クラウンローチはオレンジと黒のしましま模様がかわいい熱帯魚です。寝ることもあり、珍しい習性を観察できます。
今回はそんなクラウンローチについておすすめの混泳相手や餌、繁殖、寿命など飼育方法を詳しく紹介していきます。
クラウンローチの特徴
クラウンローチはインドネシアなどの東南アジアに生息しているドジョウの仲間です。名前の由来は、clown(クラウン)には道化師という意味があり、擬態が上手なことで名付けられました。ローチとはどじょうのことです。
水の流れが穏やかで、水草が多く、泥池になっている場所を好んで生活しています。下向きについた口先で、泥を漁りながら小型の昆虫食べたり、石に付着した藻類を食べます。
黄色をベースに黒色の帯が入っており、飼育期間が長くなるほど体色は黒ずんできます。水底に生息する魚で、黄色の鮮やかさをもっている熱帯魚は少なく、水草水槽でもしっかりと存在感をだしてくれますよ。
体の大きさ
クラウンローチは20cmを超える中型の熱帯魚で、野生種だと30cm近くになる大型の個体が輸入されてくることもあります。
しかし、成長スピードは遅く、飼育環境下ではここまで大きくなることはなく、15cm前後で成長は止まってしまいます。
寿命の長さ
クラウンローチの寿命は平均して15年です。最長では30年生きることがあります。
かなり長寿な熱帯魚ですので、生涯飼育できる環境をしっかり整えてから初めてくださいね。
性格
クラウンローチは臆病な性格をしているため、土管などの隠れ家でじっとしていることが多いです。
泳ぐのは上手ではないため、落ち着いた環境で飼育してあげましょう。
クラウンローチを巨大化させるには?
クラウンローチは巨大化に成功すると40cmまで成長します。この大きさになるとアロワナなどの大型魚水槽で掃除役として活躍できるようになります。
大きく育てるためには水槽のサイズが重要です。最低でも120cm水槽を用意して広々と泳がせましょう。次に水温は適温より少し高い28度に設定して、食いつきがいい赤虫などの生餌をあげていきます。
しっかりと育てていると5年で20cmまでに成長してくれますよ。ここからゆっくりと成長して7年で30cmになります。
クラウンローチは寝るの?
クラウンローチは横になって寝る習性があります。他の魚が近づいても無視してスヤスヤと眠っているので、はじめて見る方には大丈夫なのかな?と思ってしまうほどです。
環境に慣れてくれている証拠なので、安心して見守ってくださいね。
クラウンローチの種類と仲間
熱帯産のどじょうにはクラウンローチに代表されるボティア属とクーリーローチに代表されるパンギオ属の2種類が中心になります。
パキスタンローチ
分布 | パキスタン |
---|---|
体長 | 7cm |
寿命 | 7年 |
販売価格 | 400円〜600円 |
パキスタンローチは銀色をベースに不規則な黒いラインが入っています。ボティア属のなかでは温和な性格で群泳を好みます。混泳させやすい熱帯魚として人気があります。
ボティアストリアータ
分布 | インド |
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体長 | 10cm |
寿命 | 10年 |
販売価格 | 500円前後 |
ボティアストリアータはクラウンローチで特徴的な横縞の数が非常に多く、細かくはいっています。ボティアの中でもトップクラスの美しさをもっており、人気が高い種類です。
イエローフィンボティア
分布 | タイ |
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体長 | 10cm |
水温 | 24度〜28度 |
寿命 | 10年 |
販売価格 | 1,000円 |
イエローフィンボティアはボティアの中でも大型になる種類で、様々なカラーバリエーションがあるため分類が難しい種類です。
模様はうっすらと入っているだけでほとんど透明になっています。ヒレ先があざやかなオレンジ色でとても美しい熱帯魚です。
クラウンローチの飼育方法
値段や販売場所は?
クラウンローチの値段は400円〜2,000円で販売されています。体の大きさによって値段幅があります。
ホームセンターではほとんど見かけないので、熱帯魚専門店やネット通販を利用しましょう。
必要な水槽の大きさ
クラウンローチは60cm水槽で飼育できます。大型になると30cm近くになりますが、水槽飼育では15cmほどの大きさで止まるからです。飼育数の目安は60cm水槽で3匹です。
水合わせの方法
購入してきたクラウンローチをそのまま水槽に入れると、急激な水質差についていけず、phショックでそのまま死んでしまことがあります。死因で多いため、必ず水合わせしてください。
水合わせの順番
- クラウンローチが入った袋を水槽に浮かべる
- 水温が同じになるのを待つ
- 袋の水を1/3ほど捨てて、水槽の水を足す
- 15分おきに上の作業を4回繰り返す
- クラウンローチを水槽に入れる
適した水温と水質
クラウンローチに適した水温は25度〜28度を好みます。低水温に弱いので、水温が25度を下回る秋から水槽用のヒーターを用意しましょう。
水質はph6.0〜6.5の弱酸性を好みます。
水質にうるさい魚ではないですが、導入初期は白点病にかかりやすいの注意して観察しましょう。特に水温の変化が激しい季節や、発熱する電化製品の近くに水槽を置かないようにしてください。
週に1回は1/4ほど水を交換してあげてくださいね。
レイアウトは隠れ家を用意する
クラウンローチは臆病な性格のため、小さい水槽での単独飼育ではなく、5〜10匹ほどで群泳させると喜びます。
仲間がいると安心して、水槽の前に出て元気に泳ぎ回るようになりますよ。反対に単独飼育にすると奥に隠れてなかなか姿を見せてくれません。
水草や石、土管は隠れ家にもなるのでぜひいれてあげてくださいね。
おすすめの餌や与える量は?
クラウンローチは水底に落ちた餌を食べてくれるので、水槽の掃除屋として重宝します。
餌はイトミミズやアカムシなど生き餌を好みますが、タブレットや沈下性の人工飼料もしっかりと食べてくれます。水槽に繁殖するスネール(貝)も大好物で、退治役としても人気がありますよ。
体調不良で痩せてしまった個体には、食いつきが抜群のブラインシュリンプをあげてください。
餌の頻度は週に1回、1〜2分で食べきれる量を与えてくださいね。餌不足になると葉が柔らかい水草を食べてしまうので、注意してください。
色が薄い原因
クラウンローチはストレスや体調不良で色が薄くなることがあります。
ストレスの原因は水質悪化や混泳相手からいじめられていることがほとんどです。単独飼育に切り替えて、落ち着けるように隠れ家や底砂を敷き、水槽の水換えをすれば戻りやすいです。
環境のチェックや餌に大好物の冷凍赤虫を与えて様子を見てください。
かかりやすい病気
クラウンローチはあまり病気にかからない熱帯魚ですが、導入初期は白点病にかかることがあります。症状を見つけたら、水温を28度前後と高くしてグリーンFで薬浴してあげましょう。
他にも餌不足で痩せて元気がなくなりやすいです。特にどじょうの仲間は一度痩せてしまうと元にもどすのが大変なので、こまめに体調はチェックしてあげてくださいね。日々の換水でほとんどの病気を予防することができますよ。
クラウンローチの繁殖方法
クラウンローチは繁殖が難しい熱帯魚です。卵を産みやすい成熟個体は30cm前後であり、親を用意するのが大変です。また雌雄の判別が難しく、ペアもできにくいので、複数飼育しておいて気長に待ちましょう。
90cm以上の水槽を用意して、クラウンローチがしっかりと成熟できる環境を整えましょう。成熟した親を準備できたら難易度がかなり下がります。
1度の産卵で100〜300個ほど卵を産んでくれますよ。
クラウンローチにおすすめの混泳相手
クラウンローチは温和な性格なので多くの熱帯魚と混泳ができます。
しかし、体が大きくなると、小型魚を捕食する危険性が出てくるので注意してください。小さいうちは金魚やネオンテトラ、グッピーと混泳ができます。
同じ底砂で生活するコリドラスやヤマトヌマエビとは小競り合いもなく混泳することができますが、クラウンローチは餌を食べるのが上手なので、餌不足にならないように注意してください。
体が大きくなってくるとエンゼルフィッシュ、ディスカス、ポリプテルスセネガルスやポリプテルスデルヘッジ、小型のスネークヘッドと混泳することができますよ。成長スピードに合わせて混泳相手を変えてあげてくださいね。
クラウンローチについてまとめ
クラウンローチは大型魚水槽の水底の掃除役として導入されることが多い熱帯魚です。
しかし、水底に横たわって寝るといった珍しい習性をもっており、単独で飼育しても鑑賞していて楽しい熱帯魚です。
体が丈夫で飼育は難しくないので、興味を持たられた方は、ぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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