ミナミハコフグの幼魚は黄色に黒いスポット模様があり、小さなひれをパタパタさせながら泳ぎ回る、とってもかわいい海水魚です。
しかし、どのフグも同じですが、成魚になるとかわいさはどこかにいってしまい、なかなかの迫力を醸し出します。
今回はそんなミナミハコフグの特徴やおすすめの餌、値段の相場、水温、混泳など飼育方法について紹介していきます。
ミナミハコフグの生態と特徴
ミナミハコフグはフグ目ハコフグ科に分類されている海水魚です。太平洋からインド洋の暖かい海域に生息しており、日本でもその姿を見られます。かわいい姿がダイバーからも人気があります。
英名では英名ではイエローボックスフィッシュと言われており、その名の通り黄色の箱のような形をしています。
幼魚の頃は黄色やオレンジ色の体色をベースに黒い斑点模様が入っており非常に美しいですが、成長すると黄色味の強いグレーをベースに地味な体色に変わっていきます。
驚いたり興奮すると体を大きく膨らませて、体表からパフトキシンという毒を分泌するので、混泳相手がいるときは隔離をする必要が出てきます。
体の大きさ
ミナミハコフグの大きさは最大で45cmになる中型の海水魚です。一般的なハコフグだと20cm前後の種類が多く、かなりの大型になるハコフグです。
寿命の長さ
ミナミハコフグの寿命は平均して5年です。
ミナミハコフグの飼育の飼育必要なもの
ミナミハコフグの飼育に必要な水槽や周辺設備について紹介していきます。初期費用で6万円ほどみておきましょう。
必要なもの
- ガラス水槽
- ろ過フィルター
- ライト
- 底砂
- 水槽の蓋
- 海水の素と比重計
- 水槽用のヒーター
水槽の選び方
ミナミハコフグは飼育している水槽の大きさに合わせて最大の大きさが変わりやすいです。
90cm(幅)×45cm(奥行き)の水槽だと30cm前後で成長が止まり、最後まで飼育することができますよ。可能であれば120cm水槽を用意してあげましょう。
おすすめの90cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
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ろ過フィルターの選び方
必要なろ過フィルターは水槽の大きさで変わります。90cm水槽や120cm水槽だとろ過が強い上部フィルターを選びましょう。
上部フィルターは濾過槽が水槽の上にあるろ過フィルターで、ゴミがたまるスポンジ部分の清掃が簡単です。
おすすめの上部フィルターで紹介しているので、ご参考ください。
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ライトの選び方
ミナミハコフグなどの海水魚では、青色が強いLEDライトを使うと海っぽくなって綺麗です。
薄い青色を演出できるシャイニングブルーというLEDライトがおすすめです。色合いはゼンスイのホームページで紹介されています。
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他にもホワイト系やブルー系の蛍光灯をもう一本追加するなどして、色味を好みに調整する方法も人気があります。
必要な底砂の量
底砂は水質を弱アルカリ性に保てる海水魚用の砂を選びましょう。
1cmの厚みするためにに砂の量は以下の通りです。だいたい2cm~5cmに敷くことが多いです。
水槽の大きさ | 砂の量 |
---|---|
90cm(横幅)×45cm(奥行) | 3.0kg |
120cm(横幅)×45cm(奥行) | 4.0kg |
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人工海水の素と比重計
ミナミハコフグは淡水水槽で飼育できないため、人工海水の素と比重計は海水を作る必要があります。
1.023の比重を目標に、海水の素と水道水をしっかりとまぜていきましょう。人工海水の作り方で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
レイアウトは広い空間を確保
レイアウトでライブロックやサンゴ石を入れることが多いですが、石の間に挟まったストレスで毒を分泌することがあるため、ゆとりをもって配置してくださいね。
ミナミハコフグの飼育方法
ミナミハコフグは人工餌をよく食べてくれるので、フグの中でも飼育は簡単な種類です。水質の変化にも適応してくれるので、初心者におすすめです。
幼魚は臆病な性格をしているので、飼育を初めて1週間程度は奥に隠れて出てきてくれませんが、そのうち水槽内を元気に泳ぎ回るようになりますよ。
値段と販売場所
ミナミハコフグは10cm以下の幼魚が1,500円~2,000円と海水魚の中では比較的安価に販売されています。
人気の観賞魚なので入手は難しくありません。暖かくなる4月から販売量が増えるため、その頃になったら海水魚販売に力を入れているペットショップか専門店に行ってみましょう。
近くにお店がないときはネットショップでの購入が便利ですよ。
適している水温
ミナミハコフグに適している水温は22度~27度です。
冬は水中ヒーターで加温をします。ヒーターの上に乗っかって休んで火傷してしまうことがあるので、火傷防止カバーがついている物を選びましょう。おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
夏は高温になるようなら、冷却ファンで水温を下げるようにしてください。
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おすすめの餌と給餌方法
ミナミハコフグは他のフグに比べても餌食いが良いので、餌やりのトラブルは少ないです。
しかし、飼育を始めたばかりの時はストレスで餌を食べてくれないことが多いので、なるべくショップと同じ餌を与えてあげると食べてくれやすいです。
10cm以下の体が小さいときは冷凍アカムシや冷凍ホワイトシュリンプなどの冷凍餌を中心にし、クリル(乾燥エビ)などの人工餌に切り替えていきます。アオイソメなどの釣具屋で販売されている生きた昆虫もおすすめです。
最終的には海水魚用の人工飼料である「メガバイト」などに慣らして、栄養バランスを整えていきましょう。
一度にたくさんの餌を食べることが出来ないので、餌の頻度は1日2回、朝と夜に与えてくださいね。
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混泳に向いているの?
ミナミハコフグは成長するにつれて攻撃性が強くなり、鋭い歯で混泳相手をつついてボロボロにしてしまうので、混泳向きではありません。
さらに相手から攻撃されると、驚いた時に毒を水中にまき散らして殺してしまいます。
幼魚の頃は大人しくて混泳しやすいですが、泳ぐのが苦手なので、餌を食べられずに痩せてしまう可能性が高いです。餌やりにだけ注意しておけば、クマノミやデバスズメダイ、ヤッコなどの小型の海水魚と混泳させることが出来ます。
ただ、飼育が大変になるので、幼魚でも成魚でも単独飼育が基本になります。
ミナミハコフグを展示している水族館
日本動物円水族館協会では、生き物別に水族館や動物園で展示情報がわかります。2021年5月時点で、ミナミハコフグを展示している水族館を紹介します。
関東 | アクアパーク品川、 |
---|---|
中部 | のとじま水族館、碧南水族館 |
近畿 | 串本海中公園、大阪海遊館、NIFREL、城崎マリンワールド |
九州 | 海の中道水族館、美ら海水族館 |
参考ページ
ミナミハコフグについてまとめ
今回はミナミハコフグの生態や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
ミナミハコフグは幼魚の時は黄色の美しい体色に小さなヒレをパタパタとさせてかわいく泳ぎ回ることで、衝動買いをしてしまいがちです。
しかし、成長すると地味な体色になるので、大きくなってもかわいがっていけるか確認しておきましょう。
比較的飼育しやすい海水魚なので、興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。