スポッテッドガーは口先が長く伸長し鋭い歯が並ぶ、いかにも肉食魚という姿とくりくりのつぶらな瞳にギャップを感じさせるかわいい熱帯魚です。
今回はそんなスポッテッドガーについて生態や飼育規制、成長スピード、大きさ、おすすめの餌など飼育方法について紹介していきます。
スポッテッドガーの生態と特徴
スポテッドガーは恐竜が地球上に存在していた2億年前から姿が変わっていないガーパイクの仲間です。ガーパイクはレピソステウス属とアトラクトステウス属の2つに分かれており、スポッテドガーは小型種が多いレピソステウス属です。
ミシシッピ川やメキシコなどの中南米に生息しており、河川や沼地で水の流れが遅い場所を好みます。
ポリプテルスと同じガノインと呼ばれる非常に硬い鱗と長い吻(口)をもっています。体色は15cmの稚魚の時はうっすらと黒い模様があるだけですが、そこから銀色の体色をベースにした黒色のスポット模様がはっきりと出てきます。
寿命の長さ
スポテッドガーはとても長寿で寿命は平均して20年、うまく育てると30年は生きてくれます。最後まで面倒を見れるようにしっかりと準備しておきましょう。
スポッテッドガーの大きさと成長スピード
スポッテッドガーの大きさはオスで50cm、メスでも60cmとガーパイクの中では小型です。
それでも餌食いが抜群で、幼少期にしっかりと餌を与えることで120cm近くになる個体もいますので、用意できる水槽サイズに制限がある時は注意が必要です。
成長スピードはかなり早く、1ヶ月で20cmを超え、3ヶ月目に40cm、5ヶ月目に成長はゆるやかりなり、止まりはじめます。
スポッテッドガーの飼育規制について
スポッテッドガーは体の大きさと寿命の長さから飼育しきれなくなった人たちが川へ放流し、寒さにも強いことから日本の環境に帰化して生態系を破壊する問題がおきていました。
そこで2018年4月からガーパイク全種が特定外来生物に認定されました。それ以前にスポッテッドガーを飼育していた人は2018年の10月までに環境省へ申請書を出すことで、飼育を続けることができますが、それ以降では購入・譲渡などが禁止され、新しく入手することは一切できません。すでに違法した逮捕者も出ており、入手できる話をもらっても、受け入れないようにしましょう。
スポッテッドガーの飼育に必要な設備
スポッテッドガーの飼育に必要な水槽サイズや器具を紹介していきます。大型の水槽が必要となるため初期費用では8万円ほどみておきましょう。
必要な水槽の大きさ
スポテッドガーは体が硬いので、Uターンするための奥行きがとても大切になります。最低でも体の大きさと同じ長さの奥行きがの大きさの水槽を選びましょう。
また、臆病な性格で、捕食も下手なので、広すぎる環境はストレスを抱えてしまいます。成長に合わせて水槽サイズを変えていくことも大切なポイントです。
大きさが10cmの時は45cm水槽、15cmで60cm水槽、20cmになったら最終サイズの120cm(横幅)×45cm(奥行き)の水槽に移動させてあげてください。
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フィルターの選び方
フンの量が多いため、フィルターは物理濾過と掃除がしやすい上部式フィルターがおすすめです。フィルターのスポンジにゴミがよくたまるので、毎週掃除してあげてください。酸素量の多い環境を好むので、サブで投げ込み式フィルターを入れるのもおすすめです。
飼育数が多い時はさらに強力なオーバーフロー式が必要になります。
おすすめの上部フィルターで紹介しているので、ご参考ください。
蛍光灯の選び方
光量が強いほどスポット模様がはっきりと出てくるため、なるべく光量が強いものを選んでください。毎日数時間、直射日光を浴びさせるのも効果的です。
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レイアウトは掃除のしやすさを優先して
スポテッドガーは糞の量が多いので、水換えが楽になるように、底砂だけをいれたシンプルなレイアウトが好まれます。
それでも他の大型魚と比べて暴れることが少ないため、大きな葉をもっている水草をいれることができます。流木に活着させることが出来るアヌビアスナナやミクロソリウムが便利です。
流木や石の先端は口先を傷つける原因になってしまうので、小さくて平らなものを選んでください。
スポッテッドガーの飼育方法
スポッテッドガーは水質と水温の適応力が高く、とても丈夫な熱帯魚で、金魚やメダカよりも飼育は簡単といわれています。しかし、体の大きさや寿命の長さ、旺盛な食欲などお金や手間のかかる生き物です。
値段と販売場所
当時は3,000円〜5,000円前後の値段で販売されていましたが、現在はどのような手段でも入手することは禁じられています。
販売や譲渡は法律で禁止されているため、見つけても手に入れるようなことはしないでくださいね。
飼育に適している水温と水質
スポッテッドガーに適している水温は23度〜27度、水質は中性を好んでいます。
15cm以下の子供の時は水温に注意して欲しいですが、大人になると10度にを下回らない限りは死ぬこともなく丈夫な熱帯魚です。それでも全く動かなり危、消化不良や大きなストレスを抱えてしまうため、冬にはヒーターを入れて26度前後を保つようにしてください。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
肉食魚は掃除を怠っていると水槽のphがどんどん下がってしまいます。丈夫な魚と油断せずに、週に1回は新鮮な水に水換えをしてあげてくださいね。
餌は人口餌をメインに与える
スポッテッドガーの餌は成長期のときにしっかりと生き餌を与えて、大人になると人工飼料に切り替える方法がおすすめです。
20cm以下の時は体の大きさに合わせて冷凍赤虫、メダカ、和金(金魚)と切り替えましょう。捕食が苦手なので、夜間にちゃんとたべれているか気にしてあげてください。
20cmを超えると浮上性の人工飼料であるクリルやカーニバルを餌付けしていきます。人工餌は5日ほど絶食させてから与えると食べてくれやすくなります。同じ餌ばかり与えていると飽きてくるので、バリエーションを多く準備しておきましょう。餌は金魚、ドジョウ、スジエビ、牛ハツ、ワカサギなどが候補になります。
与えるだけ食べてしまうため、餌の量は2日に1回、人工飼料なら3〜5個を目安に与えてくださいね。
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混泳に向いている相手
スポッテッドガーが温和な性格をしており、同じ大きさの熱帯魚と混泳をすることができます。反対におとなしすぎるため気性が荒い相手とは混泳できません。
おすすめの混泳相手はロングノーズガーや下層で生活するプレコ、淡水エイ、パロットファイヤーなどになります。アロワナやオスカーなどは個体によって気性が荒いことがあるので、相性次第になります。
かかりやすい病気と治療方法
スポッテッドガーがかかりやすい病気は背曲がりと目の白濁です。
背曲がり
最も多い病気で、水槽が狭すぎることと栄養バランスが悪いことが原因です。少し曲がっているかな?というレベルでの初期症状なら完治する可能性があります。水槽の奥行きは足りているか、餌のバリエーションを増やすなどして対応してください。
目が白くなる
水質悪化に強い魚ですが、水の交換を全くしていないと酸性化が進み、目の白濁したり尾びれが溶けたりします。急に水の交換をすると水質変化に適応できないので、毎日1回のペースで1/5ほど水を交換していってください。
スポッテッドガーについてまとめ
スポッテッドガーはとても飼育しやすい肉食魚で、比較的小型ながらガーパイク特有の野性味を味わえる人気の熱帯魚です。しかし、すでに飼育している人以外では入手することができなくなってしまいました。
非常に残念でありますが、すでに飼育している飼育者さんや水族館でその姿を目に焼き付けておきましょう。
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ガーパイクの種類と飼育方法|飼育規制で引き取りも不可に。