マダライモリは緑色と黒色の斑点模様が美しいイモリです。普段は陸上生活ですが、繁殖期には水中生活になったりと、面白い生態を見せてくれます。
今回はそんなマダライモリの特徴や混泳方法、レイアウト、値段、餌やりなど飼育方法について紹介していきます。
マダライモリの特徴
マダライモリはイモリ科クシイモリ属に分類される両生類です。生息地はスペインやフランスなどのヨーロッパです。
森林地帯の水辺近くに生息しており、普段は落ち葉の下や岩陰に隠れています。夜行性で夜になると、餌となる昆虫を探して動き回ります。
体色は明るい緑色をベースに茶色や黒色の斑点模様があります。背中にはオレンジ色のラインがあり、とても派手な体色をしているイモリです。
上陸後の成体は水で溺れる
マダライモリは幼生の頃は水中で過ごす水棲の生き物ですが、成体になると上陸して陸棲の生き物へ変わります。
マダライモリの成体は泳ぐのが苦手なので、水深が深い場所では溺れてしまいます。しかし、多湿な環境を好んでいるため、水辺付近に生息してします。
体の大きさと成長速度
マダライモリの大きさは12cm~17cmです。他のイモリと比較すると腹部が大きくなり、がっしりとした印象を与えます。
マダライモリの幼生は生後2~3ヶ月で5cmほどに成長すると、成体になり上陸します。ここから1年で10cmを超えて生後2年で成長は止まります。
寿命の長さ
マダライモリの寿命は平均して15年~20年です。野生では天敵が多いので、寿命よりも前に死ぬことが多いです。ストレスや病気に強いため、飼育下では長生きさせやすいです。
マダライモリの飼育環境と必要なもの
必要なケージの大きさ
マダライモリの飼育容器は熱帯魚用のガラス水槽を使います。繁殖期にクレストが出てくると、水位を深くしないといけないからです。
飼育容器の大きさは最低でも45cm水槽が必要です。多頭飼いをするときは60cm水槽を用意して、飼育数は4匹が目安です。
前開きのケージを使用したいときはおすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
おすすめの床材とお手入れ
マダライモリの床材は湿らせた赤玉土や水苔を使います。床材の誤飲が多いため、飲み込める大きさの砂利は危険です。
床材についたフンはこまめに取り除き、3週間に1回は全交換してください。環境の悪化は非常に危険で、マダライモリは皮膚からまわりの水分を吸収するため、フンなどで汚れていると自家中毒で重い病気なるため注意してください。
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水槽の蓋
水槽で飼育をするときは、脱走防止のために蓋が必要です。蓋はガラス製ではなく、通気性が高いメッシュ式のものを選んでください。
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レイアウトは陸地と水場を用意する
マダライモリのレイアウトはほとんどが陸地です。
水槽にそのまま水を入れて端っこだけ水場にすると綺麗ですが、水換えが大変です。最初は水換えをしやすいように、タッパを使うと便利です。溺れないように、水位は3cm~4cmにしておき、フチが浅いタッパを選びましょう。
繁殖期に入り、クレストが大きくなってきたら、徐々に水位を上げていきます。一気に水位を上げると溺れてしまうので、自分から入水できるように陸地と水場を半々にするなど調整していきます。
マダライモリの飼育方法
マダライモリは水質の悪化に注意して水換えをしておけば元気に育ってくれるため、飼育しやすい生き物です。
値段と販売場所
マダライモリの値段は5,000円~10,000円で販売されています。体の大きな成体や美しい体色の個体だと15,000円~20,000円まで値段は上がります。
気温が暖かくなる4月から入荷量が増えてきます。ホームセンターではあまりみないため、爬虫類ショップに探しに行きましょう。
飼育に適している温度
マダライモリに適している温度は22度~28度と適応範囲は広いですが、低い温度を好んでいます。
冬の温度対策は爬虫類のヒーターであるパネルヒーターをケージの底面や側面に貼り付けて、保温してください。
陸上生活では暑さに強いため、夏の温度対策はほとんど必要ありません。しかし、水中生活のときは高温に弱いです。繁殖のために入水しているときは、冷却するためにエアコンをつけてあげましょう。
混泳の方法
マダライモリは混泳に向いていません。
肉食性が強く、メダカや小型熱帯魚など口に入りそうな生き物は食べてしまいます。また、適している水位が異なるので飼育環境が合いません。
混泳は難しいですが、多頭飼いには向いています。マダライモリ同士で飼育するときは、共食いをしないように体の大きさが同じくらいの個体を選びましょう。
マダライモリにおすすめの餌
マダライモリは餌の好き嫌いが少ないため、餌やりは比較的簡単です。
餌は赤虫がメイン
マダライモリの餌は冷凍アカムシをメインに与えます。ホームセンターや熱帯魚専門店で簡単に入手することが出来ます。
餌を与えるときはピンセットを使って、目の前でゆらして食いつくのを待ちます。慣れてくるとエサ皿に置いておけば、食べてくれますよ。
人工飼料も食べてくれるので、ふやかした食べやすくしたレプトミンを与えてみましょう。
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与える餌の量と頻度
マダライモリは与えるだけ餌を食べようとするので、餌の量には注意しないといけません。消化能力が低く、餌を食べ過ぎると体調を崩してしまいます。
餌の量の目安はマダライモリの頭部よりも少し小さいくらいです。餌の頻度は週に2回程度に抑えておきましょう。
拒食したときの対策
マダライモリが拒食をしたときは、最初に温度が高すぎないか、床材が汚れて体調を崩していないかチェックしてください。
元気そうであれば、生き餌のデュビアやレッドローチなどのゴキブリ、コオロギ、ミルワームを与えてみます。活きている昆虫が大好物なので、目の色を変えて追いかけてくれる可能性が高いですよ。
マダライモリの繁殖方法
成熟したマダライモリは水温が下がる11月頃から繁殖期に入ります。生後2年~3年で繁殖が可能となり、繁殖期になると産卵のために入水して水棲に変わります。
メスは水草に100個~200個の卵を植え付けます。
雌雄の判別方法
マダライモリの雌雄判別は簡単です。
オスのマダライモリは水棲になると、背中にあるクレスト(オレンジのライン)が伸びてきて、魚の背びれのようになります。メスにクレストはなく、オスはこのクレストを使ってメスにアピールを行います。
繁殖期が過ぎると、オスとメスは上陸して陸棲に戻ります。
繁殖に必要な環境
マダライモリが陸棲から水棲に切り替えられるよう、1つの水槽で両方の環境を用意しておきます。水棲に切り替わったら陸地はいらないので、無くしても大丈夫です。
水位は20cmほどにしておき、水の中に産卵用のアナカリスやカボンバを入れておきましょう。底砂を敷いておき、歩き回れるようにしてください。
オスのクレストが短くなり始めたら繁殖期の終わりが近いため、陸地を作り、陸棲に戻る準備をしておきます。
幼生の育て方
マダライモリの幼生は水棲なので、水中で飼育します。
小型の水槽に、水流が弱いエアレーションと水草を入れておきましょう。最初の1ヶ月~2ヶ月の餌はブラインシュリンプを与え、体が大きくなったら切り刻んだ冷凍アカムシを与えます。鰓がなくなってきたら上陸が近いため、陸地部分を用意してあげましょう。
マダライモリについてまとめ
マダライモリは派手な体色が特徴的なイモリです。繁殖期にはクレストが大きく伸張したり、同じ生き物とは思えない変わった姿を見せてくれます。
飼育の際には水質や床材の環境悪化に注意しておけば、問題なく飼育が出来ます。餌には冷凍アカムシをメインに与え、たまにコオロギなどの生き餌を与えて、捕食するシーンを楽しみましょう。
興味を持たれた方は是非飼育に挑戦してみてくださいね。