サカサクラゲは逆さに泳ぐクラゲで、奇妙な習性から水族館でも人気のクラゲです。
今回はそんなサカサクラゲの生態や特徴、生息地、逆さに泳ぐ理由、餌、必要な水槽など飼育方法について紹介していきます。
サカサクラゲの生態と特徴
サカサクラゲは根口クラゲ目サカサクラゲ科に分類されるクラゲの仲間です。
学名ではCassiopea(カシオピア)、英名ではマングローブジェリーフィッシュと呼ばれています。マングローブとは普段は森林地帯ですが、満潮になると底が海水で埋め尽くされる熱帯雨林のことを指しています。生息地はマングローブだけではなく、太平洋の熱帯域に幅広く分布しています。太陽光を浴びるために浅瀬で暖かい場所を好んでいます。
名前の通り、水底で傘を下にして足を動かしている様子から、サカサクラゲと名付けられました。泳ぐときは傘を上にして泳ぎますが、ほとんどの時間を水底で逆さになってじっとしています。
体の大きさ
サカサクラゲは15cm~20cmの大きさになる中型のクラゲです。
寿命の長さ
サカサクラゲの寿命は平均して半年~1年です。他のクラゲと比べると丈夫で飼育しやすいですが、寿命を長くするのは難しいです。
サカサクラゲはなぜ逆さまなの?
サカサクラゲの体内には褐虫藻(かっちゅうそう)という藻類の仲間が生息しており、褐虫藻が太陽光を浴びて光合成をすることで、余った栄養分をサカサクラゲに与えることでお互いに共生しています。
その褐虫藻はサカサクラゲの足の部分に生息しており、彼らが効率よく光合成を出来るように、逆さになっていると言われてます。
褐虫藻の量によってサカサクラゲの体色も変わってきており、たくさんの太陽光を浴びて褐虫藻が繁殖すると褐色に、太陽光が少ないと青色や白色になります。
褐虫藻がいなくても死ぬわけではなく、自分で動物性プランクトンを捕食して生きることができます。
サカサクラゲの飼育方法
サカサクラゲは他のクラゲと違って水底に滞在しており、水流を必要としないため、飼育は簡単です。
水質悪化に弱いので、水換えには注意しておきましょう。
サカサクラゲはフィルターのない「瓶」で飼育できるクラゲとしても知られていますが、水温の変化や水質悪化が激しいため、2週間ほどで死んでしまうことも珍しくありません。クラゲ飼育に慣れていない人ほど大きな水槽で飼育することをおすすめします。
飼育に必要な水槽と器具
サカサクラゲは熱帯魚用のガラス水槽で飼育することができます。
60cm(横幅)×30cm(奥行き)×36cm(高さ)の一般的な60cm水槽を用意しましょう。おすすめの60cm水槽で紹介しているので、ご参考下さい。
水流は必要ありませんが、水が汚れやすいので、外部式フィルターなど強力なろ過力を持ったフィルターが必要になります。
ライトは太陽光なみの光量を持った「メタルハライドランプ」や「ミニハロゲンランプ」が必須となります。
必要なもの
- 水槽
- ろ過フィルター
- ライト
- 水槽の蓋
値段と販売場所
サカサクラゲの値段は1,500円前後で販売されています。
海水魚専門店でも販売されていることはめったにありません。ネット通販で探すと簡単に見つけることが出来ますよ。
適している水温
サカサクラゲに適している水温は20度~30度とクラゲの中でも水温の適応範囲が広く、高温を好んでいます。
冬には火傷を防止するために、安全カバー付きの水中用のヒーターをいれて26度前後を保つと良いですよ。おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
水換えは毎週行います
サカサクラゲの水槽は水が汚れやすいので、週に1回は水を交換する必要があります。
最初にカルキを抜いた水道水を用意し、人工海水の素を混ぜ、比重計を使いながら、塩の比重を1.022に合わせます。人工海水の作り方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
次に水槽の水を1/3ほど抜き、1時間ほどかけてゆっくりと新しい水を足してくださいね。
おすすめの餌と与え方
サカサクラゲは動物性のプランクトンを餌にしており、飼育下では稚魚餌で知られているブラインシュリンプを与えます。
ブラインシュリンプはペットショップで乾燥卵を購入してきて、自分で孵化させてから与えます。
捕食するのが苦手なので、餌をそのまま水槽に入れると食べ残しがでて、水が汚れやすくなります。餌を与えるときはおたまですくい上げて、そこで足に向かって餌を落としてあげましょう。
ブラインシュリンプの与え方で紹介しているので、ご参考ください。
サカサクラゲについてまとめ
今回はサカサクラゲの生態や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
普段はずっと逆さになってゆっくりと傘を動かして泳いでいる程度なので、泳ぎ回るクラゲを求めている方には向きませんが、餌をあげたときに足をせわしなく動かす姿はとてもかわいいです。
クラゲの中でも比較的手軽に飼育できるので、興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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