クラゲが水流でゆらゆらと流れている姿には癒やしの効果があり、水族館の人気者です。少しコツがいりますが、自宅でも飼育を楽しむことができます。
今回はそんなクラゲの飼育しやすい種類、必要な水槽、水流、おすすめの餌、レイアウトなど飼育方法について紹介していきます。
クラゲは自宅のアクアリウムでも飼育できる?
クラゲは最近だと鑑賞するための専用水槽が発売されているくらい、インテリアとしてもメジャーになってきています。水流の向きを調整した特殊な円形の水槽をみかけることがあります。
しかし、クラゲは熱帯魚と比べても非常に手間がかかる生き物で、気軽に飼育することはできません。特に飼育の手間として感じるのは次の3つです。
- 餌やり
- フィルターの調整
- 寿命が短い
餌やり
クラゲの餌やりに関しては、泳ぐのが苦手なので、1匹1匹スポイトで与える必要があります。それでもたくさんの食べ残しが出てくるので、水の悪化がとても早く、水換えが重要になってきます。
フィルターの調整
フィルターについては水槽内に気泡が発生しないようにし、吸込み口に絡まったり、水流で流されてしまわないか調整する必要があります。
寿命が短い
クラゲの寿命は1年ほどしかなく、設備を整えても長くは飼育できません。クラゲの寿命で紹介しているので、ご参考ください。
最初は慣れないかもしれませんが、これほど手間のかかる生き物も少ないので、逆に愛着がわいてくることでしょう。
飼育しやすいクラゲの種類と値段
自宅でも飼育しやすい、鑑賞用として人気があるクラゲの種類を紹介していきます。
紹介する種類
- ミズクラゲ
- タコクラゲ
- サカサクラゲ
- マミズクラゲ(淡水クラゲ)
ミズクラゲ
体長 | 20cm~40cm |
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値段 | 1000円 |
飼育難易度 | 容易 |
ミズクラゲは日本人にもなじみ深いクラゲで、海水浴で見つけた事がある人も多いでしょう。クラゲの中もで飼育しやすいので、初心者にもおすすめです。
半透明の体色でふわふわとしており、足は短くてかわいいです。
日本の海岸で見つけることが出来るので、3月~8月くらいに岩場や防波堤に行って、採集しに行くのもおすすめです。10cmくらいの個体を採集して60cm水槽で飼育し、飼いきれなくなったら、元々いた海に帰すのもいいでしょう。
ミズクラゲの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
タコクラゲ
体長 | 15cm~20cm |
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値段 | 1500円 |
飼育難易度 | 普通 |
タコクラゲはかわいい模様とカラフルな体色を楽しめるクラゲです。
遊泳力があり、泳いでいる姿を楽しむことができます。そのため、他のクラゲほど水流に気を遣う必要がありません。
体内に藻類の仲間が生息しており、これが発色をしています。その藻類の光合成のために強い光量が必要なので、メタルハイドランプやハロゲンライトなどの照明が必要です。
水槽内にコケが発生しやすいので、掃除しやすい環境を整えておきましょう。
タコクラゲの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
サカサクラゲ
体長 | 20cm |
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値段 | 1500円 |
飼育難易度 | 普通 |
サカサクラゲは名前の通り、逆さに泳ぐクラゲで、底砂に傘を向けてじっとしています。
水流が必要ではないため、体が小さいときは瓶や虫かごなどの小さな飼育容器でも飼育することができます。体が大きくなってくるとろ過が大切になるので、フィルターを用意してあげてください。
サカサクラゲもタコクラゲと同様に藻類の仲間と共生しているため、強い光量を用意しないと体色が薄くなってしまうので、注意が必要です。
サカサクラゲの特徴と飼育方法で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
マミズクラゲ
体長 | 2cm |
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値段 | 1000円 |
飼育難易度 | 普通 |
マミズクラゲは海水ではなく、湖や水の流れが穏やかな河川などの淡水に生息している珍しいクラゲです。
体が小さいため、小型水槽で飼育できるのが人気です。泳ぐのが苦手なので、緩やかな水流を作ってあげましょう。
飼育も難しくありませんが、ほとんど流通していないため、ニュースなどで報道される大量発生した場所を巡るなどして、自分で採集しに行く必要があります。
クラゲの飼育に必要な水槽と設備
クラゲは熱帯魚用のガラス水槽で飼育することができますし、飼育を楽しむためのインテリアに優れたクラゲ専用水槽が販売されており、飼育を楽しむ方法がたくさんあります。
必要なもの
- 水槽
- ろ過フィルター
- 蛍光灯
- 人工海水の素と比重計
水槽の選び方
クラゲは熱帯魚の飼育に使う60cmのガラス水槽で飼育する飼育するのが基本です。おすすめの60cm水槽で紹介しています。
クラゲ専用のインテリア性の高い水槽が多く販売されていますが、水量が少ないので長期飼育にはおすすめできません。
カミハタの「くるくるクラゲ水槽」だと、よく水族館で見かけるくるくると回る水流を作り出す水槽を1,500円ほどで購入することができます。
他にもカラフルな蛍光灯が付属しているおしゃれなキュービック型の水槽もたくさん販売されているので、お気に入りの1つを探しましょう。
ろ過フィルターの選び方
クラゲの飼育には水流の調整がしやすく、ろ過能力が高い「外部式フィルター」がおすすめです。
水の吸込み口にクラゲが捕まることがあるので、穴の開いたセパレーターで囲い込む必要があります。また、クラゲの傘の部分に気泡がたまると、穴が開いてしまうので、水中に気泡が発生しないように注意してください。
上部フィルターや外掛けフィルターは気泡が発生しやすいので、おすすめできません。
蛍光灯
クラゲは蛍光灯は観賞用にありますので、あってもなくても問題ありません。
時間によって赤色や青色に切り替わる蛍光灯などもありますので、好みに合わせて選びましょう。
商品情報と価格をチェック
人工海水の素と比重計
クラゲの飼育に必要な海水を作るために必要です。カルキを抜いた水道水を用意して、比重が1.022になるように、人工海水を足していきましょう。
人工海水の作り方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
クラゲの飼育方法
販売場所
クラゲの生体は熱帯魚や海水魚専門店で販売されていますが、めったに入荷されないので入手は困難です。
確実に入手したいときは、ネット通販を使うと良いですよ。
時期が合えば野生種を捕まえに行くこともできます。網とバケツがあれば簡単に捕まえることができますが、飼育しやすい5cm~10cmのクラゲはなかなか見つからないので、根気が必要です。
水槽のレイアウト
クラゲは泳ぐのが苦手なので、ゆるやかな水流を作って、中層~上層にいられるように調整する必要があります。
外部式フィルターの吐き出し口を調整しながら、うまく作っておきましょう。ガラス面やクラゲ同士やぶつかってしまう激しい水流はさけてください。
クラゲの傘は傷つきやすいため、水槽には何もいれないでおきましょう。
水槽の立ち上げ方法
クラゲは飼育するには1週間以上前から水槽を立ち上げて、水をなじませておく必要があります。
また、最初はフンなどの有害な物質を無害な物に分解してくれるバクテリアがまったくいませんので、1匹から飼育を初めて1ヶ月ほどしてから飼育数を増やしていきましょう。
可能であればパイロットフィッシュといって、バクテリアを増やすために水質の悪化に強い魚を飼育することをおすすめします。
立ち上げの手順
- 水槽の置き場所を決める。60cm以上の水槽は水槽台が必要です
- フィルターを設置する
- フィルターの吸込み口をセパレーターで区切る
- 海水を作る
- 海水を水槽に入れて、フィルターを作動させる
- パイロットフィッシュを飼育する
- 1ヶ月ほどで完成します
適している水温
クラゲに適している水温は20度~25度と低温を好みます。冬はヒーターを入れて、夏は冷却ファンで水温を下げるようにしてください。
低水温を維持するために、ヒーターは温度調整機能が必要です。おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
おすすめの餌と給餌方法
野生にクラゲはプランクトンを食べており、飼育下では稚魚餌として知られているブラインシュリンプがメインの餌になります。
ブラインシュリンプは乾燥した卵がペットショップで販売されており、それを孵化させることで生き餌として与えることが出来ます。ブラインシュリンプの与え方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
泳ぐのが苦手なので、餌を捕まえるのも上手ではありません。餌を与えるときは1匹づつスポイトで口元まで餌を持って行ってあげます。それでも、食べ残しが出てしまうので、食後にこまめに水換えを行いましょう。
それか、おたまやバケツで一匹づつすくい上げて、そこで餌を直接与える方法があります。こちらの方が水が汚れる心配がありません。
どちらにしても、餌やりは時間がかかりますので、覚悟しておきましょう。
餌の頻度は1日2回、朝と夜に与えてくださいね。
クラゲの飼い方についてまとめ
今回はクラゲの飼いやすい種類や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
水槽のレイアウトでは水流の強さに注意して、日々のお世話では餌やりや水換えなどしっかりとする必要があり、初心者にはなかなか飼育が難しい生き物です。
しかし、慣れてくると難しいことはなく、それ以上にクラゲがゆらゆらと泳ぐ癒やしを自宅でも体験できるのは非常に魅力的なことだと思います。
初期費用ではそこまでかかりませんので、気になった方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。