ベーレンパイソンは光沢のある黒色に、虹色がかった非常に美しいヘビです。大人しい性格で飼育しやすいですが、あまりにも高価で手が出せません。
今回はそんなベーレンパイソンの特徴や寿命、必要なケージの大きさ、性格、おすすめの餌など飼育方法について紹介していきます。
ベーレンパイソンの特徴
ベーレンパイソンはニシキヘビ科オマキニシキヘビ属に分類されるヘビの仲間です。オーストラリアの上部にあるニューギニア島の標高2,000m近くの高山に生息しています。高山は涼しくて湿度が高いため、日本の夏の暑さは苦手です。
ベビーの体色は赤色ですが、成長するにつれて、光沢のある黒色に変化して、光を当てると虹色に輝きます。皮膚は柔らかく、シルクのような肌触りをしています。
非常に美しい体色のヘビですが、現地での入手や繁殖が難しく、CB個体(養殖された個体)が少ないことから幻のヘビとして知られています。国内での入手は困難で、高値で販売されています。
大人しい性格
ベーレンパイソンは大人しい性格をしているため、慣れればハンドリングできます。
それでも、お腹が空いているときは餌と思って手を噛むことがあるので、ガラス越しに様子を見てから手を近づけるようにしてください。
体の大きさ
ベーレンパイソンの大きさは350cmになる大型のヘビです。飼育下では250cmほどの大きさで止まることが多いです。
寿命の長さ
ベーレンパイソンの寿命は平均して15年~20年です。体が丈夫で長生きさせやすいです。飼育するときは、肥満で短命になることがあるので、餌の与えすぎに注意してください。
ベーレンパイソンの飼育には許可が必要?
ベーレンパイソンの飼育に許可は必要ありません。危険動物に指定されておらず、許可なしで飼育できるヘビの中では最大の大きさになります。
大型ヘビで人気があるボールパイソンの大きさが120cm~180cm、ブラッドパイソンが150cm~200cmほどの大きさであり、ベーレンパイソンはその1.5倍以上は大きく成長させることができます。
ベーレンパイソンの飼育環境
必要なケージの大きさ
ベーレンパイソンに必要なケージの大きさは横幅で120cm、奥行きで60cmです。120cmまでの大きさであれば規格サイズで市販されているので、特注をする必要がありません。
ベビーの頃は湿度の維持が大変になるので、横幅で60cmなど小型のケージを用意しておくと飼育しやすいです。おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
床材
ベーレンパイソンの飼育には床材を用意しましょう。フンの掃除しやすくするためです。
ヤシガラマットなどの保湿性が高い床材だと湿度維持にも役立ちますが、餌を食べるときに誤飲をすることがあります。フンの掃除など管理の手間を考えるとペット用シートで代用するのも便利です。
ベビーの頃は高い湿度を維持するために、湿らせた水苔を敷いておくとよいでしょう。水苔は湿気が多く、菌が繁殖しやすいため、糞をしたらこまめに交換してください。
水容器
ベーレンパイソンは水浴びが好きなので、全身が浸かる大きさの水容器を用意しておきましょう。大型のタッパを使うことが多いです。飲み水としても使うため、毎日水を交換して新鮮な状態を維持してください。
止まり木
ベーレンパイソンは地表性のヘビですが、立体移動もよくするので、止まり木を斜めに立てかけておくと、木に登る姿を観察するできます。
レイアウトを複雑にすると掃除が大変なので、しっかりとした太さの流木を1本~2本ほど固定しておくのがおすすめです。
ベーレンパイソンの飼育方法
値段と販売場所
ベーレンパイソンの値段は80万円~120万円で販売されています。ベビーでも60万円以上の値段です。
ニューギニアからの輸入量は年々減少しており、入荷されることも少ないです。爬虫類専門店の方と仲良くなっており、入荷されたらすぐに連絡をもらうようにしておきましょう。
ごくまれにですが、全国で販売されているペット即売会のイベントでも販売されることがあります。ベーレンパイソンに限らず、珍しい爬虫類が販売されているので、時期が合えば足を運んでみると良いですよ。
飼育に適している温度
ベーレンパイソンに適している温度は22度~25度と低い温度を好んでいます。
夏の高温にとても弱いので、気温が26度を超えてきたら冷房を使って温度管理をしてください。冬は爬虫類のヒーターか暖房を使って、腹部を冷やさないようにしておきましょう。
飼育に適している湿度
ベーレンパイソンに適している湿度は60%~70%の多湿な環境を好んでいます。
乾燥している環境は苦手なので、保湿性が高い床材を使い、乾燥してきたら霧吹きを行います。湿度計をみながら、湿度が下がってきたらこまめに霧吹きしてあげましょう。
おすすめの餌
ベーレンパイソンの餌は冷凍マウスやラットを与えます。ラットは栄養価が高いため、これ1つで最後まで飼育することができます。
冷凍マウスやラットなどの餌を食べないときはひなうずらやヒヨコなどの鳥類を与えてみてください。
餌の大きさはベーレンパイソンの体の大きさに合わせて変えていきます。餌のサイズは小さすぎても大きすぎても食べてくれません。ヘビの頭部と同じ大きさのサイズがベストと言われていますが、実際に食べる様子を見ながら調整していきます。
蛇におすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ベーレンパイソンを展示している動物園
ベーレンパイソンは東京都足立区にある「足立区生物園」で展示されています。北海道の円山動物園でも展示されていましたが、2012年4月に死亡してしまいました。
2021年3月時点では足立区生物園でしか展示がありませんが、他の動物園でも展示されると、日本動物園水族館協会で追加されるので、ぜひ検索してみてください。
ベーレンパイソンについてまとめ
ベーレンパイソンは光沢のある黒色に、虹色がかった体色を持つ、非常に美しい大型の蛇です。人気がある反面、現地からの入荷量は少なく、値段は高価でなかなか手が出ません。
涼しくて湿度が高い高山に生息しているため、温度と湿度管理は徹底しておく必要があります。特にベビーの頃は簡単に体調を崩すので注意してください。
体色が美しいヘビといえば、アルバーティスパイソンも人気です。こちらは性格が荒いですが、その美しさはベーレンパイソンに負けていませんよ。
-
ペットで人気の蛇の種類|大きさや飼育難易度、値段は?