ザリガニは春になると簡単に捕まえられるだけではなく、体が丈夫なので、本格的な設備がなくても飼育することができます。
今回はザリガニに必要な水槽の大きさ、エアレーション、混泳、レイアウトなど飼育方法について紹介していきます。
ザリガニの生態と特徴
ザリガニはカニという言葉が含まれていますが、実際はエビの仲間です。魚と同じくエラ呼吸をしていますが、エラが湿っていれば空気中でも呼吸できます。
種類によって差はありますが、多くのザリガニは体が丈夫で水質悪化に強く、沼地や水がよどんだ場所でも生きられます。
小魚の死骸やカエルなど肉食性の餌を好んでいますが、お腹が空いたときには水草なども食べる雑食性です。餌を見つけると大きなはさみで器用につかみ、口先までもっていきます。
繁殖方法
ザリガニは春になると繁殖時期にはいります。この時期のオスは縄張り意識が強く、はさみを上にして、オス同士で殺し合うほどの激しい喧嘩をします。交尾から2ヶ月ほどでメスはお腹に産卵をし、そこから3週間ほどで赤ちゃんが孵化します。
赤ちゃんは脱皮を繰り返すことで成長します。最初の半年は成長スピードが速く、5cmをすぐに超え、そこからゆっくりと成長して3年で最大の大きさまで成長します。ザリガニの脱皮で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ザリガニの種類
世界には550種類近くのザリガニが生息していますが、飼育規制が多く、ペットとして普及しているのはアメリカザリガニくらいになります。
ニホンザリガニ
分布 | 北海道、東北 |
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体長 | 7cm |
寿命 | 10年 |
ニホンザリガニは日本の固有種で茶褐色の体色と太くてずんぐりとした体型が特徴的です。
山の奥にある水の綺麗な河川に生息しており、水温が20度前後の涼しい環境を好んでいます。水温の維持が難しく、飼育向きではありません。
アメリカザリガニと生息域が異なっていますが、山の開発で生息域が減少し、絶滅危惧2類に登録されています。
アメリカザリガニ
分布 | アメリカ東南部 |
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体長 | 12cm |
寿命 | 5年 |
アメリカの沼地に生息しており、低酸素と水質の悪化に強く、繁殖力が高いため、世界各地で勢力を拡大しています。
日本でも食用ウシガエルの餌として輸入され、日本全国へと生息域を拡大していきました。
用水路や田んぼなど、身近に姿を見かけるザリガニの大半がこのアメリカザリガニになります。
ザリガニの冬眠について
ザリガニは気温が下がる冬には、泥に穴を掘るか水中の底に移動して冬眠を行います。
水温が下がる前の秋からたくさんの餌を食べて脂肪を蓄え、十分な栄養を持った状態で冬眠を始めます。ここで栄養不足だと餓死することになります。
飼育下では水温の変化が少ない場所に飼育容器を置き、エアレーションの量を減らし、水が完全に凍らないように注意してください。
ザリガニの捕まえ方
ザリガニは水温が暖かくなる4月ころから活発に動きはじめるので、春になったら小川や用水路にザリガニを探しに行きましょう。
隠れ家になる水草が生い茂っており、泥が蓄積している場所で見つけることが出来ます。
ザリガニを見つけたら網ですくい取るのが最も簡単です。
他にも棒にたこ糸を結びつけて、先端にさきいかをつけておけば、ハサミで掴んでくれるので、簡単に釣りあげることが出来ますよ。
ザリガニの飼育環境
ザリガニはエラが濡れていれば、空気中でも呼吸をすることが出来るので、バケツや虫かごなど水を入れられる環境であれば、だいたいは飼育することができてしまいます。
しかし、長期飼育を考えるのであれば、しっかりと環境を整えてあげる必要があります。
水槽の大きさ
ザリガニの飼育容器の熱帯魚の飼育に使うガラス水槽がおすすめです。
水槽の大きさは横幅で45cm以上あれば飼育することができます。おすすめの45cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
ろ過フィルター
ザリガニは酸素量が多い環境を好んでおり、餌を食べ散らかすため、エアレーションが豊富でろ過能力が高いろ過フィルターが必要になります。
45cm水槽だと外掛けフィルターを使い、60cm水槽では上部フィルターを使います。
水位を浅くするときは、亀の飼育でよく使われるコーナーフィルターや投げ込み式フィルターを使います。
底砂
ザリガニは何も敷かないガラス面ではツルツルと滑って歩きにくいので、底砂を敷いておきます。フンの量が多くて水換えをしなければならないので、手間にならない様に5mm~1cmほどで薄く敷いておけば良いですよ。
ライト
ザリガニは夜行性の生き物なので、ライトを必要としていません。逆に直射光を嫌って、隠れ家から出てこないようになります。鑑賞の時以外は消灯しておくと良いですよ。
水槽の蓋
ザリガニは足先の爪を引っかけて、思わぬ所から脱走しようとします。隙間がないようにしっかりと水槽の蓋をして固定しておきましょう。
水槽のレイアウト
ザリガニのレイアウトでは、酸素が十分にある環境だと陸地は必要ないので、魚の飼育と同じくらい水をたくさん入れておきます。
暗いところか好きなので、土管や流木など体が隠せる場所を用意しておくと落ち着きやすいです。
水草は食べてしまうので、入れておく必要はありません。
ザリガニの飼育方法
ザリガニは熱帯魚や金魚などよりも体が丈夫で、とても飼育しやすい生き物です。飼育のポイントは餌の食べ残しが多いため、こまめな水換えが大切になります。
値段と販売場所
ザリガニは1匹あたり500円~1,000円で販売されています。
ペットショップでは人気の生き物ではないので、販売されているのを見かけることはほとんどありません。自分で採集しに行くか、ネット通販で探すと良いですよ。
適している水温
ザリガニは水温の適応範囲が広く、10度~28度の環境で生きることが出来ます。
冬は水が凍らないように注意して、夏は直射日光に気をつけておけば問題ありません。水温の変化は苦手なので、暖房機器や冷房機器の近くは避けておきましょう。
日本に生息するザリガニであれば、ベランダや庭などの屋外で飼育することもできます。
観賞用に飼育するときはヒーターを設置してください。おすすめの水槽用のヒーターで紹介していますよ。
おすすめの餌
ザリガニの餌は、ザリガニ専用の人工飼料が販売されているので、それを使います。
人工飼料を主食にして、冷凍アカムシや鳥のササミ、ニボシ、冷凍ワカサギ、ミルワームなどいろいろな餌をバランス良く与えていくといいですよ。
ザリガニにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
混泳について
ザリガニは雑食性で、メダカや小型のエビ、イモリなども大好物で、捕まえて食べてしまうため、混泳することが出来ません。
ザリガニ同士でも縄張り争いのために、殺し合うほどの喧嘩をすることがよくありますので、水槽の狭い環境では単独飼育が基本となります。
混泳させるときは60cm水槽でオスとメスの1ペア、90cm水槽で5匹にしておき、流木などの隠れ家をたくさんいれておいてください。
ザリガニについてまとめ
今回はザリガニの飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ザリガニは身近な用水路や田んぼで簡単に捕まえることが出来、体が丈夫なので飼育するのも難しくありません。
餌はザリガニの人工飼料が安価に売られていますし、冷蔵庫にあるような魚の切り身でも問題ありません。
夏にうまく捕まえることが出来れば、水槽を用意して飼育にも挑戦してみましょう。