上部フィルターは水槽の上にろ過槽を置くフィルターで、60cm~90cm水槽で定番です。ろ過力高く、値段が安くて設置が簡単な一方で、音がうるさかったり、水流が強いためすべての熱帯魚で使いやすいものではありません。
今回はそんな上部フィルターのメリットやデメリット、おすすめ商品について紹介していきます。
上部フィルターとは?
上部フィルターはろ過槽を水槽の上部に置き、ポンプで水を送り込み、ろ過槽を通して水を水槽に落とすフィルターです。上部フィルターの部品は大きく分けると、水槽の上に置く長方形のろ過槽、濾過槽にいれるろ材、水をくみ上げるポンプの3つです。
ろ過槽が広いため、中にたくさんのスポンジフィルターやろ材を入れることで、高いろ過力を発揮できます。適している水槽のサイズは45cm~90cm水槽であり、中型水槽のメインフィルターとして使用されています。
上部フィルターのメリット
チェックポイント
- 値段が安い
- 掃除が簡単
- 高いろ過力
- 酸素量が豊富
値段が安い
上部フィルターの最大のメリットは値段の安さです。
60cm水槽や90cm水槽で検討対象になるフィルターは上部フィルターか外部フィルターです。上部フィルターは2000円台から販売されているのに対して、外部フィルターは高機能であるため1万円前後になっています。
飼育が難しい熱帯魚や本格的な水草レイアウトをしないのであれば、上部フィルターで十分です。
掃除が簡単
上部フィルターはろ材の状態を簡単にチェック出来るので、掃除のタイミングも見極めやすいです。
ろ材が汚れていたら、ポンプの電源を止めて、ろ材を取り出すだけですので、時間をかけずに掃除できます。
高いろ過力
上部フィルターはろ過槽が広いため、外掛けフィルターとは比べ物にならない量のろ材が入ります。
セットになっているろ材はスポンジと少しのろ材であることが多く、ろ過槽の広さを活かしてろ過力を上げるためには自分でセパレートを作って水の流れをコントロールするなど、改造する人も多いです。
私はアクリル板を使って水がすべてのろ材を通過するようにしましたが、排水が間に合わずに溢れて使い物にならなかったので、改造は注意してください。
酸素量が多い
上部フィルターは水と空気が接する面が広く、濾過槽では酸素を巻き込みながら水を流すため、水中にたくさんの酸素を含ませることができます。
酸素が多いとフンや餌の食べ残しなどの有害な物質を分解してくれるバクテリアが繁殖しやすかったり、運動量が多い肉食魚や飼育数が多い環境でも安定させることができます。
上部フィルターのデメリット
チェックポイント
- 音がうるさい
- 水流が強い
- フレームレス水槽に使えない
音がうるさい
上部フィルターは音がうるさいです。
ポンプが水を吸い上げる音、ろ過槽内で空気を巻き込む音、水を吐き出して水面に落ちる音など様々です。これらの音が気になる方にはおすすめできません。
水流が強い
上部フィルターは特に水面部分の水流が強く、泳ぎが苦手なメダカやグッピーは体力を消耗してしまいます。
簡易的に水流を弱くしたいときは水の吐き出し口やL字になっていますので、水槽の側面に向けるといいですよ。ただし、水面が大きく波立ったり、水槽全体の水の循環が悪くなってしまいます。
フレームレス水槽に使えない
上部フィルターは以下の理由からフレームレス水槽やオールガラス水槽で使うことはできません。これらの水槽では外部フィルターの使用が基本です。
チェックポイント
- ずれて落下する
- ガラスが割れる
上部フィルターは水槽のふちにあるフレームで固定しますが、フレームのない水槽では少し動かしただけで落下してしまいます。
耐久性にも心配があり、フレームがあることによって上部フィルターの重みをガラス全体に分散させられますが、フレームがないと重さが一部分に集中して割れることがあります。
絶対に使用できないわけではありませんが、水槽が割れると水漏れなど被害が大きいため、リスクをとるのはやめておいてください。
どうしてもフレームレス水槽に上部フィルターを使いたいたければ、メーカーでも推奨はしていませんが、仮フレームになる商品もあります。左右と奥の3点でしっかりと固定してください。
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おすすめの上部フィルター
それではおすすめの上部フィルターを紹介していきます。濾過槽が広いタイプ、細くてすっきりとしたタイプなど様々な商品があります。
紹介する上部フィルター
- メジャーな上部フィルター
- 高さのない上部フィルター
- 高さのある上部フィルタ
- 小型水槽用の上部フィルター
- 大型水槽用の上部フィルター
メジャーな上部フィルターならこれ
「寿工芸トリプルボックス」は名前の通り、ろ過槽が3つある上部フィルターです。3段階でゴミをからめとりながらバクテリアが繁殖しやすいように水を拡散させています。
追加でろ材を購入する必要はなく、これだけでフィルターとして十分に機能してくれます。手軽に強力なろ過を作り出すことができるため、もっともおすすめです。
高さは18cmほどあるので、少し圧迫感があります。
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高さのない上部フィルター
「ニッソー スライドプラスフィルター」は高さが12cmと低い上部フィルターです。圧迫感が少なく、スリムタイプの蛍光灯と併用することで水槽周りがスッキリとします。
その分、ろ過槽は狭くなっており、スポンジフィルターだけのシンプルな構造になっています。
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高さのある上部フィルター
「ジェックス グランデ」は元から高さのある上部フィルターですが、専用のろ過槽を追加で購入することで、ろ過槽を上段と下段の2段に増やすことができます。ろ過力の高さはろ過槽の広さに比例するので、最強の上部フィルターとして使うことが出来ます。
ろ過強化のために特殊な改造をすることなく、市販のもので濾過槽の容量をサイズアップすることができますので、自由に大量のろ材や活性炭をネットでくるんで入れるのも簡単です。水が汚れやすい中型魚や過密飼育で使用します。
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小型水槽用の上部フィルター
「水作 ブリッジフリー」は30cm水槽~40cm水槽の小型水槽で使用できる上部フィルターです。小型水槽で外掛けフィルターよりも高いろ過力がほしい方におすすめです。
水の吐き出し口はスプリンクラー式で水流を弱める工夫がされています。左右にはフックがあり、フレームレス水槽でも使用することができます。
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大型水槽用の上部フィルター
90cm以上の水槽であれば寿工芸のスーパーターボシリーズがおすすめです。
90cm水槽用ではろ過槽が2つ、120cm水槽用ではろ過槽が3つあります。ろ材はついていないので、別途購入しておきましょう。
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上部フィルターについてまとめ
今回は上部フィルターの特徴やおすすめ商品について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
上部フィルターはろ過槽が大きいため、60cm水槽~90cm水槽の中型水槽で十分なろ過力を発揮してくれます。
商品によっては高さの抑えたスリムタイプや、とことん高くしてろ過力を引き上げたもの、ウールマットではなく、ろ材を中心にろ過しているものなど様々です。
ご自身の飼育環境に合わせて、最適な上部フィルターを選んでくださいね。
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