ソバージュネコメガエルは小さい体でありながら、猫の様な鋭い目つきと美しい体色を持ったペットとして人気のカエルです。しかし、入荷数は少なく、価格は高いので入手は困難です。他にも皮膚からはモルヒネの40倍の鎮痛効果のある物質を分泌したりとユニークな生態を持っています。
今回はそんなソバージュネコメガエルの生態や特徴、もっている毒性、寿命、価格相場、おすすめの餌など飼育方法について紹介していきます。
ソバージュネコメガエルの生態と特徴
ソバージュネコメガエルはアマガエル科ネコメカエル属に分類されているカエルの仲間です。アルゼンチンやブラジルなどの南米でもさらに南側に生息しています。乾燥の強く、夜行性で森林地帯の木の上でじっとしていることが多いです。
体色は美しいエメラルドグリーンに白い線上の模様が入っています。名前の通り、目は猫のように縦に細長く、背中や側面の皮膚にはつぶつぶがたくさんついています。
体の大きさ
ソバージュネコメガエルの体長は6cm~8cmになる小型のカエルです。
寿命の長さ
ソバージュネコメガエルの寿命は平均して4年~5年です。
ソバージュネコメガエルのもつ毒性について
ソバージュネコメガエルは別名でワキシーモンキーフロッグと呼ばれています。
名前の由来は乾燥から身を守るために、皮膚からワキシーと呼ばれる水をはじく油のようなワックス状の成分を分泌して全身を覆っています。このワックス状の成分はガン治療などの痛み止めに使われるモルヒネの40倍の鎮痛作用があるデルモルフィンという物質を出します。これを天然の「フロッグジュース」と呼ばれています。
デルモルフィンの効果は依存性が高く、幻覚を見せたり興奮状態にしてしまいます。アメリカでは競馬の馬にデルモルフィンを使用して興奮状態にさせてとして処罰を受けました。違法な薬物ですので、絶対に摂取しないようにしてください。
ソバージュネコメガエルの入荷と値段、販売場所は?
ソバージュネコメガエルはそのかわいさから、養殖された個体が多く入荷されていましたが、今では入荷数が減少して、入荷待ち状態が続いています。
爬虫類専門店や全国で開催されている爬虫類販売イベントでもその姿を見かけることはなく、ショップの店員さんと仲良くなって入荷したらすぐに教えてもらうようにしないといけません。
値段も高価で、1匹あたり1万円~3万円の価格で取引されています。
ソバージュネコメガエルの飼育に必要な設備
必要なもの
- ケージ
- 床材
- 水容器
- ライト
必要なケージの大きさ
ソバージュネコメガエルは木の上で生活しているため、高さのあるケージが必要になります。
ケージの大きさは30cm(横幅)×30cm(奥行き)×45cm(高さ)以上あれば十分です。爬虫類専用ケージである「グラステラリウム 3045」がおすすめです。
ケージ内の蒸れに弱いので、一部分がメッシュ式になっているなど、通気性がいいものを選んでください。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
床材の選び方
床材は吸水性が高いヤシガラマットやハクスチップを使います。掃除の手間を減らしたいのであれば新聞紙やペット用のトイレシートを敷くといいですよ。
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水容器
ソバージュネコメガエルは湿度調整のために水浴びをするので、全身が浸かる大きさの水場が必要になります。
水容器はタッパでも市販の物でも構いませんが、倒されないように注意してください。水は毎日交換して新鮮な状態を維持しましょう。
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ライトは観賞用に
ライトはなくても飼育できますが、鑑賞するのであれば温度が上がらないLEDタイプのライトをつけることをおすすめします。
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レイアウトは流木を立てかける
ソバージュネコメガエルのレイアウトではいくつかの流木を立てかけることで、木に登って落ち着けるスペースを作っておきます。枝は横向きになるようにしてください。
直接日光を嫌うので、ライトをつけるときは陰になるように観葉植物を入れておきましょう。
ソバージュネコメガエルの飼育方法
ソバージュネコメガエルは高温と乾燥に強く、湿度に弱いため、他のカエルとは異なった温湿度管理が必要になってきます。
餌やりについては他のカエルと同様に、活きた昆虫が必要になるので、ストックできるように専用ケージが必要になってきます。
飼育に適している温度
ソバージュネコメガエルに適している温度は22度~28度です。
高温に強いので夏はほとんど問題になりません。しかし、30度を超える日が続くようでしたらエアコンを27度にして温度を下げておきましょう。
冬には冷房を使うか、ケージの上部に暖突というヒーターを設置して、ケージ内の全体を暖めるようにしてくださいね。
場所や環境によっては温度が上がらずに他のヒーターを併用する必要もあります。使い方や選び方については、爬虫類におすすめのヒーターで詳しく紹介しているので、ご参考下さい。
飼育に適している湿度
乾燥に強いですが、湿度が不足しているときには、自分から水容器に近づいて湿度調整をし始めます。そのような行動が見られたら湿度不足ですので、霧吹きをするようにしてください。
反対に高湿度には弱いので、梅雨の時期に湿度が70%を超えるようでしたら、エアコンの除湿をつけてあげる必要があります。
餌は昆虫がメイン
ソバージュネコメガエルの餌はコオロギやデュビア、レッドローチ、ミルワームなどの生きている昆虫が主食になります。
カエルは目の前で動いているものしか餌として認識しないので、直接与えるときはピンセットをつかって目の前で動きをつける必要があります。
慣すことで人工餌や冷凍コオロギを食べてくれるようになるため、様子を見ながら与えてみましょう。
餌の頻度は1日1回、2口分ほど与えると良いですよ。
餌の種類や与え方についてはカエルの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
ソバージュネコメガエルについてまとめ
今回はソバージュネコメガエルの生態や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
皮膚からは鎮痛効果のある油のような物質をだし、乾燥から身を守ったりと、他のカエルにはみられない面白い生態をしています。
かわいい見た目からペットフロッグとして人気が高いですが、現在では入荷数が少なく、入手が難しくなっているのが残念なところです。
飼育では乾燥した環境を用意して、止まり木となる枝をたくさんいれておけば問題なく飼育することができます。
興味を持たれた方はお近くの爬虫類ショップに通って、なんとしてもゲットしてくださいね。
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