オヤニラミはいかつい顔つきと攻撃性の強い性格で、野性味溢れる肉食魚好きにはたまらない日本の魚です。
今回はそんなオヤニラミについて生態や特徴、おすすめの餌、混泳方法、水槽の環境など飼育方法を詳しく紹介していきます。
オヤニラミの特徴
オヤニラミはスズキの仲間で、朝鮮半島や日本の大阪より西側の本州や四国、九州地方に生息しています。大きな河川の中域から下流の流れが遅く、綺麗な水を好んでいます。
名前の由来は産卵した卵を親が守るのですが、その時の攻撃性が強く、親魚が相手をにらむような姿をすることからオヤニラミと名付けられました。
エラの後方には大きな黒い斑点模様があり、体の側面には6本前後の横縞があります。体色は地域や個体差が激しく、黒い個体から緑色、黄色、茶色など様々です。
肉食性で口に入る大きさの生き物ならなんでも食べてしまいます。メインの餌は小魚やエビ、昆虫などです。
繁殖期は見事な婚姻色になる
オヤニラミは気温が暖かくなる5月〜9月に繁殖期に入り、体色は鮮やかとなり見事な婚姻色をみせてくれます。同時に水草や流木の間をテリトリーにして、オス同士で激しく縄張り争いを行います。メスは細長い枝を産卵床として、粘着性の卵を200個前後産卵します。
体の大きさ
オヤニラミの大きさは最大で13cmになる中型の淡水魚です。しかし、飼育下では運動や餌不足で体を大きくするのは難しく、10cm前後の大きさで止まることがあります。
寿命の長さ
オヤニラミの寿命は平均して5年です。体が丈夫なので、水槽飼育では長生きさせやすいです。生後2年で成熟して繁殖が可能になります。
オヤニラミの入手方法
野生で採集するのは禁止されている
オヤニラミは日本で生息数を減らしており、絶滅危惧IB類という近い将来絶滅してしまう魚として登録されています。
大変貴重な魚ですので、野生種を捕獲して飼育することは禁じられています。飼育する時は販売されている個体を探しましょう。
ネットで購入する
オヤニラミは5cm前後の幼魚が1匹2,000円前後で販売されています。ホームセンターや熱帯魚専門店にはほとんど販売されていないので、ネット通販で探してみましょう。
成長速度は速く、1年で8cm、2年目には10cm前後まで大きくなります。
オヤニラミの飼育に必要な設備
オヤニラミは体が小さく、日本の魚なので、水槽の設備も金魚などで使うものを同じで大丈夫です。
必要な水槽の大きさ
オヤニラミは45cm以上の水槽であれば飼育することができます。泳ぎ回るタイプではないのでこの大きさで十分です。
おすすめの45cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
ろ過フィルターの選び方
オヤニラミは餌をよく食べ、たくさんのフンをするので、ろ過フィルターは掃除が簡単な上部フィルターがおすすめです。
上部フィルターは60cm水槽で使うことが多いですが、45cm水槽用もあります。おすすめの上部フィルターで紹介しているので、ご参考ください。
2週間に1回はスポンジを洗ってあげてくださいね。
ライト
ライトなしで薄暗い環境にすると体色も薄くなるので、観賞用に飼育するならライトをいれておきましょう。オヤニラミは明るすぎる環境は苦手なので、嫌がるようなら光量を調整してください。
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脱走防止の水槽の蓋
オヤニラミは驚いて水面を飛び跳ねることが多いので、飛び出し事故を防ぐために水槽の蓋は隙間なくしっかりとしておいてくださいね。
オヤニラミの飼育方法
オヤニラミは体が丈夫で飼育しやすい淡水魚です。肉食性が強く、野性味溢れる日本の魚の飼育を満喫してくださいね。長く飼育していると飼い主の顔を覚えて、なつくようになりますので、大切に育ててあげてくださいね。
飼育に適している水温と水質
オヤニラミに適している水温は15度〜27度です。
冬の低水温に強く、5度を下回ると越冬をします。しかし、全く動かなくなるので鑑賞したいときはおすすめの水槽用のヒーターをいれてあげましょう。
高水温には弱いので、30度を超える日が続くときは冷却ファンを取り付けてあげてください。
水質は弱酸性から中性を好んでいます。適応力が高いので、あまり気にする必要はありませんよ。ただ、綺麗な水を好むので、週に1回は1/3ほど水を交換するようにしてください。
水槽のレイアウトは隠れ家を多めに
オヤニラミは攻撃性が強いと同時に臆病な性格をしているため、隠れ家をたくさん用意してあげる必要があります。
レイアウトには生息地を意識して、細長い枝を複数置いて、セキショウモなどの日本の水草を入れてあげましょう。
強い水流は嫌がって逃げてしまうので、遊泳スペースに出てきてくれるかどうか確認しながら調整してください。
人工餌で餌付けしよう
オヤニラミは餌の好き嫌いが少ないので、人工餌も餌付けすることができます。
野生のオヤニラミはいきなりは人工餌を食べないので、最初は冷凍赤虫やクリルなど生き餌に近い餌から慣らしていき、人工餌を食べさせるようにしてください。人工飼料は肉食魚用のキャットがおすすめです。
食いつきが悪いときはメダカなどの小魚を用意する必要があります。
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かかりやすい病気と治療方法
オヤニラミは体が丈夫ですが、水質悪化が原因で体力が落ちているときに病気にかかることがあります。
体をこすりつける
オヤニラミは体の傷口に寄生虫がついていることがあり、かゆさから石や底砂に体をこすりつけるようになります。薬には強くないので、そういった魚にも使えるマラカイトグリーンで1週間薬浴してください。
体表のただれ
オヤニラミはウロコが剥がれたり、赤く出血している時があります。
飼育数が多かったり、石などの障害物に当たった時にできた擦り傷から水中のカビが感染することが原因です。自己治癒力を高めるために、週に2回は水換えを行なって、水温を27度にし、0.5%の食塩水で1週間塩浴してください。
オヤニラミは混泳に向いている
オヤニラミは口に入らないサイズの魚であれば混泳することができます。
同じ水中を泳ぎ回る川魚であればフナやタナゴ、カワムツ、アブラハヤがおすすめです。
水底に生活する魚とは喧嘩になることは少なく、どじょう、ヨシノボリ、カマツカ、ドンコなども相性が良いです。
オヤニラミ同士の混泳は危険
オヤニラミ同士は縄張り争いすることが多く、喧嘩が多いので、混泳は難しいです。
特に繁殖時期になるとオス同士の喧嘩が増えるので、混泳はさけておきましょう。5cm以下の幼魚でも喧嘩してしまうので、流木や水草などの隠れ家を増やしておいてください。
オヤニラミについてのまとめ
オヤニラミの飼育方法についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
飼育の時は、混泳相手に注意をして、水槽の環境と新鮮な水を保つことを忘れないでくださいね。
日本の生き物ではありますが、生態系を壊すほど強い魚でもありますので、地域によっては放流は禁止されています。最後まで面倒を見れるようにしっかりと準備しておきましょう。
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