チンアナゴは砂の中に潜る独特な習性を持っており、そのかわいさから水族館の人気者です。ペットとしても人気が高く、自宅で飼育することもできるんですよ。
今回はそんなチンアナゴの餌や飼育にかかる費用、水槽の大きさ、寿命など飼育方法を詳しく紹介していきます。
チンアナゴの生態
チンアナゴはウナギ目アナゴ科に分類される海水魚です。生息地はインドや西太平洋、沖縄に分布しています。
気に入った場所があると、尻尾から一気に砂の中に潜って巣を作ります。臆病な性格で、群れを作り、天敵になる中型以上の魚が近づくと一斉に砂の中へ身を隠します。
餌は水流にのってくる、動物性プランクトンを食べています。餌が流れてくるのを待つため、水流が強い場所を好んでます。
寿命の長さ
チンアナゴの寿命は平均して3年から5年です。飼育下では水質悪化や餌不足で長期飼育が難しいです。元気がなくなると穴から出てこないようになるので、注意して観察しておきましょう。
チンアナゴの種類
チンアナゴには姿がそっくりのチンアナゴっぽい種類がいますが、正確にはチンアナゴ属とシンジュアナゴ属の2種類がいます。
前者は顔に丸みを帯びており、後者は面長です。性格や喧嘩の仕方なども異なってきます。
チンアナゴ
チンアナゴは灰色をベースに黒い斑点模様がある基本種です。もっともポピュラーなチンアナゴで水族館でもよく飼育されています。
体の大きさは30cmほどになります。
ニシキアナゴ
ニシキアナゴはチンアナゴとよく似ていますが、体色が違い、オレンジと白のしましま模様です。
顔の形も異なり、ニシキアナゴは面長です。体長は少し大きく40cmほどになります。
ホワイトスポッテッドガーデンイール
茶色い体に白い点々模様がある種類です。もっとも大きく、70cmほどの大きさになります。背びれが発達しており、他の種類の倍ほどの大きさがあります。
ゼブラアナゴ
白と黒のしましま模様のチンアナゴで、体長は30cmほどになります。沖縄の西表島に生息しています。絶命危惧種に指定されており、販売されることはありません。
チンアナゴの飼育に必要なもの
チンアナゴの飼育に必要なものを紹介していきます。一般的な海水魚の飼育と同じものが多いですが、必要な砂の量が異なるので注意してください。
初期の飼育設備にかかる費用は30,000円〜40,000円ほどです。初心者向けの海水魚飼育セットもあるので、探してみましょう。
必要な水槽の大きさ
チンアナゴは30cmの小型水槽で飼育することができます。砂を多く入れるため、水槽は高さが必要で、できれば高さ50cm以上のものを用意してください。
飼育数の目安は30cm水槽で2匹、45cm水槽で4匹、60cm水槽で8匹が目安です。
ろ過フィルターの選び方
ろ過フィルターは水槽の大きさに合わせて選びます。
45cm以下の水槽なら外掛けフィルター、60cm以上なら上部フィルターがおすすめです。
浮遊している餌を食べるので、底に溜まった餌を巻き上げるくらいの水流に調整しましょう。
ギリギリ潜れるくらいの砂の厚さにする
砂はギリギリ潜れる量に調整してください。厚くしすぎると水の流れが悪くなり、砂の中の環境が悪くなるからです。15cm〜20cmほどの厚みが目安です。
体が傷つかないように、角がなくて粒が小さいサンゴ砂を選んでください。
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人工海水を作るための道具
チンアナゴは淡水では飼育できないので、海水を作る必要があります。
作り方はとても簡単で、カルキを抜いた水道水に人工海水の素をいれて作ります。塩分濃度は比重計で測定しながら、1.023に調整していきます。
人工海水の作り方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
飛び出し事故防止のための水槽の蓋
チンアナゴは臆病な性格をしており、意外にも水槽からの飛び出し事故が多い魚です。隙間なく水槽の蓋をしておいてください。
チンアナゴの飼育方法
チンアナゴは丈夫なので飼育難易度は高くありません。
しかし、海水魚の中では比較的簡単という意味で、餌不足や食べ残し、砂が多くて水質悪化しやすいなどの問題があるため、魚の飼育に慣れてから挑戦したほうが安心です。
値段や購入場所
チンアナゴの値段は1匹1,500円〜3,000円で販売されています。
ネット通販ではコンスタントに販売されていますが、店舗ではあまり見かけません。購入したいときは海水魚専門店で取り寄せをお願いしてみましょう。
購入前に水槽を立ち上げておこう
チンアナゴを水槽で飼育するには、フンなどの有害物質を無害なものへ分解するバクテリアの存在が必須です。
立ち上げたばかりの水槽にはこのバクテリアがいないため、実際に魚を1ヶ月ほど飼育する必要があります。
水槽立ち上げの手順
- 水槽の置き場所を決める
- 水槽台と水槽をセットする
- 底砂、フィルター、ヒーターをセットする
- 人口海水を入れる
- フィルターを稼働させて水の濁りをとる
- テストフィッシュを1ヶ月飼育する
- チンアナゴの数を徐々に増やしていく
水槽の立ち上げ方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
飼育に適した水温と水質
チンアナゴに適している水温は23度〜25度と低めの水温を好みます。
冬は水槽用のヒーターを用意してください。夏は30度を超えることもあるので、冷却ファンやクーラーをつけてあげましょう。
水質は弱アルカリ性を好みます。海水でサンゴ砂をいれておけば問題なく弱アルカリ性の水質を維持できますよ。
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餌はブラインシュリンプを与える
野生のチンアナゴは海中のプランクトンを食べて生活しています。
餌の好き嫌いが激しく、飼育下ではブラインシュリンプなどの生き餌が必要になります。ブラインシュリンプの与え方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
人工飼料の餌付けは難しいですが、イトメやホワイトシュリンプなど冷凍餌なら食べてくれる可能性があります。
餌を食べるのが苦手なので、餌不足と食べ残しで水質悪化にならないように注意してください。
餌の頻度は1日2回、2分程度で食べきれる量を与えましょう。
半年に1回は水槽の大掃除をする
チンアナゴは住処を荒らされると大きなストレスになるので、普段は週に1回、1/3ほど水換えするだけにとどめてください。底砂を洗うのは半年に1回で十分です。
水槽掃除の手順
- 飼育水をバケツに入れる
- チンアナゴをバケツに入れてエアレーションをいれる
- 砂をバケツに移動させて水道水でごしごし洗う
- 水槽とフィルターを水道水で洗う
- 水槽をセットして元の飼育水を1/3もどす
- 新しい人工海水をいれる
- チンアナゴを水あわせして水槽にもどす
臆病な性格で混泳は難しい
チンアナゴはチンアナゴ同士やニシキアナゴとなら混泳することができます。よく喧嘩をするので、巣穴が近くならないように、飼育数は少なめにしておいてください。
とても臆病な性格なので、他の海水魚と混泳することはできません。砂の中に隠れて出てこなくなり、餌不足になる可能性が上がってしまいます。
チンアナゴについてまとめ
今回は水族館で大人気のチンアナゴについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
チンアナゴはペットショップでも販売されており、自宅でも飼育することができます。泳ぎ回る魚ではありませんが、水流にゆらゆらと揺れている姿は心が癒されます。
飼育では餌不足や水質悪化に注意して、大切に育ててあげてくださいね。
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