電気ナマズは電気を出すナマズとして有名で、電気ウナギと一緒に水族館などでみかけることがよくあります。
今回はそんな電気ナマズについて生態や放電の仕組み、飼育難易度、寿命、水槽の大きさなど飼育方法を詳しく紹介していきます。
電気ナマズ(デンキナマズ)とは?生態と特徴
電気ナマズはナマズ目デンキナマズ科に属している淡水魚です。ずんぐりとした丸みのある短い体と、くりくりとした小さい目がかわいい大型のナマズです。
目が退化している代わりに、口先についた長くて敏感なヒゲで獲物を見つけられます。とても臆病な性格をしているため、普段は真っ暗な岩場の隙間に身を隠しており、夜になると餌を探して泳ぎ始めます。
生息地
ナイル川やタンガニーカなどのアフリカの淡水に生息しています。生息地によって個体差があり、ザイール川に生息している種類は鼻先が長く、ロングノーズデンキナマズと呼ばれています。
体の大きさ
デンキナマズは最大で60cmの大きさまで成長します。たくさん餌を食べるため、どの個体でも大きくなり、平均して50cmを超えてきます。
寿命の長さ
デンキナマズの寿命は平均で7年です。自然界での方が長生きしやすく、最長で10年は生きることができます。
電気ナマズが放電する仕組み
※画像はデンキウナギです。
電気ナマズは危険を感じた時や驚いたとき、獲物である小魚を見つけたときは最大で450ボルトの強力な電気を発生させます。人によっては気絶してしまうこともあるので、絶対に素手で水槽の中に手を入れないようにしてください。
発電板と呼ばれる非常に弱い電気を発電する細胞を持っており、たくさんの発電板を繋ぐことで強力な電気を発生させることができます。電気ウナギはさらに多くの発電板を持っており、最大で800ボルトの電気を発することができます。
放電するときは電気ナマズ自身も感電していますが、分厚い脂肪で体を体を守ることができています。痩せていると個体によっては少しだけ気絶することがあります。
電気ナマズの飼育方法
電気ナマズは体の大きさや病気のかかりやすさから初心者には飼育が難しい魚です。特に初期費用では10万円以上かかるので、かなりの電気ナマズ愛がなければ、飼育を始めることは難しいでしょう。
ある程度熱帯魚の飼育に慣れてきてからはじめてみてくださいね。
水槽と周辺器具
とても体が大きい魚ですが、泳ぎ回ることはないので、120cm(横幅)×60cm(奥行き)の水槽で生涯飼育することができます。
フンの量がかなり多いので、物理濾過に優れている上部フィルターと補助に投げ込み式フィルターを用意しておきましょう。フンはすぐ取り除くようにして、こまめにスポンジを掃除してください。
水槽のレイアウトはなにもいれないシンプルなものにして、掃除のしやすさを優先してください。
値段と販売場所
電気ナマズの値段は1匹あたり7,000円前後で販売されています。販売量はかなり少ないので、熱帯魚専門店で入荷の確認をするか、ネット通販で購入するといいですよ。
飼育に適している水温
電気ナマズに適している水温は24度から27度です。低水温に弱いので、冬はヒーターを必ず用意してあげてください。
水温の変化にも弱いので、昼夜の気温差が激しい秋と春にもヒーターを稼働させていると安心です。
餌は人工餌がメイン
電気ナマズは好き嫌いが少なく、餌のトラブルはあまりありません。肉食魚ですので、肉食魚専用餌であるキャットなどの人工飼料を主食に使うといいですよ。導入したばかりで食いつきが悪いときは小赤などの生き餌を用意してあげてください。
餌が少ないと痩せやすいので、量が足りているか毎日観察しておいてください。餌の頻度は1日2回、2分前後で食べきれる量を与えます。
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混泳には向いていない
電気ナマズは縄張り意識が強く、放電して混泳相手を殺してしまうことがあるので、単独飼育が基本です。
超大型の水槽で同じくらいの大きさな魚であればうまくいくこともあります。混泳相手は同じデンキナマズやおとなしいショベルノーズキャットなどのナマズの仲間がおすすめです。
かかりやすい病気と治療方法
電気ナマズは病気にかかりやすく治療をするにしても薬に弱いので、完治に時間がかかり飼育難易度が高めです。しっかりと水換えをして予防に努めてくださいね。
白点病
全身が白い点々に覆われる病気で、入荷時の体力が弱っているときにかかりやすいです。高水温に弱いので、初期段階であれば水温を28度にして1週間様子を見てください。悪化するようでしたらメチレンブルーを規定量の1/5に薄めて薬浴してください。
水カビ病
白いワタのようなものが体表に付着する病気で、体の傷口から細菌が侵入することで発症します。体力がもどることで完治することがあるので、水換えをして様子を見てください。治らないときはアクアセイフを患部に直接塗り込みましょう。
エラ病
ウロコを持っておらず、エラに寄生虫がつきやすいナマズの仲間によくみられる病気です。放置しているとどんどん体力を奪われるでの、水温を28度まであげて、3日に1回水換えをしてください。
電気ナマズについてまとめ
今回は電気ナマズの生態や飼育方法についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
放電できる珍しい魚であると同時に、普通に販売されており、自宅で飼育することもできてしまいます。しかし、飼育の難易度は高く、初心者におすすめできる魚ではありません。
しかし、ナマズ特有のかわいい姿を自宅で味わえる幸せもまたいいものですので、ぜひ飼育者としてレベルアップしてから挑戦してみてくださいね。