アルバーティスパイソンは極めて気性が荒い性格から、初心者向きではありませんが、その野性味と美しい体色からマニアには圧倒的な人気があります。
今回はそんなアルバーティスパイソンの生態や特徴、性格、販売場所、床材、寿命など飼育方法について紹介していきます。
アルバーティスパイソンの生態と特徴
アルバーティスパイソンはニシキヘビ科シロクチニシキヘビ属に分類されるヘビの仲間です。インドネシアやオーストラリア、ニューギニアなどの草原地帯や森林に生息しており、高温多湿な環境を好んでいます。木の上にはほとんど登らず、地表を素早く動き回ることが出来ます。
正式名称はシロクチニシキヘビといい、ホワイトリップパイソンとも呼ばれています。これは口が白いことが由来になっています。
最大の特徴は野生の生き物とは思えない、派手な体色をしていることです。明るい茶色をベースに、背中の部分にうっすらと黒色や青色が入っており、ツヤがあります。
攻撃的で気性が荒い性格の個体が多く、人慣れすることはほとんどありません。手を近づけると噛みついてくるのが常ですので、鑑賞を楽しむペットとして飼育してください。
体の大きさ
アルバーティスパイソンの体長は180cm~250cmになります。ペットとして飼育する蛇の中では大型になります。
寿命の長さ
アルバーティスパイソンの寿命は平均して20年~25年と、かなり長寿です。
アルバーティスパイソンの種類
アルバーティスパイソンには大きく分けて2種類います。
頭部には黒色に青色が混ざっており、腹部は茶色で背部は黒くなっているノーザンと、背部が真っ黒になっているキミカブラックがいます。
キミカブラックの産地はニューギニア南部に限定されます。ノーザンよりも一回り大きいですが、大人しい個体が多く、ハンドリングできる可能性があります。あくまで可能性ですが・・。明るい茶色はないので、体色の好みは分かれます。
アルバーティスパイソンの飼育に必要な設備
アルバーティスパイソンは大型のヘビですので、飼育設備もそれなりに大きく、初期費用では7万円ほど見ておく必要があります。
ケージの選び方
アルバーティスパイソンのケージは床面積の広さが大切です。普段はとぐろを巻いており、動かないので、体の大きさほど大きなケージは必要ありません。
最終的には、ケージの大きさは120cm(横幅)×60cm(奥行き)×45cm(高さ)が必要になってきます。
この大きさのケージは市販になりので、自作するか特注する必要があります。飼い主に向かって噛みつくために、突進してくることがあり、その反動でケージが壊れることがあります。自作の経験が無い人はちゃんと特注した物を用意しましょう。
幼体の頃は広すぎるケージにストレスを感じさせないように、小さいケージを使います。おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは観賞用に
アルバーティスパイソンは夜行性なので、バスキング用の照明や紫外線を含んだUVライトは必要ありません。観賞用に蛍光灯を入れておくと良いですよ。
床材の選び方
アルバーティスパイソンは多湿な環境を維持しなければならないので、床材には保湿性が高いヤシガラマットを使います。フンや尿をしたらこまめに交換するようにしてください。
多湿な環境での床材は細菌が繁殖しやすいため、半年に1回はすべての床材を交換します。
商品情報と価格をチェック
水容器
アルバーティスパイソンは水浴びが大好きなので、全身が浸かる大きさの水容器を用意します。水容器の大きさはとぐろを巻いたときにぴったりはまる大きさにすることで、落ち着いて水浴びすることが出来ます。
飲み水としても使いますので、毎日交換して、新鮮な状態を保ってくださいね。
アルバーティスパイソンの飼育方法
アルバーティスパイソンは性格が荒かったり、多湿な環境を準備する必要があったりと、飼育は難しく、初心者向きとは言いがたいペットです。
値段と販売場所
アルバーティスパイソンの値段は2万円~5万円です。
絶滅が危惧される生き物としてサイテス2に登録されており、野生種が入荷されることはほとんどありません。販売されている個体は、海外で養殖されたCB個体が多いです。CB個体でも気性が荒いことには変わりありません。
気性が荒いことから販売数は少なく、爬虫類専門店でもなかなか見つかりません。4月から入荷数が増えてくるので、こまめに通ってみましょう。
時期が合えば日本全国で行われており、ペット即売会のイベントに行くことをおすすめします。ヘビだけで無く、小動物や爬虫類など珍しい生き物がたくさん販売されているので、お気に入りの1匹が見使える可能性が高いですよ。
ハンドリングは出来るの?
アルバーティスパイソンは荒い性格で、頻繁に飼い主に噛みつこうとしてくるので、ハンドリングはできません。常に警戒態勢?と思うほど、よく噛みついてきます。
この手のヘビを飼育する人は、噛まれてなんぼで、その手の傷跡がヘビとしっかり向き合っている証でもあります。ただ、噛まれるとかなり痛く、歯形から出血します。ケージの中に手を入れるときは、スネークフックを使うか、革手袋をして安全対策をしっかりとしておいてくださいね。
飼育に適している温度
アルバーティスパイソンに適している温度は28度~32度と高温を好みます。
飼育するときは、必ず温湿度計をいれて、温度と湿度を毎日確認してください。
夏でもヒーターをいれて、28度以下にならないようにしておきます。ケージが大きいため、暖房効率が良い「暖突」とパネルヒーターで底面からも暖めます。電気代を考えると、エアコンで温度管理をする方が電気代が安くなることが多いです。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
飼育に適している湿度
適している湿度は60%~70%と多湿な環境を好んでいます。
毎日、朝と夜に霧吹きをして、湿度を保つようにしてください。冬は乾燥しやすいので特に注意が必要です。
多湿な環境を作り出さなければなりませんが、蒸れは苦手なので、風通しがいい環境を準備してくださいね。
餌はマウスがメイン
アルバーティスパイソンの餌はマウスが主食になります。マウスはヘビに必要な栄養をすべてもっているので、これだけで生涯飼育することができます。
マウスの大きさは体の胴体部分と同じ太さが目安です。大きかったり小さいと飲み込もうとしないので、多くのサイズを用意して、どれを食べるか試していきましょう。
冷凍マウスを与えるときは、ビニール袋に入れて35度のお湯で芯までしっかりと解凍します。その後、水気を拭き取ってピンセットで口元まで持っていって食べさせます。
餌の頻度は成長期のベビーの頃には3日に1回与え、大人になると肥満予防のために、3週間に1回まで減らします。
ヘビにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
アルバーティスパイソンについてまとめ
今回はツヤの明るい体色が圧倒的なかっこよさを誇る、アルバーティスパイソンについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
見た目は抜群にかっこいいのですが、多湿な環境が必要であったり、攻撃的であったり、飼育難易度はなかなか高く初心者におすすめではきません。それでもペットとして飼育していくためには、お気に入りの子を選んで欲しいので、それが理由で飼育をしないのは残念です。
興味を持たれた方は、実際にペットショップでアルバーティスパイソンを観察してみて、性格も含めて飼育できるかどうかチェックしてみることをおすすめします。
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