サザナミインコはつぶらな瞳がかわいい小型のインコです。鳴き声が小さく、集合住宅でも飼育しやすいですが、神経質な性格で人なつきにくい子もいます。
今回はそんなサザナミインコの特徴や性格、寿命、なつきやすさ、飼育に必要なもの、適している温度など飼育方法を紹介していきます。
サザナミインコの特徴
サザナミインコはオウム目インコ科サザナミインコ属に分類されるインコの仲間です。生息地はメキシコやコロンビア、ペルーなどの中米から南米です。
標高2000m以上の森林地帯に50羽程度の群れで生息しており、涼しくて湿度が高い環境を好んでいます。葉の陰でじっとしていることが多く、日光の下は好みません。
サザナミインコは飛び回るよりも歩き回る方が得意で、地上や枝の間を上手に動きまわります。そのため、他のインコはまっすぐな立ち姿が多いですが、サザナミインコは歩くときや止まっているときは前かがみになります。
漢字では漣鸚哥と書きます。漣(さざなみ)には、「海や池などの水面にできる小さな波」という意味があり、その名の通り、漣のような模様をしています。
1970年代からペットとして飼育され、品種改良も積極的に行われています。野生種は若鳥のときは頭部が青みがかっていますが、成長すると全体的に明るい緑色になります。人気の色だとブルー、クリームイノ、オリーブ、イエロー、ルチノーなどです。他にも珍しい色のスパングルなど多数のカラーバリエーションがみられます。
黒目の大きなつぶらな瞳をしています。また、雌の裸眼輪(らがんりん:目の周りにある輪)は雄よりも小さく、黒目はさらに大きく見えます。
体の大きさ
サザナミインコの大きさは16cmほどになる小型のインコです。体重は45g~55gです。
セキセイインコの大きさが20cmですので、それより一回りほど小さいです。ボタンインコやコザクラインコと同じくらいの大きさです。
寿命の長さ
サザナミインコの寿命は平均して10年〜12年です。10年ほどたつと老化の症状が見え始め、運動能力が落ちてきます。
長く飼育するためのコツや老化の症状についてはインコの寿命で紹介しているので、ご参考ください。
サザナミインコの性格
マイペースで大人しい性格をしており、飼い主になつくので飼育しやすいです。動きもゆったりとしており、落ち着いた雰囲気をみせてくれます。攻撃性が低く、初心者の方にも飼育しやすいです。
神経質で臆病な一面があり、個体によっては人が苦手でなつかないこともあります。コンパニオンバードとして手乗りを楽しみたいときは、購入前に人慣れしているかどうか確認しておきましょう。
機嫌が悪いときは噛む
サザナミインコは人慣れしやすいため、積極的に人の手を噛むようなことはしません。しかし、見たことがない人から不用意に手を近づけると怒って噛むことがあります。
また、自我が芽生える生後8ヶ月〜10ヶ月くらいのときには反抗期で攻撃的になることがあります。時間が経てば落ち着くので、そっとしておいてあげましょう。
噛み癖があるときは矯正が必要です。物を噛もうとしたらおもちゃを差し出して興味を逸らします。それでも噛むようなら、「フッ」と鋭く息を吹きかけて、驚かせましょう。噛むのをやめたらすかさず褒めてあげてくださいね。
鳴き声は小さい
サザナミインコは他のインコと比べて鳴き声が小さく、「ジジジッ」や「キュー」といった小さい声を何度か出します。集合住宅でも飼育しやすいインコです。
鳴き声を出すときは遊んで欲しいときや、飼い主さんが部屋から出た時には寂しくなって呼び鳴きなどがあります。呼び鳴きをやめさせるには、呼び鳴きをしているときは無視をして、鳴き止んだら声をかけてあげましょう。
インコの飼育に慣れている方であれば全く気になりませんが、鳴き声がうるさいと感じるようなら、防音対策としてケージをアクリル板で覆うといいですよ。
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サザナミインコの欠点
サザナミインコは大人しい性格で、鳴き声が小さくて飼育がしやすい種類です。しかし、デメリットとしてはコンパニオンバードとしておしゃべりを楽しむのが難しいことがあげられます。
おしゃべりは苦手
サザナミインコはおしゃべりが苦手なので、会話をするのは難しいです。単純な単語をいくつか覚えてくれる程度です。
機嫌が良くなると、ひとりごとで楽しそうに話し続ける姿を見せてくれます。
おしゃべりは苦手ですが、テレビなどの近くにおいていると意味のない雑音を発することがあります。なるべく静かな環境にケージをおいておき、飼い主さんの言葉を覚えてもらうようにしましょう。
なつかない子もいる
サザナミインコは人になつく性格ですが、個体によっては全く人になつかない子もいます。子供のころから人に餌を与えられていなかったり、触れ合う機会が少ないインコは警戒しやすいです。
そういったインコは手に乗らなかったり、指を近づけると威嚇して噛んできます。
なつかせて遊びたいときは、なるべくヒナを購入するか、最初から人になついているインコを選びましょう。
サザナミインコの飼育に必要なもの
サザナミインコの飼育につようなものについて紹介していきます。初期費用では1万円ほどみておきましょう。
必要なケージの大きさ
サザナミインコに必要なケージの大きさは1辺が35cm以上のものです。
ケージには止まり木や水入れなどがセットになっており、これ一つで飼育を始められるものが多いです。
前面が大きく開くタイプを選ぶと、ケージからインコを出すときに手乗りをさせやすいですよ。
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止まり木
サザナミインコの止まり木はケージの中に2本必要です。止まり木が1本だけだとじっとしている時間が長くなり、運動不足になりやすいです。
止まり木はケージの付属品でもいいのですが、自然木だと場所によって太さが違うので、インコが落ち着いてつかまりやすいです。止まり木の太さは前指の爪先と後ろ指の爪先が当たるか当たらないかくらいの木を選ぶといいですよ。
鍵をかける
サザナミインコは口先が器用なので、ケージの扉を開けてしまうことがあります。脱走を防止するために、クリップをつけておきましょう。
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おもちゃ
サザナミインコの飼育にはおもちゃが必要です。インコは知能が高く、ケージ内で飼育するとストレスがたまりやすいですが、おもちゃで遊ぶことでストレスの解消につながります。
個体によっておもちゃの好き嫌いがあるので、いろんな種類を試してあげましょう。おもちゃは3種類〜5種類ほど用意しておき、飽きないように毎週交換してあげるといいですよ。
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体重計
サザナミインコの放鳥時間に毎日体重を測ります。インコは体調不良が体重にあらわれやすく、運動不足による肥満や餌を食べなくなって痩せたときにすぐに気づけます。
体重の変化がみられたら、注意深く観察してください。
サザナミインコの値段
サザナミインコの値段は雛だと2万円〜3万円、基本種の成鳥だと2万円〜3万円、珍しい色だと4万円〜7万円で販売されています。
人気のインコなのでホームセンターで見つけることができますが、カラーバリエーションが豊富なので、ぜひ鳥専門店に行ってお気に入りの1匹を見つけて欲しいです。また、寿命が10年以上はあるので、いつでも相談できるように仲良くなっておけると安心です。
珍しい色が欲しい方はブリーダーさんが運営しているブログやtwitterで販売情報を載せているので、こまめにチェックしておきましょう。
サザナミインコの飼育方法
サザナミインコは山奥の多湿な環境に生息しているため、温度と湿度の管理は他のインコ以上に気を使わなければなりません。体は丈夫なので、新しい環境に慣れてくると育てやすくなります。
適している温度と湿度
サザナミインコの飼育に適している温度は22度〜28度、湿度は50%〜60%が目安です。高地の涼しくて湿度が高い森林地帯に生息しているため、他のインコと比べて夏の暑さや乾燥に弱いです。
夏の暑さ対策では、ケージを風通しがいい日陰に置いておいておきます。30度を超えた場合は冷房をつけて温度を調整します。
冬の対策では、初めての冬は寒さに弱いので、15度を下回らないように温度を調整してください。翌年以降は寒さに強くなるので、10度を下回らなければ大丈夫です。冬は乾燥しやすいため、加湿器で湿度を調整しましょう。
雛の温度は27度〜30度が適温です。寒さにも暑さにも弱いので、しっかりと温度管理してください。
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おすすめの餌
サザナミインコの餌は人工餌であるペレットをメインに与えます。ペレットは栄養バランスに優れており、これだけで最後まで飼育することができます。
ペレットに慣れないうちはシード(種子)をメインに与えておきます。シードは食いつきがいいですが、他のインコほど消化器官が優れていないため、水を含ませやすいペレットに移行させておく方が安心です。また、シードだけでは栄養不足になるため、ビタミンを補うために小松菜などの野菜を与え、カルシウム不足を補うためにカットルボーンやボレー粉が必要になります。
インコには食べる楽しみも大切です。同じ餌ばかりではなく、たまにはおやつにりんごやバナナ、キウイなどの果物を与えてスキンシップを取りましょう。
餌の種類や与え方についてはインコの餌で紹介しているので、ご参考ください。
放鳥をする
サザナミインコの放鳥時間は毎日、朝に30分、夜に1時間です。放鳥をすることで運動不足を解消したり、飼い主さんとスキンシップをして楽しみます。
放鳥をするときは危険な小物を片付けておいてください。部屋の窓を閉めて脱走できないようにし、カーテンを閉めて窓ガラスに激突しないようにしておきます。
放鳥時間はインコとスキンシップを取る大切な時間です。ながら作業で放鳥をせず、たくさん遊んであげてくださいね。
日光浴をする
サザナミインコは週に2回は日光浴をさせます。日光浴をすることで、カルシウムの吸収に必要なビタミンを体内で生成します。
窓ガラスは紫外線を通さないので網戸にしておきます。しかし、直射日光が苦手なのでカーテンを閉めたり、タオルで覆うなどして、多めに日陰を作ってあげてください。嫌がるような短時間で日光欲をやめてしまっても問題ありません。
水浴びをする
サザナミインコは週に2回は水浴びを行います。多湿な環境を好んでいるため、水浴びをもっとしたそうにしていれば回数を増やしても問題ありません。
水浴びをすることで、白い粉である脂粉を少し予防することができます。
水浴びの方法はお皿に水を張る、霧吹きを直接かけるなどいろいろ方法があるので、その子が気に入る方法を選んでください。
冬でも週に1回は水浴びをさせたいため、温度が上がりやすい日中に水浴びをして、窓際で軽く日光浴させて乾かせるといいですよ。
ケージを掃除する
サザナミインコはたくさんのフンをしたり、脂粉がでてくるので、毎日ケージの掃除をする必要があります。また、水を飲む量が多いので、水分が多いフンをして、ケージは汚れやすいです。
1日1回は底に敷いた新聞紙を交換し、網についたフンをフンかきで擦り落とします。週に1回はケージの底にたまった埃を取り、水入や餌入れのヌメリを水で洗い流します。月に1回は薄めた中性洗剤でケージを丸洗いし、日光で天日干しにします。
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サザナミインコについてまとめ
サザナミインコはつぶらな瞳がとてもかわいい小型のインコです。鳴き声は小さいので、うるさいインコが苦手な方でも飼育しやすいです。
独特な前傾姿勢での歩き方は他のインコに見られない変わった特徴です。カラーバリエーションが豊富なので、お気に入りのカラーの子がきっと見つかるでしょう。
涼しくて多湿な環境を好んでいるため、飼育を始めた最初の1年間は温度と湿度の管理に注意してあげてくださいね。