カリフォルニアキングスネークはペットとして人気のヘビです。とは言え、そこまで飼育は簡単ではなく、かわいい顔つきとは裏腹に餌食いの悪いさや神経質な性格など、事前の知識をもっておいて欲しいヘビです。
今回はそんなカリフォルニアキングスネークの生態や特徴、ハンドリングの方法、おすすめの餌、飼育環境など飼育方法について詳しく紹介していきます。
カリフォルニアキングスネークとは?
カリフォルニアキングスネークはナミヘビ科キングヘビ属に分類されるコモンキングヘビの仲間です。マニアの間では「カリキン」という愛称で親しまれています。
ロサンゼルスやサンフランシスコがあるアメリカ西部のカリフォルニア州にある草原や森林地帯、民家に生息しています。現地では日本のアオダイショウのように身近な存在です。昼行性で夜は他の動物が掘った穴や岩陰に身を潜めています。
キングスネークの名前の由来は、ヘビを捕食する習性があることからヘビの王(キングスネーク)と呼ばれるようになりました。同じアメリカに生息する猛毒のガラガラヘビも食べてしまうほどです。食性は幅広く、小型の哺乳類や両生類、爬虫類、鳥類などを食べる肉食性ですが、特に爬虫類を好んで食べます。
ペットとしてはコーンスネークにつぐ人気の高さです。繁殖も簡単なので何十種類ものモルフ(カラーバリエーション)が世界中のブリーダーの手によって生み出されています。コレクション性が高いので、お気に入りの一匹を見つけ出して飼育する楽しみができますよ。
体の大きさ
カリフォルニアキングスネークの大きさは120cm~150cmです。数字にすると大きく感じますが、実際には丸々とこぶし2つ分の大きさで、片手でハンドリングできるくらいです。
寿命の長さ
カリフォルニアキングスネークの寿命は平均して20年~25年とかなりの長寿です。飼育下では運動不足や肥満で短命になりやすく、20年以下になることが多いです。
冬眠をする
カリフォルニアキングスネークは10度を下回ると冬眠を行います。冬眠は土の中や落ち葉の下など比較的暖かい場所で行います。飼育下ではウッドチップをたくさん入れておいて、気温の変化が少ない場所にケージを置いておきましょう。冬眠は難しいので、飼育下では行わない方が安全です。
カリフォルニアキングスネークの飼育環境
カリフォルニアキングスネークは小型のヘビであり、簡素な飼育設備だと1万円、しっかりしたものでも3万円もあれば十分に準備することができます。
ケージの大きさ
カリフォルニアキングスネークは地表を動き回るため、床面積の広さを確保する必要があります。床面積はとぐろを巻いたときの3倍あればよく、最終的には60cm(横幅)×30cm(奥行き)のケージが必要です。
ケージには飼育が簡単な専用のプラスチックケースなどありますが、爬虫類専用ケージであるグラステラリウム6030がおすすめです。こちらはレイアウトがしやすく、飼育を楽しむことができます。逃げ出さないようにしっかりと戸締まりしましょう。
高さにある流木を入れておくことで立体移動もしてくれるようになるので、ケージに余裕があれば設置してあげましょう。上下に動き回る姿を観察できて、飼育がさらに楽しくなりますよ。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは観賞用に
カリフォルニアキングスネークは昼行性ですがほとんど日光浴をしないため、バスキング用の照明や紫外線を含んだUVライトは必要ありません。観賞用に蛍光灯を設置しておくといいですよ。
床材の選び方
床材には保湿性が高いヤシガラマットやウッドチップ、パームマットを使います。フンをしたらこまめに取り除くようにしてください。
レイアウトを気にしなければ、新聞紙やペット用のトイレシートで代用することもできます。こちらは簡単に交換できて、清潔に保ちやすいため、管理が楽になります。
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ぴったりはまるシェルター
ヘビは体に何かが接触している面積が多いほど落ち着くので、とぐろをまく習性があります。なので、隠れ家となるシェルターはカリフォルニアキングスネークがぴったりと入る大きさである必要があります。
シェルターの大きさが合わないときは水容器の中やガラス面、隙間で休んでいることが多いので、サイズの変更をしてあげましょう。
巣穴の中は高い湿度を保っている状態を好みます。画像のようなシェルターだと上部に水を入れることで、中の湿度を上げることができますよ。
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水容器
カリフォルニアキングスネークはよく水浴びをするので、全身が入る大きさの水容器をいれてあげましょう。飲み水としても使うので、毎日交換して新鮮な状態を保って上げてくださいね。
水容器も体がぴったりとはまる大きさの物を選んであげます。市販のタッパなどを使うと便利ですが、ひっくり返されるようなら重みがある専用の水容器に変更しましょう。
カリフォルニアキングスネークの飼育方法
カリフォルニアキングスネークは飼育が簡単で、初めてのヘビ飼育の方にもおすすめの種類です。しかしながら、餌付けするのは難しいので、最初から餌付いている個体を購入することが大切です。
値段と販売場所
カリフォルニアキングスネークはモルフや発色の良さ、バランスによって値段は大きく変わってきます。一般的な価格だと2万円~5万円、美しい個体で10万円前後になります。
爬虫類は対面販売が義務づけられているので、ネット通販で購入することはできません。入手したいときは爬虫類専門店に探しに行きましょう。人気のヘビですので、比較的簡単に見つけることができますよ。
モルフにこだわりがあるときはナミヘビの専門店を探すか、全国で行われているペット即売会のイベントに参加することをおすすめします。
ベビーは温度や湿度に敏感で飼育が大変なので、初めての方はなるべく大きい個体を購入するようにしてください。
ハンドリングの可否は個体差が大きい
カリフォルニアキングスネークは性格の個体差が激しく大人しい子もいれば、噛みつくのをやめない子もいます。噛みつかれると多少は出血しますが、エサと思って飲み込もうとする姿は逆にかわいく思えます。基本的には大人しい性格の子が多く、ハンドリング向きのヘビです。
飼育を初めて1ヶ月は新しい環境に慣れていないのでハンドリングをするのはやめておきましょう。飼育者に対してストレスを感じているときは尻尾を揺らしてビイイイっと音を出して威嚇してくるので、すぐにわかります。威嚇をされたときにしつこく近寄るとずっと仲良くなれなくなってしまうので、2日程度はあけてからチャレンジするようにしてください。
餌やりを通して飼育者の匂いを覚えることで、慣れてくれるようになりますよ。
気性が荒い個体のケージの掃除をしたいときはスネークフックを使いましょう。
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適している温度
カリフォルニアキングスネークに適している温度は25度~30度を好みます。温度が低くなると消化不良になってしまうので、25度を下回るようでしたらすぐに加温して下さい。
冬はパネル式ヒーターをケージの下に敷いて、床面積を暖めるようにします。床の全面を暖めると、暑くなりすぎたときに逃げられなくなるので、床面積の1/3を暖めます。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
適している湿度
カリフォルニアキングスネークに適している湿度は60%~70%です。大人になったらあまり気にする必要はありませんが、ベビーの頃は注意する必要があります。毎日2回、朝と夜に霧吹きしてくださいね。シェルターの中には水ゴケを入れてしっかりと湿度を保てると安心です。
カリフォルニアキングスネークの餌はマウスがメイン
餌は冷凍マウスがメイン
カリフォルニアキングスネークの餌は冷凍マウスを与えます。マウスは栄養満点なので、基本的にはこれひとつで最後まで飼育することができます。
冷凍マウスはビニール袋に入れて40度のお湯で解凍します。次に水気を拭き取ってピンセットで目の前までもっていきましょう。
餌を食べずに拒食することが多いので、初めての方は最初からマウスに餌付いている個体を購入しましょう。餌を食べてくれないようになったら、生きたマウスやエサ用のヤモリを使いましょう。
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餌の大きさはどのくらい?
餌の大きさは口に入るギリギリの大きさのマウスを選びます。簡単に飲み込めたり、吐き出してしまうようならサイズの変更をしてください。個体によって大きい餌が好きな子もいますので、いろいろと与えて見極めていきましょう。
餌を与える頻度
餌の頻度は成長期のベビーは週に2回で食べられるだけ与え、大人になったら週に1回に抑えます。食べる量はその日のコンディションによって異なるので、食べる様子を見ながら匹数を調整してください。目安は頭部の3倍で、だいたい2匹~4匹になります。
ヘビにおすすめの餌でも詳しく紹介しているので、ご参考ください。
カリフォルニアキングスネークについてまとめ
今回はカリフォルニアキングスネークについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ペットのヘビとして一番人気のコーンスネークと比べると、拒食の問題があるのでナンバー2になってしまっていますが、やんちゃな性格で飼い主の手を噛んで来たりする姿がまたかわいらしくて憎めません。150cmの小さな体でヘビ食らいの野生味も観察できるのはカリフォルニアキングスネークくらいです。
大人しいだけの子なんてつまらない!手間や傷も楽しみたい!笑。という方にはとてもおすすめです!興味を持たれて方はショップに行って、そのかわいい姿を見に行ってみましょう。
比較の候補になりやすいコーンスネークについてはコーンスネークの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
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