メダカにとって水草は生活していくうえで欠かせない存在になっています。また観賞魚としても水草の中を優雅に泳ぐメダカはかわいらしく、時にびっくりして水草に隠れたり、いろんな表情を見せてくれるようになります。
今回はそんなメダカの水草について初心者におすすめの丈夫な種類や人気の種類、冬を越すことができる種類など紹介していきます。
メダカの水草の役割は?
メダカの水槽に水草を入れておくと、次の5つの効果があります。
チェックポイント
- 混泳相手から追われたときの隠れ家
- 産卵をする
- 稚魚の隠れ家
- 水の浄化作用
- 酸素の供給
メダカは臆病な性格をしているため、隠れ家が必要です。水草をいれておくことで、ストレスなく安心して生活することができます。
さらに、水草は飼育水をきれいにする力を持っており、残り餌やフンなどの汚れでたまった過剰な養分を吸収して成長してくれます。
他にも光合成によって酸素を増やしてくれるので、エアレーションなしで飼育する時は重要な役割を果たしてくれますよ。
メダカは水草なしでも飼育できる?
メダカは水草を入れなくても飼育することができます。
水草の大きな役割は酸素供給と水の汚れの除去ですので、水が汚れにくい環境なら水草は必要ありません。大きな水槽で少数のメダカを飼育していたり、水替えを頻繁に行えば大丈夫です。
水草を入れておいたほうが飼育が楽になるから、という意味で入れることが多いのです。
メダカの水槽の大きさと飼育数の目安についてはメダカの水槽の選び方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
メダカの水草の植え方
水草を水槽に入れるときは、寄生虫やヤゴなどがついている可能性があるので、水道水で綺麗に洗い流します。余裕があれば1週間ほど別の容器で様子をみてください。
次に枯れている部分を切り捨てます。放置していると水質悪化の原因になります。
レイアウトは前に背丈が低い水草をいれて、後ろの背丈が高い水草を入れるのが基本になります。抜けないように4cmは砂の中に埋め込みます。屋外飼育だと特にレイアウトにはこだわらないときは、そのまま水槽にいれておけば大丈夫ですよ。
メダカに適切な水草の量は?
水草の量はあまり入れすぎず、メダカの泳ぐスペースを十分にとってあげれるくらいにしておきましょう。
10匹ほどだと室内飼育では水中植物を5本、屋外の飼育だと水面の1/2程度が埋まる量におさえておいてくださいね。
メダカの水草の種類は?
水草は大きく分類して5種類にわけることができます。屋内では鑑賞によい水中植物、屋外では丈夫な浮遊植物が人気です。
水中植物 | 完全に水の中で成長する植物 |
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浮遊植物 | 完全に水に浮いている植物 |
浮葉植物 | 水底に根を張り、水面に葉をだす |
抽水植物 | 水底に根を張り、茎や葉が水面に出ている |
湿性植物 | 水辺に生息している植物 |
メダカに適している水草の選び方
メダカの水草の選び方で最も重要なのは飼育が簡単な水草を選ぶことです。
基本的に水草は育てるのが難しく、光合成のための二酸化炭素や日光、肥料など枯らさないために多くの条件をそろえる必要があります。
次の3つをベースに選べば問題ありません。ショップで安価に販売されている水草はだいたい飼育が簡単なので、最初はそれらを検討するといいですよ。
チェックポイント
- 飼育が簡単な水草を選ぶ
- 低水温や高水温に適応する
- メダカの産卵に使える
- メダカの隠れ家になる
それではメダカにおすすめの水草を室内と室外に分けて紹介していきます!
メダカの室内飼育でおすすめの水草
室内の水草飼育は日光が弱くなるため、日光量が少なくても育ちやすい丈夫な種類を選ぶといいでしょう。
特に横からの鑑賞になりますので、見た目も大切で、緑の発色がきれいなものを選んでくださいね。
マツモ
マツモは砂に植える必要がなく、水に浮かべておくだけで成長してくれます。丈夫でほとんど枯れることもありません。もし、葉が茶色になって枯れてしまうときは光量不足なので、日光が当たる場所においてあげてください。
メダカが卵を産み付けるための産卵床としてぴったりの水草で、細かい葉の隙間がメダカの稚魚の隠れ家にもなります。初心者にとてもおすすめの水草です。
カボンバ
カボンバはキンギョモとしても売られている、初心者向けの水草です。マツモよりも葉の量が多いので、水草の量に厚みが出て、水草レイアウトとしての魅力が高まります。
マツモよりも飼育が難しく、光が弱い場所だとすぐに枯れてしまうので蛍光灯が必須になります。水温が最低でも15度は必要なので、冬はヒーターを用意してください。
アナカリス
アナカリスはカボンバと並ぶ、ポピュラーな水草の一種です。
成長スピードがとても早く、フンなどの栄養分をどんどん吸収してくれるので、きれいな水を維持するのに役立ちます。
日本の河川でもよく見かけますので、浅い川で採取することもできますし、ホームセンターで安価で手に入れることもできます。
成長速度が速い水草なので、2週間に1回は手入れが必要です。トリミングで伸びすぎた部分を切断すると、切断部分から2方向に成長していくので見た目が悪くなってしまいます。トリミングするときは下の部分を捨てて、植え直すことをおすすめします。
屋外で強い光を与えながら育てると、小さくてかわいい花を咲かせてくれますよ。
ウィローモス
ウィローモスは石や流木にくっついて成長していくコケの仲間です。
水草だけでなく、流木をアクセントに組み合わせたレイアウトをしたいときに便利な水草です。飼育は簡単ですが、成長速度が遅いので、レイアウトとして完成させるには数ヶ月は必要になります。
キクモ
キクモはふわふわした感じの葉をだす水草で、葉が細かいのでメダカが卵を産むのに向いています。一度根付くと成長が早く、水中に含まれている養分をたくさん吸収するので、コケ対策に効果があります。
ウォータースプライト
ウォータースプライトは砂利に植えても、水に浮かべたままでも飼育することができます。成長スピードが早く、どんどん増えてくれますよ。増えすぎるのでまたに間引いであげましょう。
メダカのビオトープでおすすめの水草は?
ビオトープなどの屋外飼育に向いている水草は、直射日光や気温の変化に強い種類であることです。
おすすめの水草は浮き草系です。飼育が簡単で、日陰が水温の上昇を抑えてくれます。浮き草はどんどん子種を作って、増えていってしまうので、水面を全て覆ってしまわないように注意しておきましょう。
夏になるときれいな花を咲かせてくれる水草も多く、水槽での飼育とはまた違った楽しみ方が味わえますよ。
ホテイアオイ
メダカの屋外飼育といえばホテイアオイと言われるくらい一般的な水草です。育成が容易で産卵にもちょうどいい根が生えてきます。冬の寒さに強い水草で、夏に紫色のきれいな花を咲かせてくれますよ。
スイレン
スイレンは屋外飼育でよく使われる浮き草です。日当たりのいい場所においてあげると、きれいな花を咲かせてくれますよ。
成長していくと横幅で20cm以上になるので、飼育容器が小さい時は大きくなったスイレンは間引く必要があります。
庭ある小さい池などで使われることが多いです。水が凍らなければ、冬を越すこともできますよ。
アサザ
アサザはスイレンよりも葉が少し小さく、黄色い花を咲かせてくれます。冬は枯れたようになりますが、春になると葉を出して、夏には花を咲かせてくれますよ。
オモダカ
オカダモは細長い矢印のような葉をつけるのが特徴です。鑑賞目的にしたビオトープに人気の植物で小さくてかわいらしい白い花をつけてくれますよ。
ヒメホタルイ
ヒメホタルイは湿地や田んぼに生息している抽水植物です。横に向かって根を広げることで成長していきます。寒さに強く、屋外の飼育でも冬を越すことができますよ。
メダカに水草を入れた時に起こりやすいトラブル
水草はメダカよりも飼育が大変だったり、メダカ以外の生き物がくっついていたりと、最初は手間に思うことがよくあります。
起こりやすい3つのトラブルについて紹介していきますので、事前に対応できるようにしておきましょう。
紹介するトラブル
- メダカが水草を食べている?
- 水草が枯れる原因は?
- 水草に貝が増えたらどうやって駆除する?
メダカは水草を食べる?
メダカは雑食性のため、餌が少なくなってくると水草を食べることがあります。特にマツモやカボンバなどの葉が細くて柔らかい水草を食べます。水草が枯れるほど食害することはないので、心配しなくても大丈夫です。
他にも水草の近くにはメダカの餌になるプランクトンが発生するので、それを食べるためにつつくことがあります。
長期間の旅行などであれば、餌不足対策に水草をいれるのがおすすめです。
食害を避けたいときは、葉が大きい水草をいれたり、餌が不足している状態をさけるためにしっかりと餌をあげてください。
メダカにおすすめの餌で紹介しているので、ご参考ください。
水草が枯れる原因は?
メダカの水槽に入れた水草が枯れる原因の多くは光量不足です。屋内で蛍光灯もつけずに飼育していると、徐々に葉が白化したり、茶色になって枯れてしまいます。1日に8時間は点灯して光合成をさせてください。
また、水草をいれすぎると、下の方にある水草は光を浴びられずに枯れてしまいます。特に浮き草には注意してください。
屋外では日光に当たるため、緑色のきれいな水草に成長してくれます。水草が枯れそうだと思ったら、バケツに移動させて外に置くと効果的ですよ。
水草に貝が増えたらどうやって駆除する?
採集してきた水草だけではなく、市販の水草にもサカマキガイやモノアラガイなどのスネール(貝)がくっついており、水槽内に持ち込むと爆発的に繁殖して見た目が悪くなってしまいます。繁殖し出すと手がつけられず。水槽や水草を完全に掃除するなど手間が増えてしまいます。
水槽に入れる前には水草に付着していないかしっかりと確認しておきましょう。水草を販売しているお店の水槽も要チェックです。
スネールの駆除方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
メダカの水草についてまとめ
メダカの水槽に水草をいれると、雰囲気が良くなるだけではなく、メダカにとって良い環境を整えるためにも非常に大切なものです。
水草にも夏に花を咲かせたり、ぐんぐん成長して水をきれいにしてくれたり、それぞれに様々な役割がありますので、ぜひご自身の飼育スタイルに合った水草を選んでくださいね。
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