ダトニオは大型魚でも随一の体高がある熱帯魚で、しっかりと成長したダトニオの姿は思わず息を飲むほどです。特徴的なバンドや体のサイズに魅了されたマニアの方の少なくありません。
今回はそんなダトニオについてバンドの色揚げ方法や値段、種類別の特徴など飼育方法を詳しく紹介していきます。
ダトニオの生態と特徴
ダトニオはスズキの仲間で、東南アジアの河川から汽水付近を好んで生息しています。
白と黒のバンド模様をしており、この模様はシマウマと同じように、水草に溶け込み天敵から身を守るためにあると言われています。
体の模様が虎に似ていることからタイガーフィッシュと呼ばれることもあります。
体の大きさと成長速度
ダトニオの大きさは45cmほどです。最大では50cmになりますが、飼育下ではそれ以下で成長が止まることが多いです。
体長はそこまで大きくありませんが、体高が他の大型魚の倍以上あるため、体の大きさ以上に存在感がある熱帯魚です。特に最大サイズになったときの重量感や迫力はダトニオでしか味わえない感動があります。
ダトニオは成長速度が遅く、しっかりと餌をあげても1年で20cm、2年で30cm、3年で35cmにしかなりません。大型魚の混泳魚として探している方は20cm以上の個体を購入されるケースが多いです。
寿命の長さ
ダトニオの寿命は平均して10年〜15年程度です。上手に飼育できれば20年以上生きることもあります。長生きする熱帯魚なので、最後まで世話できるようにしっかりと準備しておきましょう。
ダトニオの種類
ダトニオは大きく分けるとシャムタイガーとフォーバータイガーの2種類のグループに分けられます。
最大の違いは生息地にあり、前者は弱酸性を好みますが、後者は弱アルカリ性の塩分を含んだ水を好みます。後者の種類は飼育が難しく、国内で販売されることはほとんどありません。
また産地によって名称が異なることがあり、タイ産のシャムタイガー、カンボジア産のカンボジアタイガー、ニューギニア産のニューギニアダトニオなど呼び名が豊富です。
ダトニオイデス・プルケール
分布 | タイ、カンボジア、ベトナム、ビルマ、ラオ |
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体長 | 70cm |
寿命 | 10年〜15年 |
値段 | 10,000円〜50,000円 |
体高と体の厚みがある種類でオレンジ色をベースに黒の太いバンドがしっかりと出てきます。丈夫な魚なので、弱酸性でも飼育することができますが、弱アルカリ性で飼育できると体色が綺麗になってくれますよ。
ダトニオといえば、この種類を思い浮かべるくらいメジャーな種類で、別名で本ダトニオやシャムタイガーと呼ばれています。よくダトニオとシャムタイガーの違いを調べられることがありますが、産地が違うだけで同じ種類になります。しかし、バンド模様の入り方が少し異なっており、ダトニオはバンドが背びれまで届き、太バンドやバンドの色が薄いバンドもどきなど模様も様々です。
ダトニオイデス・ミクロレピス
分布 | インドネシア、ボルネオ島 |
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体長 | 40cm |
寿命 | 10年〜15年 |
値段 | 10,000円〜50,000円 |
別名でボルネオタイガーやダトニオ・プラスワンと呼ばれている種類で、ダトニオの中でも小型です。
通常、ダトニオのバンドは6本ですが、この種類は7本あります。見た目はシャムタイガーに似ていますが、ボロタ種という別種になります。
神経質な性格をしており、最初は体色が黒化していることが多いです。長い間飼育しているときれいな体色になっていくので、大切に育ててあげましょう。
この種もバンド模様がいろいろあるので、コレクション性が高いです。特にリアルバンドと言われるバンドの模様が左右対称ではっきりとでている個体は高値で取引されています。
ダトニオイデス・カムプベリー
分布 | ニューギニア |
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体長 | 50cm |
寿命 | 10年〜15年 |
値段 | 10,000円〜50,000円 |
別名でニューギニアダトニオと呼ばています。ニューギニア島の河口付近に生息しているため、弱アルカリ性の汽水で飼育すると元気になってくれます。
通常のダトニオは体高がありますが、この種類はあまり高さが出ずにだ円形の体型になります。
もっとも特徴的なのは体色で、黒色の体色をベースに黄色のバンドが入っています。幼魚はオレンジ色がはっきりと出ていますが、成長するにつれて黒ずみ、黒化してしまいます。
ダトニオの飼育に必要な水槽と設備
ダトニオは大型の熱帯魚であり、飼育設備も大型のものが必要になってきます。大きな水槽さえ用意できれば飼育は難しくありませんよ。
必要なもの
- 水槽
- ろ過フィルター
- ヒーター
- 水槽の蓋
必要な水槽の大きさ
ダトニオを飼育するためには、最終的に120cm×60cmの水槽が必要です。
成長過程では水槽が大きすぎるとストレスを感じるため、幼魚期〜15cmまでは60cm水槽で飼育してあげましょう。神経質なので流木や石などで隠れ家を作ってあげてください。
体長が30cmになると90cm水槽、40cmになると奥行き60cmと徐々に大きくしていきます。
ろ過フィルターの選び方
ダトニオはたくさんの餌を食べるので、ろ過フィルターは掃除が簡単な上部フィルターがおすすめです。
スポンジにたまったゴミをこまめに掃除してください。酸欠に弱いので、様子を見ながらサブで投げ込み式フィルターを追加しましょう。
冬はヒーターが必要
ダトニオは低水温に弱いので、冬はヒーターが必要です。必要なワット数は次の通りです。
60cm水槽 | 150w |
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90cm水槽 | 300w |
120cm水槽 | 500w |
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
脱走防止の水槽の蓋
水槽の蓋はホコリが入ったり、水が蒸発するのを防ぎます。ダトニオは飛び跳ねる力が強いので、蓋はしっかりと固定しておいてください。
ダトニオの飼育方法
ダトニオは丈夫な熱帯魚なので、飼育は難しくありません。しかし、神経質な部分が強く、美しいバンド模様を出すのは一苦労です。
値段と販売場所
ダトニオはシャムタイガーの5cmほどの幼魚がまとまって入荷され、およそ2,000円前後の値段で販売されています。
ホームセンターで見かけることはないので、熱帯魚専門店か通販サイト、ヤフオクなどを利用しましょう。20cm以上の個体だと5千円〜5万円で販売されていますよ。
レイアウトはベアタンクがおすすめ
ダトニオは餌をよく食べて、たくさんのフンをするので、掃除のしやすさを優先して、なにもいれないベアタンクが好まれます。
どのみち体が大きくなるとレイアウトは壊されてしまいます。
幼魚のときは臆病な性格をしているので、隠れ家になるように少しだけ石や流木をいれておくといいですよ。最初は後ろに隠れて泳がないこともよくあります。2ヶ月もすれば水槽になれて元気になりますよ。
水流は強めにしてたくさん運動させてくださいね。
飼育に適している水温と水質
ダトニオに適している水温は25度〜32度と適応範囲が広く飼いやすいです。
水質はphや硬度が高い河口付近に生息しているため、中性から弱アルカリ性の水を好みます。
幼魚のときは病気の予防と成長促進をかねて、30度前後で飼育しましょう。20cmを超えてくると27度まで下げて、じっくりと育ててください。
水が悪くなってくると、発色が悪くなり目が白く濁ってきます。その症状が確認できたらすぐに水を交換しましょう。日々のメンテナンスでは週に1回、1/3ほど水を交換してあげてくださいね。
餌は人工餌がメイン
ダトニオは食欲旺盛で好き嫌いが少ないので、生き餌から人工飼料までなんでも食べてくれます。
稚魚の時は人工飼料の食いつきが悪いので、冷凍赤虫やメダカ、和金(金魚)が必要です。1日3回あたえてしっかりと成長させましょう。
成魚になると人工飼料を中心にカーニバルなどの肉食魚用人工飼料を与えます。
餌の量は1日2回、2〜3分程度で食べきれる量を与えてくださいね。
人工飼料の食いつきが悪い時や拒食する時は餌と認識していない時があるので、他の食いつきがいい魚と混泳して競争させてください。勢いよく水槽にいれるなど工夫するといいてますよ。絶食をすると成長に悪い影響がでてしまうので、無理にはさせないでくださいね。
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おすすめの混泳相手
ダトニオは神経質な性格で、他の大型魚に危害を加えることが少なく、混泳向きです。
おすすめの混泳相手はスポッテッドガーや淡水エイ、プレコなどです。
自分と体型が似ている魚には攻撃的になるので、ダトニオ同士やオスカー、フロントーサ、フラワートーマンなどはやめておきましょう。
また、自分よりも小さい個体にも攻撃的になりやすく、成長につれて性格が変わることがあります。体長が40cmを超えたあたりから性格の変化が起きやすいので、注意して観察してくださいね。
かかりやすい病気と治療方法
ダトニオは丈夫な熱帯魚なので、病気になることはほとんどありません。しかし水質悪化には弱いので、水換えはきちんと行なってください。の薬に弱いので薬浴するときは規定量の1/5からはじめてくださいね。
白点病 | 体が小さい幼魚のときは白点病にかかることがあります。治療では薬が苦手なので、水温を少し高めにして、塩を2つまみほどいれてあげてくださいね。予防のために、最初から高い水温で飼育することをおすすめします。 |
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目が白く濁る | 水質悪化すると目が白く濁ってきます。すぐに1/3ほど換水を行なって、フィルターを掃除してあげましょう。日々のメンテナンスで予防することができます。 |
体の傷 | 混泳相手と喧嘩をしたり、障害物にぶつかったときに傷ができることがあります。化膿してくることがあるので、規定量の1/5のグリーンFを入れるか、患部に直接エルバージュを塗りましょう。 |
ダトニオの魅力を引き出す飼育のポイント
良個体の見分け方
ダトニオは将来的には体が大きくて発色のいい個体に育てあげるのが理想的です。ショップで長期飼育されている個体は餌が抑制されることがあるので、入荷日は必ず確認しておきましょう。ここではいい個体を選べるように、チェックしておくといい項目を紹介しますね。
チェックポイント
- 鼻筋がはっきりとしている
- 目が大きすぎない
- 体高がある
- 両面のバンドの太さ、形が整っている
- ヒレに欠けがない
黒化の原因。色揚げをするのは?
ダトニオは水質の悪化で体調が悪くなったり、自分より大きな個体がいるがいるとストレスで黒化することがよくあります。20cm以下の幼魚のときはまわりの環境に慣れていないので、黒化しやすくあまり神経質になる必要はないですよ。
周りの環境と同化していくので、暗めの水槽ではなく、照明を強くした明るい水槽で飼育してあげましょう。
バンド模様を色揚げしていくには、水質を弱アルカリ性で維持します。
そして混泳水槽で狙っているダトニオが一番大きく、強い状況を作り出すことが大切です。気の強い個体ほどはっきりと発色してアピールをするようになってくるからです。しかし、強い固体ほど喧嘩っ早いので、狭い水槽で混泳は出来ません。
巨大化させるには?
大きなダトニオを育てるためには、最初に資質があるかどうか見極める必要があります。よく餌を食べるということが大切なので、餌をあげてもなかなかお腹が大きならない個体は将来大きくなる可能性が高いです。他の重要なポイントも紹介しますね。
チェックポイント
- 食いつきが良い生き餌を与える
- 大きな水槽。180cm水槽が望ましいです
- 水深の深さ。体高が成長しやくなります
- 水換えの頻度を増やす。週に2回、1/3交換する
- 混泳水槽で餌の競争を行わせる
- エアレーションを増やして新陳代謝を高める
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大型魚・肉食魚でおすすめの熱帯魚|必要な水槽の大きさは?