めです。
シシバナヘビの飼育環境
シシバナヘビは小型のヘビでケージもそれほど大きいものを必要としていません。初期費用で4万円ほどあれば十分ですよ。
必要なもの
- ケージ
- ライト
- 床材
- シェルター
- 水容器
必要なケージの大きさ
シシバナヘビなどの地表棲ヘビのケージは床面積の広さが大切です。活発に動き回らないため、床面積はどぐろをまいたときの3倍以上あれば大丈夫です。
ケージの大きさは60cm(横幅)×30cm(奥行き)あれば大丈夫です。ベビーの頃は横幅30cmくらいのケージを用意して、体の大きさに合わせてケージを大きく出来るのが理想です。ケージは爬虫類専用ケージからプラスチックケース、衣装ケースなどなんでもかまいません。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは観賞用に
シシバナヘビは強い光量を必要としていないため、ライトなしでも飼育することができます。それでも多少は日光浴をするため、観賞用にライトを設置するときは、少量の紫外線を含んだUVライトを使うといいですよ。
床材の選び方
床材は爬虫類専用に販売されているヤシガラマットやウッドチップがおすすめです。フンをしたときはこまめに交換して、半年に1回は全交換を行います。潜るのが好きな個体の場合、厚めに敷いてあげましょう。
鑑賞を気にしなければ、ペット用のトイレシートやトイレットペーパーが簡単です。フンをしたらシートを交換するだけで清潔な状態を保つことができます。
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ぴったりと体がおさまるシェルター
ヘビは体になにかが触れている状態で落ち着くことができるため、とぐろをまく習性があります。シェルターも体がすっぽりとはまる大きさのものを選ぶことで落ち着かせることができます。大きすぎたり小さすぎるとガラス面とシェルターの間にはさまったて休むようになるので、そのような行動がみられたら、大きさの変更を検討してください。
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水容器
水容器は飲み水としてだけではなく、皮膚から水分を補給するために必要です。特に脱皮前には水分を必要とするため、必ず入れておきましょう。水は2日程度で古くなってしまうので、こまめに交換してあげてください。
シェルターのサイズがあわないときは水容器を休憩場所にすることがあります。簡単にひっくり返されないように、重さがあって縁が浅い容器を選んでください。
シシバナヘビの飼育方法
シシバナヘビは丈夫なヘビで初心者でも飼育しやすいです。餌やフンの量が少ないため、管理の手間もありません。それでも両生類しか食べない個体もいるので、購入前に何に餌付けされているか確認しておくことをおすすめします。
飼育に適している温度と湿度
シシバナヘビに適している温度は25度前後です。冬はパネル式のヒーターを床面積の1/3になるように設置して、腹部を冷めないようにしてください。全面を温めると逃げ場がなくなるので、注意が必要です。
乾燥に強く、水容器を入れておけば霧吹きの必要はありません。水浴びしている時間が長いようでしたら、毎日1回霧吹きしてあげましょう。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
おすすめのレイアウト
※画像はコーンスネークです。
シシバナヘビのケージのレイアウトはシンプルなものなら、床材と水容器となるタッパだけで飼育できます。このレイアウトは管理が楽なので、爬虫類の飼育数が多いときにおすすめです。
少し凝ったレイアウトにするなら、追加で隠れ家になるドーム状の流木やシェルターをいれて少しだけ立体移動もできるようにしてあげてください。
シシバハヘビの餌は冷凍マウスをメインに
シシバナヘビはカエルなどの両生類を主食にしていますが、爬虫類専門店などのペットショップではカエルは1匹あたり100円〜と非常に高価でメイン餌としては使いにくいです。
そこで冷凍マウスを餌付けしていくことになりますが、唯一餌付けしやすいのがセイブシシバナヘビになります。マウスの毛は消化しにくいため、ピンクマウスなどの毛がない餌を与えましょう。初心者の場合はすでに餌付けされている個体を購入した方がいいですよ。
マウスに餌付いている個体でも、一度カエルを与えてしまうと食べなくなってしまうことが多いため、マウスだけの給餌を心がけてください。
ウッドチップなどを床材にしていると、マウスに付着して、そのまま飲み込んでしまいます。なるべくピンセットで目の前までもっていって、直接与えるようにしましょう。
シシバナヘビの餌についてはヘビにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
餌の量はギリギリ飲み込める大きさ
シシバナヘビの餌の大きさはギリギリ飲み込める大きさのピンクマウスと与えます。小さかったり大きすぎると上手に食べてくれません。
餌の量は、大きさが30cm以下のベビーの時は毎日欲しがるだけ与えて、たくさんの栄養をとらせます。成長が遅くなってくると1週間に2回に減らしても大丈夫です。1回の餌の量はピンクマウス2匹程度です。
シシバナヘビについてまとめ
シシバナヘビは特徴的な鼻の形とずんぐりした体が特徴的です。コーンスネークほどモルフが多いわけではなく、ヘビらしい見た目でもないため、人気度では負けてしまっていますが、飼育のしやすさに差はなく、好みで選ぶといいでしょう。
飼育に関しては餌の選り好みがあるため、ペットショップで何に餌付いているのかを確認して、それが長期的に与えられるように準備しておきましょう。
同じ小型蛇の中ではコーンスネークが人気です。コーンスネークの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考くださいね。
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