ヤリタナゴは赤黒い体色が美しい日本の淡水魚で観賞魚として人気があります。日本の水田や用水路など身近な場所に生息しているので、自分で採集しにいくこともできます。
今回はそんなヤリタナゴの生態や特徴、生息地、おすすめの餌、混泳など飼育方法について詳しく紹介していきます。
ヤリタナゴの生態と特徴
ヤリタナゴはコイ科アブラボテ属に分類される淡水魚です。日本の本州や四国に分布しており、流れが穏やかで水草が多い、用水路や沼地を生息地としています。雑食性で葉の柔らかい藻類や小型の昆虫を捕食します。
体色は全体的に黒ずみながらも所々に赤色が混ざっており、背びれと尻びれの先端は赤くて濃い綺麗な色をみせてくれます。ウロコが銀色に輝いているヤリタナゴもおり、銀鱗ヤリタナゴとして親しまれています。
他のタナゴと同じように、メスは産卵管をもっており、水温が暖かくなる4月頃からマツカサガイなどの二枚貝に産卵を行います。稚魚は二枚貝の中で孵化して、水中を泳ぎ回ります。
オスとメスの見分け方
ヤリタナゴのオスは4月の繁殖期になると見事な婚姻色を見せてくれます。
オスは婚姻色がでてくると、背びれや尻びれが真っ赤になります。全体的に赤紫色や緑色になり、輝くような色合いになります。メスはオスほどの派手さはなく、体が丸みを帯びて、尻びれ付近から産卵管がでてきます。
体の大きさ
ヤリタナゴの大きさは8cm~10cmの小型の淡水魚です。
寿命
ヤリタナゴの寿命は平均して3年~4年です。飼育下では大切に育てることで、5年以上生きることも珍しくありません。
ヤリタナゴは釣りが人気
ヤリタナゴは日本の本州や四国であれば、どこにでもいるような淡水魚です。
特に田舎にある水田近くの用水路や、水の流れが穏やかな小川などが狙い目です。おたまじゃくしやヤゴが生息しているような環境で見つけることが出来ます。
用水路の上から群泳している姿が見えたら、餌にはアカムシなどの小型の昆虫つけて、糸を垂らしましょう。
簡単に釣り上げることが出来ますよ。
ヤリタナゴの飼育方法
ヤリタナゴは体が丈夫で大人しいので、初心者にも飼育しやすく、混泳も楽しみやすい魚です。長く飼いこむことで体色はどんどん綺麗になっていくので、大切に育ててあげましょう。
飼育に必要な水槽と器具
ヤリタナゴは小型の淡水魚なので、45cm水槽か60cm水槽がおすすめです。飼育数の目安は45cm水槽で3匹、60cm水槽で8匹です。
おすすめの45cm水槽やおすすめの60cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
ろ過フィルターは45cm水槽だとスリムタイプや静音タイプなどインテリア性に優れている外掛けフィルター、60cm水槽だとろ過力がある上部フィルターがおすすめです。
必須ではありませんが、底砂を敷いておくことで落ち着きやすいので、川にある丸めの砂利を入れておくと良いですよ。
必要なもの
- 水槽
- ろ過フィルター
- ライト
- 底砂
- 水槽の蓋
値段と販売場所
ヤリタナゴの値段は300円、銀鱗ヤリタナゴだと500円ほどで販売されています。オスとメスのペアで販売されていることもあるので、繁殖を狙っているときは探してみると良いですよ。
販売されている個体は黒みがすくなく、薄い銀色になっていることが多いですが、長く飼育することで赤黒くなっていくので、気にする必要はありません。
活動が活発にある4月頃から販売数が増えてくるので、川魚の販売に力を入れているペットショップで探してみましょう。どうしも見つからなければ、ネット通販を使うのも効果的です。
可能であれば、近くにある用水路に向かい、網ですくえれば一番早いですよ。自然採集では寄生虫がついていることが多いため、いきなり本番の水槽にはいれず、1週間ほど別の水槽で飼育して様子を見ることをおすすめします。
適している水温
ヤリタナゴに適している水温は23度~27度です。
日本の生き物なので低水温に強いですが、鑑賞をするときは水中用のヒーターを入れて26度を保つようにしてください。
越冬させるときは水流をギリギリまで弱くして、水底に落ち葉をいれておきます。水槽を気温の変化が小さい場所に置いて、水が凍らないように注意しておきましょう。
ヒーターの電気代や必要なワット数についてはおすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
おすすめの餌と給餌方法
ヤリタナゴは魚の人口餌であれば、好き嫌いはなくでもよく食べてくれます。
体色を美しく育て上げたいときは、栄養価の高い熱帯魚用の人工飼料を与えましょう。しっかりとしたメーカー品のものにすることで、健康的に成熟してくれます。
餌の頻度は1日1回、2分ほどで食べきれる量を与えると良いですよ。
商品情報と価格をチェック
混泳について
ヤリタナゴは大人しい性格をしているので、混泳に向いている淡水魚です。
おすすめの混泳相手は同じく用水路や沼地に生息しているヤマトヌマエビやどじょう、ハゼの仲間などです。
二枚貝に産卵をすると混泳相手に食べられてしまうので、繁殖を狙うときは繁殖用の水槽を用意しておきましょう。
ヤリタナゴについてまとめ
今回は体色が美しいヤリタナゴの特徴や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ヤリタナゴは日本の用水路で比較的簡単に見つかる淡水魚で、体が丈夫で体色が美しいので、観賞魚として優れています。
興味を持たれた方は是非飼育に挑戦してみてくださいね。
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