ファイアサラマンダーは黒色と黄色の美しい体色を持っていますが、これは警戒色で、皮膚からは強力な毒を分泌しています。
実際に飼育下で毒を出すことはめったになく、かわいい顔と美しい体色を楽しめるので、ペットとして高い人気があります。
今回はそんなファイアサラマンダーの生態や種類、もっている毒性、飼育環境、寿命、餌やりなど飼育方法について紹介していきます。
ファイアサラマンダーの生態と特徴
ファイアサラマンダーは両生網イモリ科サラマンドラ属に分類されるイモリの仲間です。フランスやドイツ、スペインなどのヨーロッパに生息しています。河川な沼地近くの湿度が高い場所を好んでいます。
成体は陸生で肺呼吸ですが、幼生の頃はウォータードッグ(カエルでいうオタマジャクシのようなもの)という名称がつけられており、水中でエラ呼吸を行います。
夜行性で、昼間は落ち葉の下や土の中の隠れて休んでいます。雨が降って湿度が高い日には、昼間でも活発に動いて餌を探します。
肉食性で餌はコオロギやミミズ、ガなどの小型昆虫を捕食します。
体色は黒色をベースに黄色の斑点模様が入っており、色のコントラストが非常に美しくなっています。
体の大きさ
ファイアサラマンダーの大きさは16cm~22cmになる中型のイモリです。
寿命の長さ
ファイアサラマンダーの寿命は平均して10年~15年とかなりの長寿です。餌の食いつきが良く、飼育下でも長生きさせやすいです。
ファイアサラマンダーが持つ毒性
ファイアサラマンダーは皮膚から強力な毒を分泌しており、派手な黄色の体色は警戒色の意味をもっています。この毒はサマンダリンという神経毒で、生物の体内に摂取されると過呼吸と筋肉の収縮がはじまり、死に至ります。
毒は耳の後ろと背中の中心部分に沿って多く分泌されており、敵が近づいてくると毒液を飛ばして攻撃します。この毒を飛ばす様子からファイアと名付けられました。
飼育下ではよほどしつこくつつかないと、毒液を出すことはありませんが、刺激しないように注意してください。
ファイアサラマンダーの種類
ファイアサラマンダーはヨーロッパや中東に幅広く分布しています。
それぞれの国で模様が異なるため、国名+ファイアサラマンダーという名称で知られています。
マダラファイアサラマンダー
ファイアサラマンダーの基本種で、黒色の体色をベースに不規則な黄色の斑点模様が入っています。
イタリアファイアサラマンダー
オレンジ色に近い黄色の割合が多い種類で、黒色の斑点模様が入っているように見えます。
ポルトガルファイアサラマンダー
黄色の斑点模様の割合は少なく、代わりに赤色の模様になっている種類です。
イベリアファイアサラマンダー
黒色の体色をベースに、頭部から尻尾にかけて、縦に2本の黄色のラインが入っている種類です。美個体になると不規則さは一切無く、きれいな線になっています。
テレストリスファイアサラマンダー
体色の大部分が黄色で、一部分にだけ黒色の斑点模様があります。
ファイアサラマンダーの飼育方法
ファイアサラマンダーは餌食いがいいので、両生類の中でも比較的飼育しやすい生き物です。
日々の管理では湿度を維持するためにしっかりと霧吹きを行い、水質悪化する前に水換えを、夏には冷房をつけることは忘れないでおきましょう。
飼育に必要な水槽と飼育環境
ファイアサラマンダーの飼育には熱帯魚の飼育で使う水槽がおすすめです。水槽の大きさは45cm(横幅)×30cm(奥行)もあれば十分ですよ。おすすめの45cm水槽で紹介しています。
床材には保湿性が高い、腐葉土やヤシガラマット、水苔を敷いておきます。床が乾燥してきたらつど霧吹きをしてあげましょう。
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落ち葉の下などの隠れるのが好きなので、土管やシェルターなどをいれて落ち着けるようにしてください。
ライトは飼育に必須ではありませんが、観賞用にいれるのであれば、温度が上がりにくいLEDタイプのライトを選びます。
水浴びをするのが好きなので、タッパなど全身が浸かる大きさの水容器を用意してくださいね。水は毎日交換して新鮮な状態を保ちましょう。
必要なもの
- 水槽
- 温度が上がらないLEDライト
- 保湿性の高い床材
- シェルター
- 脱走防止に水槽の蓋
飼育環境のレイアウト
ファイアサラマンダーのレイアウトは2つの方法があります。
1つめは水場と陸地を半々にしたレイアウトです。最初に水槽に5cmほど水を張り、砂利を敷き詰めて陸地を作っていきます。その上から水苔や落ち葉を入れることで雰囲気を出します。
2つめは腐葉土やソイルフロッグを敷き詰めて、タッパなどの水容器を置いておく方法です。
前者は見た目が綺麗ですが、水の交換が手間になります。後者は餌を食べるときに底砂も一緒に食べることがあるので、ピンセットで与えなければいけなくなります。
暗い場所が好きなので、隠れ家になるようにコルクや流木も入れておきましょう。
多頭飼いできる
ファイアサラマンダーは大人しい性格をしているため、多頭飼いができます。汚れるのが早くなるので、飼育環境はこまめに確認してください。
値段と販売場所
ファイアサラマンダーの値段は5,000円~10,000円で販売されています。
人気の両生類なので比較的容易に販売しているのを見つけることが出来ます。爬虫類を取り扱っているペットショップやネット通販で探してみてくださいね。
飼育に適している温度
ファイアサラマンダーに適している温度は18度~25度と、低温を好んでいます。
温度が25度以上になると元気がなくなるため、夏の高温対策には冷房をつけましょう。
冬は15度を下回るようでしたら、暖突やパネルヒーターを使って温めます。
使い方や温度が上がらないときの対策方法などは、爬虫類におすすめのヒーターで紹介しているので、ご参考下さい。
餌は昆虫がメイン。人工飼料も慣れてくれる
ファイアサラマンダーの餌はコオロギやデュビア、レッドローチなどの生きた昆虫が主食になります。
おやつには和金(金魚)なメダカなどの小魚を与えて飽きさせないようにしておきます。餌を食べない様になることがあるので、食べられる餌のバリエーションを増やしておくことが大切です。
餌食いつきがいいので、ツノガエル用の人工飼料や冷凍アカムシも食べてくれるようになりますよ。
餌の頻度は3日に1回、頭の大きさの2倍ほどの量を与えてくださいね。
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ファイアサラマンダーについてまとめ
今回はファイアサラマンダーの生態と飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
黒色と黄色のコントラストが美しく、かわいい顔をしているので、ペットとして飼育を楽しむことが出来ます。
しかし、皮膚から強力な毒液を分泌しており、刺激をするのはかなり危険です。飼育下では油断しないように注意しましょう。
飼育に関しては水温と水質の管理を徹底すれば難しいことはありません。
興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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