アブラハヤは山で川釣りをする人の間ではよく知られている魚で、子供の時の川遊びでもみかけることがよくある川魚です。
今回はそんなアブラハヤについてその生態や寿命、体の大きさ、適している水質など飼育方法について詳しく紹介していきます。
アブラハヤの生態と特徴
アブラハヤはコイ科に属している日本の川魚です。体に油をぬったようなヌメリがあることから名付けられました。地方によってはヌメッチョとも呼ばれています。
生息地は日本の福井県から岡山県の間、海外だと朝鮮半島や中国です。川の上流部の冷たい水を好んでおり、水が綺麗で流れが穏やかな場所を好んでいます。
体の側面にはっきりとした黒色の帯が入っており、体の上半分は銀色、下半分は白っぽくなっています。鱗が小さく、光が当たることでキラキラと輝いているように見えます。
体の大きさ
アブラハヤの大きさは性別によって異なります。メスは15cmほどになり、オスは13cmほどで止まります。最大だと17cm近くの大きさになります。
寿命の長さ
アブラハヤの寿命は平均で3年〜5年です。体が丈夫なので、水槽飼育では長生きさせやすいです。
繁殖の時期
アブラハヤの繁殖時期は気温が暖かくなる4月〜7月の時期になります。
婚姻色として元の銀色の部分が少しだけ黒っぽくなりますが、ほとんど見分けはつきません。メスの口先はヘラのように少しだけ反り返っており、それで細かい底砂に穴を掘って、産卵を行います。
アブラハヤとタカハヤ、ウグイとの違い
タカハヤはアブラハヤと体型が似ており、間違えられることがよくあります。最も簡単な見分け方は体色の違いで、アブラハヤには綺麗な黒い縦縞がありますが、タカハヤにうっすらと不明瞭な黒帯になっています。他にも見分けにくいですが、タカハヤの方が尾柄が高かったり、鱗が大きいです。
ウグイはアブラハヤと同じように黒の帯が入っていますが、体の上半分も黒く、その境目ははっきりとしていません。体の下半分は少しだけ赤くなっているので簡単に見分けることができますよ。
アブラハヤの釣り方
アブラハヤは日本でメジャーな川魚ですので、綺麗な河川が近くにあるなら、ぜひ釣りに行ってみましょう。
アブラハヤなどの小型の川魚を釣るときは、竿と糸、浮き、3号前後の小さい針のシンプルな釣竿を用意すれば釣ることができます。
餌には釣具屋さんで販売されている小さいミミズやカワムシ、河原にいるカゲロウなどを使いましょう。
繁殖期の4月頃から活動が活発になるので、餌の時間である朝の5時くらいに、綺麗な川の上流に探していってください。流れが穏やかな場所で遊んでいることが多いですよ。
野生種は寄生虫を持っていることがあるので、飼育をしたいときはそのままメイン水槽に入れずに、1週間ほど別の水槽で飼育して様子を見てください。
アブラハヤの飼育方法
アブラハヤは水温を低めにして、新鮮な水を保っていれば飼育は難しくありません。初心者にもおすすめの淡水魚です。
値段と販売場所
アブラハヤはホームセンターやネット通販で3cmほどの稚魚が1匹400円前後の値段で販売されています。
人気の魚ではないので見つけるのは少し大変です。川魚の販売に力を入れているペットショップを探してみてください。
水槽の大きさと周辺設備の選び方
アブラハヤは60cm水槽から飼育することができます。遊泳力があるので、可能であれば90cm水槽の広々とした水槽で群泳させるのがおすすめです。
綺麗な水を好んでいるので、ろ過能力が高い上部フィルターを設置して、毎週スポンジを掃除してあげましょう。酸素量がたくさん必要なので、様子を見ながら投げ込み式フィルターをいれてください。
暗い環境で飼育していると体色が薄くなってしまうので、照明は光量が強い2灯式を使ってくださいね。
飼育に適している水温と水質
アブラハヤは低水温を好んでおり、17度〜20度を保つ必要があります。
冬場は水が凍らなければ越冬をすることもできます。鑑賞をするのであればヒーターをいれておいてください。水温管理が難しいのは夏場ですが、酸素量を多くして水量を強くすれば28度前後の環境でも耐えることができます。しかし、様子を見ながら冷却ファンをいれてあげることも検討してください。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
水質は弱酸性から中性を好んでいるため、水道水をそのまま使うことができます。新鮮な水を好んでいるため、週に1/3ほど水換えを行ってあげてくださいね。
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レイアウトは河川をイメージして石組みを
アブラハヤは水が綺麗な清流に生息しているので、その環境を再現してあげましょう。
少し大粒の川砂を底に敷いて、背景には石組みをしてあげてください。酸素量を豊富にして、横の水流を強くしてしっかりと運動できるようにしてあげてくださいね。
水草は抜けてしまうので、わざわざ入れる必要はありません。
餌は人工餌がメイン
野生のアブラハヤは口に入る大きさの生き物はなんでも食べるほどで、水生昆虫や小魚を餌にしています。
飼育下では川魚の人工餌をメインに与えましょう。野生種だと最初は食べないことも多く、冷凍赤虫や冷凍イトメなどの生餌を用意する必要があります。最終的には慣れてきて人口餌も食べてくれるようになります。
底砂に落ちた餌は食べないので、餌を一度にあげすぎないように注意してください。
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混泳にむいている?
アブラハヤはおとなしい性格をしており、混泳相手を攻撃することはなく、混泳しやすい魚です。
しかし、泳ぐスピードが早いので、金魚など泳ぎが苦手な魚と一緒にすると餌を横取りしてしまいます。ミナミヌマエビやメダカといった口に入る大きさの生き物も混泳には向いていません。
おすすめの混泳相手は同じ清流に生息するカワムツ、ウグイ、オイカワなどの日本の川魚です。食べ残しの掃除役であればカマツカやヨシノボリがおすすめです。どの魚も銀色の体色がベースになっており、清流レイアウトがよく似合いますよ。
かかりやすい病気と治療方法
アブラハヤは他の魚よりも活発に泳ぎ回ることから、体のスレ傷が多く、白点病や水カビ病などの感染症にかかることがよくあります。
白点病は全身が白い点々に覆われる病気で、水温変化で弱っているときにかかりやすくなります。感染力が強いので、発症した個体はすぐに別の水槽に隔離してグリーンFリキッドで1週間薬浴してください。
水カビ病は体表に白いワタのようなものが付着する病気で、水質悪化で発生した細菌がスレ傷に寄生することが原因です。塩浴で治療できるので、水1リットルに対して3gの食塩水を用意して1週間ほど飼育してください。
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アブラハヤについてまとめ
アブラハヤの生態と飼育方法についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
日本の清流レイアウトは癒しそのものであり、それを自宅の環境でも用意できるのはとても素晴らしいことです。アブラハヤはそんな水槽を元気いっぱいに泳ぎ回ってくれる主役として飼育者さんを楽しませてくれますよ。
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