ツノガエルは大きな体とかわいい顔つきが人気のペットフロッグです。飼育環境は整えやすく、餌付けもいいので初心者にもおすすめです。
今回はそんなツノガエルの特徴や種類、寿命、価格の相場、餌など飼育方法について紹介していきます。
ツノガエルの生態と特徴
ツノガエルは両生綱ツノガエル科に分類されるカエルの仲間です。生息地はアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイなどの南米に幅広く分布しており、河川や湖近くの多湿な環境を好んでいます。
目の上には小さく発達したツノがあり、このことからツノガエルと名付けられました。
普段からほとんど動くことはなく、土の中に浅い穴を掘って、目の前を餌が通るのをじっと待っています。餌はコオロギなどの昆虫からネズミなどの小動物、同種のカエルなど口に入る大きさの生き物であればなんでも丸呑みにします。
冬の間は土の中に潜ることで冬眠を行います。
鳴き声の大きさ
ツノガエルは繁殖期にオスだけ鳴き声を出し、メスは鳴き声を出しません。他にもツノガエルに触れたときや、水をかけたときに小さな鳴き声を出します。
ツノガエルの鳴き声は「キューン」という子犬のような高い音で、慣れていないとうるさいと感じます。
ツノガエルの種類
ツノガエルは種類が豊富ですが、ペットとして人気なのはベルツノガエルやクラウンウェルツノガエルです。
他の種類だと生息地の名前がつけられたアマゾンツノガエルやブラジルツノガエル、コロンビアツノガエルなどもいますが、輸出が規制されており入手は困難です。
今回はペットとして流通している3種類について紹介していきます。
紹介する種類
- ベルツノガエル
- クランウェルツノガエル
- アマゾンツノガエル
ベルツノガエル
分布 | アルゼンチン、ブラジルなどの南米 |
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大きさ | 10cm~14cm |
寿命 | 10年~15年 |
ベルツノガエルは代表種とも言われているツノガエルで、体は丈夫でよく食べてくれるので、初心者にも飼育しやすいです。
品種改良が盛んで、体色のバリエーションが豊富なので、お気に入りの1匹を見つけることが出来ますよ。
ベルツノガエルの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
クランウェルツノガエル
分布 | アルゼンチン、ブラジルなどの南米 |
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大きさ | 8cm~12cm |
寿命 | 10年~15年 |
クランウェルツノガエルはベルツノガエルよりも一回りほど小さいツノガエルです。
ベルツノガエルと比べると茶色の割合が多く、少しだけ口先が細く、角は短くなっています。生息地が近く、交雑することもあります。
クランウェルツノガエルの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
アマゾンツノガエル
分布 | ベネズエラ、コロンビアなどの南米 |
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大きさ | 7cm~12cm |
寿命 | 10年 |
アマゾンツノガエルは目の上のツノが最も長く、顔つきもシャープで他のツノガエルにはない独特な雰囲気を持っています。
ツノガエルの中でも飼育は難しい種類になります。
神経質な性格をしており、飼育環境に慣れるまで時間がかかります。さらに食欲が少なく、餌は餌用のメダカや金魚、カエルしか食べないので、餌付けには苦労します。
ツノガエルの飼育環境
ツノガエルは飼育には床材がもっとも重要であり、飼育容器などは熱帯魚と同じガラス水槽や虫かごでも飼育することができます。
ツノガエル専用の飼育セットなども2,000円前後で販売されているため、使ってみるのも良いですよ。
周りの環境に合わせて色を変化させるため、暗い環境では暗い色に、明るい環境では薄い色になってしまうので、体色を見ながらベストな環境を用意してあげましょう。
必要なケージの大きさ
ツノガエルは普段は土の中に潜っており、狭いケージでもストレスを感じにくいカエルです。ケージの大きさは、横幅と奥行きは体長の2倍あれば十分です。
最大でも体長は14cmほどですので、30cm(横幅)×30cm(奥行き)のケージを用意してあげましょう。で紹介しています。
脱走することがあるため、しっかりと隙間無く蓋をするようにしておいてください。
おすすめの30cm水槽やおすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
床材の選び方
ツノガエルの床材はウールマットかソイルのどちらかを敷くのが一般的です。何も敷かないとガラス面でツルツルと滑って、成長に異常が出てくるため、注意が必要です。
ウールマットは1cmほど水で浸しておいて、ウールマットを敷いておくだけです。水換えが簡単なので、清潔な環境を維持しやすいです。
ソイルは良く湿らせたソイルを敷いておき、乾燥したら霧吹きで湿らせるという作業が必要です。こちらはフンがたまって掃除も手間ですが、ツノガエルの習性である穴を掘ることも出来るので、ストレスを抱えにくい自然に近い環境となります。
ソイルを使うときは湿度を保ちやすいように、良く湿らせた水苔をたくさんいれておいてあげましょう。
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ライトは観賞用に
ライトは飼育には必要ありませんが、観賞用にいれておくことをおすすめします。ケージ内の温度が上がりにくいLEDライトを使いましょう。
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水容器
ツノガエルは皮膚から水分を吸収するため、全身が浸かる大きさの水容器が必要です。
水質が悪化するとすぐに体調を壊してしまいます。毎日水を交換して新鮮な状態を維持してくださいね。
ツノガエルの飼育方法
ツノガエルはカエルの中でも飼育が簡単な種類ですが、水換えや掃除はこまめに行わないと体調を崩してしまいます。
人工餌を食べてくれる可能性が高いため、昆虫が苦手な人にも飼育しやすいです。
飼育に適している温度
ツノガエルに適している温度は22度〜28度です。
冬はパネル式のヒーターをケージの下に敷いて、床を温めるようにしてください。
他のヒーターとの比較や使い方については爬虫類におすすめのヒーターで詳しく紹介しているので、ご参考下さい。
飼育に適している湿度
ツノガエルに適している湿度は50%〜60%です。床材が乾燥してきたらこまめに霧吹きするようにしてください。乾燥させてしまうと脱皮不全や痩せ細る原因になるため、水苔やソイルなど保湿性が高いものをいれておくと安心です。
餌は昆虫や人工餌がメイン
ベルツノガエルは肉食性で生き餌や人工餌や主食になります。
10cmまでの大きさではたくさんの餌を食べて骨格を作る必要があるので、食いつきが良いコオロギを中心にメダカ、金魚、ミルワームなどの活き餌を与えていきます。同じ餌ばかり与えていると、餌に飽きて拒食に原因になるため、なるべく与えられる餌のバリエーションを増やしておくのが大切です。
それ以上の大きさになると人工餌に慣して、飼育しやすい状態に変えていきましょう。
餌の頻度は2日1回、3口分ほど与えます。ピンセットで餌をつかんで目の前で軽く揺すって食いつくのを待ちましょう。
餌の種類や与え方についてはカエルの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
掃除と水換え
ツノガエルを飼育していく上で清潔な環境を維持していくことが最も重要です。
床材に水苔を使っているときは毎週水洗いをして、臭いが強くなってきたら全交換をします。ソイルは週に2回フンを取り除き、3ヶ月に1回は全交換を行います。ウールマットで水に浸っているときはフン量も増えるため、毎日水を交換するようにしてください。
水道水にはカルキが含まれているため、水道水はバケツに入れて日光の下で一日おいておくか、カルキ抜き剤を使って、カルキを抜いておきましょう。カルキの抜き方で紹介しているので、ご参考ください。
多頭飼いには向いていない
ツノガエルは同種のカエルも餌にするほどですので、多頭飼いをすることは出来ません。
口に入らなくても足にかぶりつくことがあり、相手を傷つけてしまいます。
かかりやすい病気
ツノガエルの病気は突然死に注意しなければなりません。突然死は水質の悪化や餌不足によって引き起こされます。
特に多いのが水質の悪化で、カエルを飼うとは環境を飼うとも言われるほど、まわりの環境に影響されやすい生き物です。
体の大半は水であり、皮膚から水をそのまま吸い込むので、水質悪化して酸性化した水を吸収するとすぐに死んでしまいます。こまめな水換えや掃除を心がけましょう。
ツノガエルについてまとめ
今回はツノガエルの種類や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ツノガエルはカエルの中でも飼育しやすく、食べる姿は豪快でありながら、見た目はまるっこくてかわいいので、ペットとして人気があります。
飼育ではケージを清潔に保つことがとても重要になってきます。週に一回は交換をするなど、手間を惜しまないようにしてください。
慣れきたら飼育は難しくありませんので、興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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