子供のころに地方の道を歩いているとアオダイショウに出くわしたことがる人も少なくないのではないでしょうか。はじめてみた蛇がアオダイショウという方も多く、日本人に馴染みがある蛇です。
今回はそんなアオダイショウの生態や特徴、生息地、必要なゲージなど飼育方法を詳しく紹介していきます。
アオダイショウの特徴
アオダイショウは名前の通り、青色に近い緑がかった褐色をしており、全身には不鮮明な縦縞が入っています。生息地によって体色の差があり、黒ずんでいる個体や茶色っぽい個体も確認されています。非常に珍しいですが、突然変異で体が白く、目が赤いアルビノ個体が生まれることもあります。
腹部の左右に側綾(ばいかだ)と呼ばれている突起があり、これで木の枝を挟み込むことで移動します。
毒をもっているの?
アオダイショウは毒をもっていません。しかし、歯には細菌が繁殖しており、噛まれると炎症して腫れ上がることがあります。
体の大きさ
アオダイショウの大きさは平均で140cm、胴の直径で5cmほどになります。最大だと2mを超えてくるため、日本に生息する蛇では最大の大きさを誇っています。
寿命の長さ
アオダイショウの寿命は平均で15年、最長だと25年は生きた記録があります。
アオダイショウの生態
アオダイショウは木登りや岩登りがとても上手で、地上や石の隙間、木の上など幅広く生息しています。泳ぐのが得意なので、池の近くで見つけることもできます。人がいる場所にも生息しており、田舎の田んぼや家の庭に出没することもあります。
子供の時はカエルやトカゲなどの小型の生き物を捕食して、成長するにつれてネズミや鳥類を食べるようになります。そのため地方の屋根裏部屋でネズミを食べるために住み着いていることもあります。
昼行性で夜間は岩の隙間などで睡眠しています。とてもおとなしい性格でこちらから攻撃しない限りは、遭遇してもトラブルにはなりません。しかし、噛まれるとかなり痛いので注意してください。
11月から3月にかけて冬眠をし、4月から8月にかけて活発に動き出します。探すのならこのあたりの時期がおすすめです。採集する時は山にある石垣や畑の小屋が狙い目です。
生息地
日本の固有種で北海道から本州、四国、九州地方などいたるところに生息しています。
繁殖方法と時期
アオダイショウは3月に冬眠からさめ、そのまま気温が暖かくなる4月〜6月にかけて繁殖を行います。メスはオスよりも胴体が太いですが、尻尾は細くて短くなっています。
4cmほどの白い卵を一度に4個〜17個ほど産卵し、2ヶ月ほどで孵化します。生後2年で体長は1mまで成長し、そこから5年ほどかけて2m近くになっていきます。
アオダイショウの赤ちゃんはマムシに似ているので、間違ってしまうことがよくあります。違いについてはアオダイショウの子供の特徴で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
アオダイショウの飼育に必要な設備
アオダイショウの大人しくて環境適応力が高いので、飼育は簡単です。しかし、体が大きくなるので、初期費用では5万円ほどみておく必要があります。
必要なケージの大きさ
アオダイショウは地上よりも木の上を好むので、高さのあるケージが必要になります。
樹上棲ヘビのゲージの大きさは横幅がとぐろを巻いた時の2倍、高さは3倍が目安になるので、横幅で45cm以上、高さで60cm以上必要になってきます。
またケージの中には左右をしっかりと固定した登り木が上中下に3本必要です。ゆっくりと休憩できるように胴体の3倍の太さのものを準備してください。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは観賞用に
アオダイショウは他の爬虫類ほど紫外線を必要としていないので、バスキングライトはなくても問題になりません。しかし、寒い時期になってくると活動前に体を温める必要があるので、朝の少しだけつけてあげると喜んでくれますよ。
床材の選び方
床材は吸水性が高いヤシガラマットを少しだけ湿らせておいておくのがおすすめです。大量にフンをするので世話のしやすさを優先するなら新聞紙やキッチンペーパーが便利です。
フンをしたらすぐに取り除くようにして週に1回は全交換をしてあげてくださいね。
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水浴びできる大きさの水入れ
水入れは水飲みの意味もありますが、脱皮に必要な水分を得るために重要であり、タッパなど全身が浸かる大きさの容器を準備しなければなりません。
水は腐りやすいので、カルキ抜きした水に毎日交換してあげてくださいね。ひっくり返されないように重さがあるものを選んでください。
アオダイショウの飼育方法
ハンドリングに向いている性格だが、臭いには注意
アオダイショウはハンドリングをすることができます。また、匂いで飼育者のことを覚えるので、慣れてきたら安心感を与えるように定期的に触ってあげることが大切です。
捕まえる時はゆっくりと手を近づけると怖がらせてしまうので、すっと上から掴んで全身を抱きかかえてあげましょう。
刺激臭や騒音など、ハンドリングの時に強いストレスを与えると身を守るために、臭線から臭い液体や臭いを出すので注意してください。普通に飼育している分には出すことはないので、ご安心ください。
値段と販売場所
アオダイショウは1匹5,000円前後で50cmほどの個体が販売されています。人気ではないので、販売量が少なく爬虫類ショップを根気よく探す必要があります。
値段は上がりますが、希少なアルビノ個体もたまに販売されており、こちらは5万円〜7万円になります。
飼育に適している温度と湿度
アオダイショウに適している温度は18度〜26度です。日本の生き物なので越冬することができますが、飼育下での冬眠は難しく、そのまま死んでしまうことも珍しくないので、暖房をいれてあげましょう。木の上で生活することが多いので、ゲージ全体を温めるヒーターをいれてあげてください。
高温に弱く30度を超える日が続くと危険です。冷房で26度を維持するか、直接風が当たらないように扇風機を使ってください。
水入れをいれておけば湿度に注意する必要はなく、毎日1回霧吹きをしてあげるといいですよ。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
餌は冷凍マウスがメイン
アオダイショウは人工餌を食べることはほとんどなく、冷凍マウスが主食です。冷凍マウスだけで最後まで飼育することが可能です。冷凍マウスは直接お湯につけないように袋に入れて40度程度のお湯で解凍してから与えてください。少し熱を持っているほうが食いつきが良くなります。
飼育を始めたばかりのアオダイショウは新しい環境に慣れていないので、2〜3日は餌を与える必要がありません。落ち着いてきて、舌をだすようになったら、 餌の準備をしていきましょう。
餌の量は50cm以下ならSサイズの冷凍マウスを、1m以下ならMサイズを、それ以上ならアダルトサイズの冷凍マウスを3日に1匹与えます。
とても敏感な性格をしているので、慣れないうちは餌をゲージに入れてから、3m以上は離れるようにしてください。匂いや振動などに緊張して餌を食べてくれないからです。
慣れてきたら他にもヒナウズラやヒヨコ、鶏肉、ハツなどバリエーションを増やしておきましょう。
野生のカエルやバッタなどもいい餌になりますが、寄生虫がついている可能性があるため、おすすめはできません。
蛇の餌についてはヘビにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
アオダイショウの飼育の注意点
脱皮のために湿度を保つ
アオダイショウは体の成長にともなって、窮屈になった皮を脱ぎ捨てるために2ヶ月に1回ほど脱皮を行います。
この時に頭部から尾の先まで脱皮を行いますが、綺麗に脱げない時が出てきます。これは脱皮不全といって、放置しているとその部分が壊死してしまいます。湿度が低くて乾燥していることが原因ですので、水入れをきちんと用意してあげたり、霧吹きをしたり、冷房で乾燥しすぎていないかなど確認してください。
脱皮不全をみつけたら、30度ほどのぬるま湯でやさしくこすりながら落としてあげてくださいね。
隙間から脱走する
アオダイショウの体は細長く、思わぬ隙間から脱走してしまうことがあります。しっかりと蓋をして逃げ出さないように注意してくださいね。
アオダイショウについてまとめ
今回はアオイダイショウの特徴や生態、飼育方法についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
実はとても飼育しやすい爬虫類で、容器さえ準備できれば家でも比較的簡単に飼育することができてしまいます。ハンドリングしたりとペットとして触れ合ったりもできますので、最初の蛇としてもおすすめです。何よりも日本人に馴染みのある生き物を実際に飼育するというのはとてもいいものですよ。
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