ヘビの飼育といえばボールパイソン!と言われているくらいペットとしてメジャーなヘビです。飼育者に懐いてくれたり、つぶらな瞳やかわいい顔つき、ハンドリングで触れ合えることから人気があります。
今回はそんなボールパイソンについて生態や特徴、モルフ、必要なケージの大きさ、餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。
ボールパイソンの特徴
ボールパイソンはニシキヘビ科ニシキヘビ属に分類されるヘビの仲間です。正式名称はボールニシキヘビといいます。アフリカ全土の高温多湿地帯に生息しており、草原や森林など草木が多い場所を好んでいます。
周囲に危険を感じたり驚くと、とぐろを巻いて頭は真ん中に隠し防御の体制をとります。この姿が綺麗な円形でボールに見えることと、大蛇という意味のパイソンを合わせてボールパイソンと名付けられました。とぐろの直径は35cm前後と意外に小さく感じます。
毒性はありませんが、野生種の場合は歯にバクテリアが繁殖していることがあり、そのバクテリアが体内に侵入すると細胞を壊死させてしまうので、注意が必要です。
どんな性格をしている?
ボールパイソンの性格は大人しいです。動き回ったり、噛み付いてくることもほとんどないので、容易にハンドリングを楽しむことができます。
むしろ神経質で臆病な性格をしているので、新しい環境や自分よりも大きな相手は苦手です。
体の大きさ
ボールパイソンの大きさは最大で180cm、体重は4kgを超えてきますが、ニシキヘビの中では小型種になります。飼育下では大きく成長しにくく、120cm程度で止まることが多いです。
頭部から尻尾の先端までの太さが均一ではなく、頭部が三角形で少し膨らみ、首元が少しだけスリムに、胴体はがっしりと太さが出て、他にヘビにはない迫力があります。
寿命の長さ
ボールパイソンの寿命は平均して25年です。最長だと40年ほど生きることができます。飼育下では長生きできますが、自然だと15年と少し短くなります。
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ボールパイソンの生態と習性
ボールパイソンは地表での生活がメインとしていますが、まれに木登りが好きな個体もいます。夜行性で昼間や石垣や木の根元、土の中で休んでおり夜になると活動を始めます。
完全な肉食性で餌は小動物や鳥類を捕食します。それでもあまり動き回ることはなく、巣穴に獲物が来るのをじっと待っています。獲物が近づいてくると舌を出して周囲の熱や匂いを感じ取り、正確な居場所を突き止めます。
2メートルを超えてくると天敵はほとんどいませんが、それ以下だとワシやワニ、肉食獣などの襲われることがよくあります。好戦的ではなく逃げるのも苦手なので、対面するとなかなか勝つことができません。
2ヶ月に一回は脱皮をする
ボールパイソンは体の成長とともに古くなった皮を脱ぎ捨てるために脱皮を行います。頻度は2ヶ月に1回程度で、期間1日〜3日ほどかけて行われます。
このときにケージ内の湿度が不足していると脱皮不全といって、皮が余ることがあります。これを放置していると細胞が壊死してくるため、ぬるま湯につけて手でこすりおとしてあげてくださいね。脱皮が始まると霧吹きの回数を増やしておくのも効果的ですよ。
ボールパイソンのモルフ(種類)
ボールパイソンは飼育と繁殖が簡単で、人気もあるので、ブリーダーによって多くのモルフ(カラーバリエーション)が生み出されています。
模様×色彩での組み合わせが非常に多く、種類数がどのくらいあるのかわかっておらず、今現在でも新しいモルフが生み出されていることでしょう。
人気があるモルフだと、オレンジ色と茶褐色をベースに黒色の模様が入ったノーマル、白色をベースに黄色の模様がランダムに入ったアルビノ、背中の模様が蜘蛛の巣状になったスパイダー、全身が真っ白のスーパーモハベあたりになります。
ボールパイソンの飼育環境
ボールパイソンは体の大きさの割にケージはそれほど大きなものを求めないため、コストと場所はそこまで必要ではありません。初期費用でだいたい5万円ほどみておけば十分ですよ。
必要なケージの大きさ
ボールパイソンはあまり動かないため、ケージの大きさはとぐろを巻いた時の3倍〜5倍ほどの床面積があれば十分です。目安としては90cm(横幅)×45cm(奥行き)×40cm(高さ)が最低サイズです。木の上に登ることもないため、高さは必要ありません。
衣装ケースや爬虫類専用の水槽、ガラスやフレームを使って自作することもできます。どちらにせよ脱走の危険性があるため、しっかりと蓋ができる飼育容器が必要です。ハンドリングをすることを考えたら取り出しやすい前びらきタイプのものがおすすめです。
成体はパワーがあるのでなるべく爬虫類専用ケージを使用することをおすすめします。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは観賞用に
ボールパイソンは紫外線を含んだUVライトやバスキング用のライトがなくても飼育することができます。しかし、野生の環境では日光浴をすることもあり、より健康に育てるためにも兼用になったライトをつけてあげるといいですよ。
床材の選び方
床材は保湿性が高いウッドチップやヤシガラマットがおすすめです。フンや尿を見つけたらこまめに取り除くようにしてください。
他にも新聞紙やペット用のトイレシーツでも代用することができます。こちらはシートを丸々変えればいいだけなので、管理が楽であり、多頭飼育している方に人気の飼い方です。
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ぴったりとおさまるシェルター
ボールパイソンなどのヘビは体に何かが接触している状態が落ち着くため、とぐろを巻くという行為を行います。そのためシェルターでもとぐろを巻いた状態でぴったりとおさまるくらいの大きさにしてあげると最も落ち着けます。
シェルターの大きさが気に入らない時はケージの側面や水容器との隙間で休んでいることが多くなります。
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水浴びに使える大きさの水容器
水は飲むだけではなく、脱皮前に皮膚から水分を吸収するためにも使います。全身が浸かる大きさのものを用意して、毎日カルキを抜いた新鮮な水に交換してあげてください。
こちらもシェルターと同様にとぐろを巻いた時にぴったりと収まる大きさのものを用意してください。
ボールパイソンの飼育方法
ボールパイソンは体が丈夫なので飼育も簡単です。飼育する上で注意点は2つあり、子供の時はしっかりと餌を与えて骨格を作ることと、30ど近い高温の環境を保ってあげることです。それぞれ詳しく紹介していきます。
値段と販売場所
ボールパイソンはCB個体(養殖)とWC個体(野生)のどちらの種類もコンスタントに販売されているため、好みに合わせて選ぶことができます。
野生種は人間の飼育環境に慣れておらず、気性が荒すぎる個体も少なくないため、初心者にはCB個体がおすすめです。特にベビーを購入して最初から慣らしにかかるといいでしょう。
値段はノーマルのベビーだと5,000円、大人だと15,000円前後で販売されています。ぜひお気に入りのモルフを見つけてくださいね。
選び方のコツとして、実際にさわらしてもらうことで人馴れしているか、どんな性格をしているのか確かめるといいですよ。腹部が極端に痩せている個体は餌食いが悪いことが考えられるのでやめておきましょう。
ハンドリングに向いている
ボールパイソンはおとなしい性格なので、ハンドリングを楽しむことができます。
ハンドリングをする前に飼育者の匂いに慣らす必要があるため、餌やりを複数回行って、問題なく餌付いている状態にしてください。
最初はケージの蓋を開けると同時に、一連の流れでそのまま頭部と腹部と持ち抱えます。このときに恐る恐る手を近づけるとボールパイソンも怖がって警戒してしまいます。最後は抱きかかえればハンドリングの完成です。
もし噛まれてしまったら巻きついた体を優しく引き伸ばして、餌ではないよと気づかせてあげてください。大人になると痛くて出血は免れませんが、冷静に対応してくださいね。
飼育に適している温度
ボールパイソンは高温を好んでおり、ケージの中は28度〜30度の場所と30度〜35度の体を温めるためのバスキングスポットが必要です。特に給餌後は消化のために高い温度が必要です。
寒さに弱いので、冬はパネルヒーターでケージ下の2/3ほど温まるようにしてください。全床を温めると暑い時に逃げ場がなくなるので、クールスポットも必須です。底面と同時に空間を温めるために保温球や暖突、赤外線ヒーターのどれかを取り付ける必要があります。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
飼育に適している湿度
ボールパイソンは40%〜60%の湿度を好みます。乾燥に弱いので、湿度が低ければこまめに霧吹きをしてください。乾燥しやすい冬は1日2回、夏は1日1回が目安です。
ベビーの頃は特に乾燥に弱く、床材を水苔にして保湿したり、水容器は忘れずに入れておいてください。
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ボールパイソンの餌やり
ボールパイソンの餌は冷凍マウスだけで生涯飼育することができます。マウスはヘビに必要なビタミンやカルシウムなどの栄養分をしっかりと含んだ万能の餌です。
冷凍マウスを与える時は水に濡れないようにビニール袋にいれ、人肌に近くなるように40度前後のお湯で冷たい部分がなくなるまで乾かします。そのままピンセットで口先までもっていくと自然と食べてくれますよ。
餌の頻度
餌の頻度は成長期のベビーの時は週に2回、成長するにつれて週に1回、2週間に1回と頻度を減らしていきます。
餌の大きさには注意して
ボールパイソンの餌の大きさは食べられるギリギリの大きさを見極めていかないといけません。
冷凍マウスを1匹食べると満足してしまうことが多く、小さい餌を食べていると十分に成長できないからです。
拒食で餌を食べないときの対処方法
ボールパイソンは秋頃になると拒食することが多く、そのころになると全く餌を食べなくなります。季節拒食と言われており、体重が減っていなければ問題ありません。季節拒食がはじまるまでに、しっかりと餌をあげて成長させておきましょう。
体重が減っているときは、温度を30度近くまで上げて、新陳代謝を活性化させてみます。どうしても無理ならペットショップに相談するか、病院に連れて行きましょう。
舌をだす仕草が増えたら餌を欲しがっている証拠ですので、餌を与えてみてください。
ボールパイソンの餌についてはヘビにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ボールパイソンについてまとめ
ボールパイソンを初めてみた時は、その体の大きさからこの蛇が本当に人気あるの?と驚いたことを今でも覚えています。
実際に飼育してみると必要なケージは意外に小さかったり、餌は月に数回でOK、ハンドリングも楽しめると手間も少なく、迫力ある体を楽しめるのがすごくいいなと思えました。個人的には蛇の飼育でかわいさを求めるならコーンスネーク、ペットとして触れ合いを求めるならボールパイソンかなと思っています。
ぜひ一度ハンドリングをしてみて、その良さを味わってみてくださいね。
コーンスネークの特徴と飼育方法で詳しく紹介していますので、こちらもご参考ください。
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