クランウェルツノガエルは丸みを帯びた体つきがかわいく、ペットとして人気のカエルです。体が丈夫なので、初心者の飼育にもおすすめです。
今回はそんなクランウェルツノガエルの生態や特徴、寿命、販売価格、飼育環境、餌やりなど飼育方法について紹介していきます。
クランウェルツノガエルの生態と特徴
クランウェルツノガエルの両生網ツノガエル科に分類されるカエルの仲間です。アルゼンチンヤブラジルなどの南米に生息しており、山地にある河川や沼地近くの湿った場所を好んでいます。
夜行性で乾燥している日中はじっとしています。雨の日など湿気ている日は一日を通して活動的になります。それでもほとんど動くことはなく、土に浅い穴を掘って、目の前に獲物が通るのをじっと待っています。餌はコオロギなどの昆虫からネズミなどの小動物など口に入る生き物なら何でも食べます。
鳴き声
クランウェルツノガエルは春の繁殖期になると、オスが夜に鳴き声を出します。鳴き声はそこまでうるさくありませんが、高い音で連続で鳴くため、神経質な方には注意が必要です。
威嚇の時は性別にかかわらず小さい鳴き声を出します。こちらから刺激しなければ鳴くことはないので、気になることはありません。
体の大きさ
クランウェルツノガエルは8cm~12cmの大きさになる中型のカエルです。成長スピードが速く、オタマジャクシから上陸してから1年ほどで最大サイズまで成長するため、骨格形成のためにたくさんの餌を食べます。
寿命の長さ
クランウェルツノガエルの寿命は平均して5年~10年です。ゲージ飼育では運動不足で短命になりやすいです。
クランウェルツノガエルとベルツノガエルの違いは?
※画像はベルツノガエルです。
クランウェルツノガエルとよく似ているカエルにベルツノガエルというカエルがいます。
ツノガエルは鑑賞用カエルの中でもトップクラスの人気を誇っています。
近縁種ということもあり、養殖されている個体は交雑していることがあるので、注意が必要です。
見分けるポイントとしては、クランウェルツノガエルの方がベルツノガエルよりもわずかに目の上のツノが長かったり、口先がシャープになっています。
他にもベルツノガエルよりも茶色がかっていることが多いですが、わずかな差しかないので、違いを見分けるのはプロでも難しいです。
クランウェルツノガエルのモルフ
クランウェルツノガエルは繁殖が簡単であり、世界各地でモルフ(カラーバリーション)を増やすために品種改良が行われています。
特に人気のカラーは淡い緑色が可愛いペパーミントです。
他にもピンク色のストロベリーや薄い黄色のアプリコット、白色のアルビノ、青緑色に近いブルーなどの種類がいます。
全体的に淡い色合いをしており、かわいらしいカラーをしているので、原種だけではなくいろいろと見てみると楽しいですよ。
クランウェルツノガエルの飼育環境
必要なもの
- ケージ
- 水容器
- 床材
- ライト
ケージの大きさ
クランウェルツノガエルはじっとしていることが多いため、ケージの大きさは横幅で体長の倍ほどあれば十分です。
飼育容器は30cm(幅)×30cm(奥行)近くになる熱帯魚用の水槽や爬虫類用のケージを探しましょう。ガラス水槽ならおすすめの30cm水槽で紹介しています。
ケージは脱走しないようにしっかりと蓋をしておいてください。ケージ内の蒸れに弱いので、風通しをよくしてあげましょう。
水容器
クランウェルツノガエルは皮膚から水を吸収するため、全身が浸かる大きさの水場が必要になります。
しかし、ケージ内の湿度が十分であれば、水場に入ることはありません。必要なケージの大きさに対して、水容器の割合が大きくなるため、なるべく湿度を保つようにしてください。
十分な湿度を保てているか自信が無いときは水容器をいれておき、入る様子がなければ外すと良いですよ。
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床材の選び方
クランウェルツノガエルの床材はウールマットや水苔、ソイル、赤玉土などが使用されます。
ウールマットや水苔は掃除のしやすさに優れており、フン量が多いため、清潔な環境を保ちやすいです。2cmほど浅く水を張っておきましょう。
ソイルや赤玉土はクランウェルツノガエルが生息している環境に近く、浅い穴を掘ることで落ち着くことが出来ます。
フン量が多い成長期にはウールマットで掃除のしやすさを重視して、成長してきたらソイルなどの土床に切り替えるといいですよ。
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ライトは観賞用に
クランウェルツノガエルのライトは必要ありません。観賞用にいれたいときは気温が上がらないようにLEDタイプのライトを選びましょう。
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レイアウトはシンプルに
クランウェルツノガエルのレイアウトは底に土を敷いて、そばに水場をおいただけのシンプルなものが好まれます。
実際に土の中に穴を掘って動くことはほとんどなく、石や植物などをいれるメリットはほとんど無いからです。
クランウェルツノガエルの飼育方法
値段と販売場所
クランウェルツノガエルの生体の値段は3,000円~5,000円で販売されています。
人気のカエルなので見つけやすく、爬虫類専門店かネット通販で探してみると良いですよ。
適している温度
クランウェルツノガエルに適している温度は22度~28度です。高温に強いので夏は大丈夫ですが、冬はヒーターが必要です。
ヒーターはケージの下にパネル式のヒーターを敷いて底面を暖める方法がおすすめです。「暖突」を使って空気全体を暖める方法はケージが小さいのでおすすめできません。
パネルヒーターの特徴や使い方については爬虫類におすすめのヒーターで詳しく紹介しているので、ご参考下さい。
適している湿度
クランウェルツノガエルに適している湿度は60%~70%の多湿な環境を好んでいます。
床材が乾燥しないように、毎日2回、朝と夜に霧吹きをしてあげましょう。
餌は昆虫と人工餌がメイン
クランウェルツノガエルの餌はコオロギやデュビア、レッドローチなどの爬虫類専門店で販売されている、生きた昆虫が主食になります。
餌の好き嫌いが激しく、餌を食べない拒食になることがあります。他にもミルワームや和金(金魚)、メダカ、エビなどが市販されているので、食べられる餌の種類を増やしておきましょう。
慣らしていくことでベルツノガエル用の人口餌を食べてくれるようになるので、様子を見ながら与えてみてください。
動いている物しか餌と認識しないため、ピンセットで餌をつかんで、目の前で軽く揺すってあげましょう。
餌の種類や与え方についてはカエルの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
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水換えの方法
クランウェルツノガエルをウールマットで飼育しているときは水換えが非常に大切になります。
水に浸っているカエルは尿やフンの量が多くなり、すぐに水が汚れてしまうからです。
常にカルキを抜いた水道水を用意しておき、3日に1回は全交換をしてあげましょう。カルキの抜き方で紹介しているので、ご参考ください。
かかりやすい病気
クラウンツノガエルがかかりやすい病気として、消化不良から下痢や便秘になることがあります。
気温が低かったり餌の食べ過ぎであることが主な原因です。消化促進のために、30度くらいの水温にした水を用意して、10分ほど温浴させましょう。
他にもお腹にガスが溜まって風船のように膨らむ「風船病」にかかることがあります。風船病にかかったら治るまで餌をあげないようにしてください。
体が丸くて大きいこともあり、状態の悪化に気づかずに突然死することも珍しくありません。水温など環境のチェックと水換えは欠かさずに行っておきましょう。
クランウェルツノガエルについてまとめ
今回は観賞用のカエルとして人気のクランウェルツノガエルの生態と飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ベルツノガエルと比べるとツノが長かったり、顔つきはシャープでキリッとした顔つきになっています。
飼育に関してはほとんど同じで、フンなどをこまめに取り除いて、環境の維持をしっかりとしておけば問題なく飼育することができます。人工飼料を食べてくれるので、飼育しやすいですね。
興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
他のツノガエルについてはツノガエルの種類と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
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