グリーンパイソンは木の枝で作り出す独特なとぐろの巻き方と大きな頭部、綺麗な緑色が人気のヘビです。それでも気性は荒く、飼育にはコツが必要です。
今回はそんなグリーンパイソンの生態や特徴、毒性の有無、ケージの大きさ、餌やりの注意点や拒食など飼育方法について紹介していきます。
グリーンパイソンの生態と特徴
グリーンパイソンはニシキヘビ科オマキニシキヘビ属に分類されるヘビの仲間です。ニューギニアやオーストラリア北部などの赤道が近い暖かい地域に生息しています。
湿気の多い森林地帯を好んでおり、地表に降りることはほとんどありません。夜行性のヘビで、木の上で獲物になる鳥やヤモリをじっと待っているため、日中はほとんど動きません。
木の枝につかまって、独特な姿でとぐろを巻くことが有名になっています。このとぐろの巻き方をしていることで、頭部が素早く伸ばせるようになっており、目の前を通った獲物に飛びかかるように、枝からジャンプすることができます。
牙に毒性はありませんが、長くて鋭い牙で獲物の体に突き刺さります。一度噛みつかれると逃げることはできず、そのまま丸飲みにしてしまいます。
体の大きさ
グリーンパイソンの大きさは160cm〜200cmほどになる中型のヘビです。
寿命の長さ
グリーンパイソンの寿命は平均して10年です。飼育下では湿度や温度の調整が難しく、これよりも短命になりやすいです。
グリーンパイソンのモルフ(種類)
グリーンパイソンは子供の頃は黄色や赤色をしており、成長するにつれて緑色になっていきます。このことから色素を豊富にもっていることがわかり、モルフ(カラーバリエーション)の開発も積極的に行われてきました。
もともと、ほどんと動かない生き物なので地域別の交雑が少なく、産地別のモルフも特徴的でコレクション性が高いです。
人気のモルフは全身が黄色をベースに茶色い斑点模様が入っているビアク産、緑色をベースに背骨のラインに白い斑点模様があるアルー産、青色に突然変異したブルーコンドロなどがあります。自分の好みにあった1匹を探してみてくださいね。
グリーンパイソンの飼育環境とケージ
グリーンパイソンは木の上で生活する特殊な生態から、ケージも他の爬虫類とは異なるレイアウトが必要です。ケージの大きはそこまで必要はありませんが、初期費用では5万円ほど見ておく必要があります。
ケージの大きさ
グリーンパイソンは木の上でじっとしていることが多いため、高さのあるケージを用意して、横幅はあまり必要になりません。横幅はとぐろの2倍、高さはとぐろの3倍以上必要です。
最終的には45cm(横幅)×45cm(奥行き)×60cm(高さ)のケージを用意すればいいですよ。爬虫類専用ケージとして有名なグラステラリウムだと4560が目安です。
飼育ケージには止まり木が2本必要になるので、市販のケージだと自分でカスタマイズする必要があります。手間な時は専門業者にオーダーメイドで依頼をしましょう。値段は1万円〜2万円で製作してくれますよ。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは必要ない
グリーンパイソンは夜行性のため、バスキングライトや紫外線を含んだUVライトを必要とはしていません。
それでも自然環境下では多少の紫外線を浴びているため、観賞用として点灯する場合には、少量の紫外線を含んでいる照明を使うといいでしょう。直接光を浴び続けるとストレスになるため、日陰をつくってあげてください。
床材の選び方
床材は湿度を保てるヤシガラマットやウッドチップが見栄えがよくておすすめです。見た目を気にしなければ、ペット用のシートや新聞紙を敷くことで簡単にフンの交換ができるので衛生的です。
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水容器
グリーンパイソンは水容器で水浴びをしたり、飲み水として使うことはありませんが、高い湿度を好んでいるので、浅くて大きな水容器を入れることで、ケージ内の湿度を高める必要があります。
大きな水容器を入れる時は、フンも水容器の中に落ちるため、床材を入れる必要はありません。ベビーの頃は管理しやすいように、虫かごなどの小さいプラスチックケースに割り箸で止まり木を作り、底に水を張っておいておきます。
普段は木の上で葉っぱに溜まった水をを飲み水として使うため、毎朝1回、霧吹きでガラス面を湿らせておきましょう。
レイアウトはしっかりとした止まり木を設置
グリーンパイソンは木の上で生活しているため、胴体と同じくらいのしっかりとした太さの止まり木を地面と平行に、1本か2本入れておく必要があります。アクリル製のしっかりとした棒が使われることが多いです。
2本入れておく理由は、樹上性のヘビはより高いところに登ろうとするため、一番上にある枝にたどり着くために、中継地点として使います。一番上の枝は下から2/3ほどの高さに設置しておきましょう。
枝はヘビの重さで倒れないように、強力な接着剤を使うかネジで外部から固定してください。
グリーンパイソンの飼育方法
グリーンパイソンは湿度の管理が手間であったり、定期的に拒食したり、気性も荒いので、初心者向けのヘビではありません。爬虫類の飼育に慣れてから挑戦してください。
値段と販売場所
グリーンパイソンの値段は基本種で2万円〜3万円、珍しいモルフだと15万円前後になります。
珍しいヘビではありませんが、飼育が難しいため、販売量は多くありません。気温が暖かくなる4月頃から入荷されてくるので、爬虫類専門店で探してみましょう。爬虫類は対面販売が義務付けられているため、ネット通販で入手することはできません。
ハンドリングはできない
グリーンパイソンは攻撃性が強く、鋭い牙を持っているので、ハンドリングには向いていません。手を近づけると噛み付いてくることが多いです。
どうしてもハンドリングしたい時は、革手袋など歯が通らないように安全対策をしっかりとしてから行いましょう。ヘビの飼育に慣れた方であれば、素手でハンドリングをしていることもありますが、初心者が真似してはいけません。積極的にハンドリングをしたい人は飼育しないことをおすすめします。
ケージを掃除するときはスネークフックを使うと安全です。
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飼育に適している温度
グリーンパイソンに適している温度は27度〜32度と高温を好みます。
ヒーターは空気中を温められるようにケージの上部に「暖突」を設置してください。温度が足りないようなら遠赤外線ヒーターも設置します。ケージ内部に入れると巻きついて火傷する可能性があるため、ケージの外から照射します。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
飼育に適している湿度
湿度も70%〜80%と多湿を好みます。夏には毎日1回霧吹きを、冬には朝と夜に2回霧吹きをします。湿度が低いと脱皮不全の原因にもなるので、毎日湿度をチェックしてください。ケージ内の蒸れには弱いので、風通しがいい環境を用意してあげてくださいね。
餌はピンクマウスがメイン
グリーンパイソンの餌は入手が簡単なピンクマウスを主食に、ウズラやヒヨコなどの鳥類を与えます。野生種は鳥類を食べており、ピンクマウスの餌付けには時間がかかることがあります。初心者は最初からピンクマウスに餌付いている個体を選ぶといいでしょう。
餌を与える時は、ヘビの口を傷つけないように木製で先端が丸いピンセットを使ってください。ピンクマウスを40度のお湯で解凍して、水気を拭き取ります。ピンセットでマウスを掴み、頭部から飲み込めるように、ヘビの頭の前でちらつかせます。
餌の頻度はベビーの時は毎日食べられるだけ与えて、大人になっても2日に1回は与えます。拒食になりやすいヘビなので、食べられる時に餌を与えておきましょう。
蛇の餌についてはヘビにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
グリーンパイソンについてまとめ
グリーンパイソンは特徴的なとぐろを巻く姿と攻撃的な性格、強烈な顔つきから野生的なヘビらしさを求めた熱狂的なファンがたくさんいます。
飼育は難しく、湿度管理や餌の拒食への対応、ハンドリングはさせてくれないなど、飼育者を悩ますことが多いです。それでも野生的な姿を観察していきたいという人にはおすすめの1匹ですので、爬虫類の飼育に慣れてきたら挑戦してみましょう。
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