ラミレジィは体色が美しく、水草をレイアウトした水槽がとても似合う熱帯魚です。長く大切に飼育しているとどんどん体色が綺麗になっていくのも魅力的です。
今回はそんなラミレジィの生態や特徴、必要な水槽の大きさ、混泳できる魚、寿命、おすすめの餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。
ラミレジィの生態と特徴
ラミレジィは南米に生息するドワーフシクリッドの仲間です。
小型の熱帯魚だと体色は2〜3色が多いですが、ラミレジィには細かい配色美があり、単独飼育でも熱帯魚らしいきらびやかな水槽を作り出すことができます。緑でおいしげった水草水槽に、目を引く体色で優雅に泳ぐ姿はとても美しいです。
秋から春にかけて、南米から野生のワイルド個体が輸入されてきます。ヨーロッパからは一年を通して養殖されたブリード個体が輸入されてきます。ワイルド個体は少し気性が荒くなりますが、野生の凄みを味わえると同時に発色が強くなりやすいのでおすすめですよ。
繁殖期になるとオスは縄張り争いが激しくなるので、混泳相手を攻撃してしまう可能性がありますので、注意しておいてください。
同じ種類にアピストグラマという熱帯魚もおり、どちらもカラーバリエーションが豊富な熱帯魚として人気があります。
寿命の長さ
ラミレジィの寿命は平均して2年です。病気やストレスに強くて長生きさせやすいので、水槽の飼育だと3年は生きてくれます。
体の大きさ
ラミレジィの大きさは3cm〜7cmほどの小型の熱帯魚です。
参考ページ
ラミレジィの種類
ラミレジィは品種改良が盛んで、養殖された国名が名前についている種類が多いです。国によってこだわっているポイントが違うのがおもしろいところです。
バルーンラミレジィ
販売価格:500円〜3,000円
ドイツやオランダで品種改良されており、養殖された国によってオランダラム、ドイツラムという名前で呼ばれています。ラミレジィよりも小さく、お腹部分のふっくらと丸みを帯びた体形が可愛いですよ。
色違いで白色をベースに薄い金色が入ったゴールデンバルーンラミレジィや青みが強いコバルトブルーバルーンラミレジィなどがいます。
パピリオクロミスラミレジィ
販売価格:300円〜500円
コロンビアやベネズエラに生息しており、南米ドワーフシクリッドの中でもっとも美しいと言われている種類です。
販売している時は脱色していることが多く、薄い色をしているのですが、弱酸性を保って半年以上飼育していると見事な体色に変わってくれます。
養殖個体が多く輸入されて来るので、価格も安く初心者におすすめです。
ジャパンラミレジィ
販売価格:1,500円〜3,000円
日本で養殖された個体で、日本産らしく繊細で美しい体色をしています。販売数は少ないので、高価です。
ブリリアントラミレジィ
販売価格:1,000円〜2,000円
青みが強いことが特徴的ですが、体色はコバルトブルーラミレジィとラミレジィを合わせたような色合いをしています。
ラミレジィのもつ黄色や赤に、コバルトブルーラミレジィのもつブルーがかぶさっており、とても美しいですよ。
ドイツラミレジィ
販売価格:1,000円〜2,000円
ドイツで養殖されたラミレジィでドイツラムやジャーマンラミレジィとも呼ばれています。他の種類と比較して赤色と黄色の色味が強く、ラミレジィ本来の色を活かしている種類になります。
体高があり、ヒレも長いので存在感が強く人気がありますよ。
ブルーダイヤモンドラミレジィ
販売価格:500円〜1,000円
全身がブルーに染まり、頭部の黄色と目の赤色が際立って美しく見えます。不自然なまでの青色の発色は熱帯魚らしい派手さを感じられ、水槽の目を引くにはうってつけですよ。
ラミレジィの飼育に必要な水槽と設備
ラミレジィは一般的な熱帯魚飼育セットで飼育することができます。初期費用では2万円もあれば十分ですよ。
水槽の大きさと飼育数の目安
ラミレジィは30cm水槽の小型水槽で飼育することができます。
混泳をさせずにペアでじっくりと飼育したいなら、この大きさが便利です。おすすめの30cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
45cm水槽だと4匹、60cm水槽だと8匹ほど飼育することができます。
ろ過フィルター
ろ過フィルターは水槽に発生したゴミの除去や酸素供給のために必要になります。
45cm以下の水槽であれば、インテリア性に優れたスリムタイプや静音タイプの外掛けフィルターがおすすめです。60cm水槽だと強力なろ過が必要なので、上部フィルターが必要となります。
水槽の蓋
ラミレジィは水面を飛び出したりすることはめったにありませんが、飛び出し事故防止のためにも蓋はしっかりとしておきましょう。
ラミレジィの飼育に適している水槽作り
水槽に入れる前に水合わせをしよう
ラミレジィを購入してきてもすぐに水槽に移動させてはいけません。
もともといたペットショップの水と水槽の水では、水質や水温に大きな差があり、急激に変化するとストレスで弱ってしまうことがあるからです。
phショックと呼ばれ、最悪死に至ることもあります。ここでは元気な状態を保てるように、水あわせの手順を紹介しますね。
水合わせの手順
- ラミレジィが入った袋をバケツに移動させる
- バケツの水が倍になるように30分かけて飼育水を移す
- バケツの水を半分になるまで捨てる
- 再度バケツの水が倍になるように30分かけて飼育水を移す
- バケツの水温をチェックして水槽と差がないことを確認する
- バケツの水をギリギリまで捨てて、そのままラミレジィを水槽に入れる
飼育に適している水温
ラミレジィに適した水温は22度〜28度です。
冬にはヒーターを入れて加温してあげましょう。W数の目安は30cm水槽なら50W、45cm水槽なら100W必要です。
電気代やおすすめの商品などは水槽用ヒーターの使い方で紹介しているでのご参考ください。
飼育に適している水質
ラミレジィの水質の適応範囲は広く、ph5.5〜7.0まで大丈夫なので、飼育しやすい熱帯魚と言えます。
しかし、新鮮な水を好みますので、1週間に1回は1/3〜1/2ほど換水してあげてくださいね。
レイアウトは水草をたくさん入れる
ラミレジィの水槽には水草と流木をふんだんに使ったレイアウトがおすすめです。
緑がおいしげった空間にこそ、黄色と青色の美しい体色が際立ちます。水草をたくさんいれたい時は、底砂ソイルを使って、二酸化炭素供給の設備が必要になってきます。
水草は飼育が難しいので、初心者の方は水質を弱酸性にできる流木を多めにいれておくことをお勧めします。平らな石を入れておけば産卵床に使えます。
ラミレジィの飼育方法
おすすめの餌と与え方
ラミレジィの餌は熱帯魚専用の人工飼料を与えてください。
おすすめの餌は同じシクリッドの仲間であるディスカス専用の餌で、色揚げ効果も期待できます。さらに一口で食べられる粒状の餌なので、食べ残しが少なくて、水を汚しません。
食いつきがいい冷凍赤虫を与えれば、どんどん成長して発色が良くなります。
餌の頻度は1日2回、朝と晩に1〜2分で食べきれる量を与えてくださいね。
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混泳できる魚
ラミレジィは多くの小型熱帯魚と混泳させることができます。シクリッドの仲間では珍しく温和な性格をしています。
しかし、繁殖期は攻撃性が増して他の熱帯魚を追い回すようになるので、ペアで飼育している水槽での混泳はさけておきましょう
混泳相手はネオンテトラ、グラミー、エンゼルフィッシュ、コリドラスがおすすめです。
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどのエビ類は餌として攻撃されることが多いので、混泳はやめておきましょう。。
同種のシクリッドとは縄張り争いで喧嘩がすることが多いので、ラミレジィは1種類だけにしておいてくださいね。
色揚げする4つのポイント
ラミレジィは水槽でも野生に近い環境を用意してあげると見事な発色を見せてくれるようになります。
その美しさはペットショップでみかけるくすんだ色とは比べ物になりませんので、ぜひ色揚げに挑戦してください。
重要なポイントは水槽を弱酸性に保ち、栄養価の高い餌をあげてしっかりと成熟させることです。
色揚げのポイント
- 暗めの底砂を選ぶ。周りが明るいと色が飛びやすいです
- 弱酸性を維持する。流木、ソイルを使う
- 栄養価の高い餌をあげて飼い込む
- 隠れ家を増やしてストレスを減らす
かかりやすい病気と治療方法
ラミレジィは丈夫な熱帯魚なので病気にかかることは少ないです。水温の急激な変化と水質悪化には弱いので、そこだけ注意してあげてくださいね。
ここでは熱帯魚の病気で代表的な2つを紹介しておきます。
白点病 | 体中が白い点々で覆われる病気で、輸入されたばかり個体が感染していることが多いです。感染力が高く、またたくまに水槽内に広がっていくので、病気を確認したらすぐに別の水槽に隔離しましょう。メチレンブルーで1週間薬浴すれば元気になりますよ。 |
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エロモナス病 | ウロコが逆立つ松かさ病や、目が飛び出すポップアイを引き起こします。水質の悪化が原因でエロモナス菌に寄生されて発症します。病気を確認したらすぐに水槽の水を全て交換して、発症した個体は別の水槽に隔離しましょう。完治の難しい病気ですが、初期症状であればエルバージュで薬浴すれば治ることがありますよ。 |
ラミレジィについてまとめ
ラミレジィは美しい体色をもちつつも、体が小さいので、小型水槽で簡単に飼育することができ、初心者にも人気の熱帯魚です。
いい環境を用意して、色揚げや繁殖に挑戦していってくださいね。
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