ヤドクガエルは猛毒のイメージが強いですが、レイアウトに映える美しい体色と、小さな体つきからペットとして人気を集めています。
今回はそんなヤドクガエルの生態や毒性、天敵、おすすめの餌、レイアウトなど飼育方法について詳しく紹介していきます。
ヤドクガエルの生態と特徴
ヤドクガエルは原色に近い美しい体色で熱帯雨林の生きた宝石を呼ばれています。南米のスリナムやブラジル、コロンビアなどの熱帯雨林に生息しています。川の近くにある草陰など多湿な場所を好んでいます。完全な肉食性で小型の昆虫を捕食しています。
ヤドクガエルのもつ毒性
ヤドクガエルの毒性はかなり強く、牛一頭を軽く殺してしまえるくらいの猛毒をもっています。名前の由来は矢の先に毒をつけるために使用されたからと言われています。
自分の体内で毒を作れるわけではなく、毒を持っているアリなどの昆虫を捕食することで体内に毒を蓄えているため、飼育環境では皮膚の毒性は失われていきます。しかし、少しでも毒を持っている可能性があるので、直接触るのはやめておきましょう。
強力な毒を持っていますが、食べられてしまっては意味がないので、危険信号として非常に派手な体色を持っています。実は小動物や昆虫には色を識別できる生き物は少ないのですが、色のコントラストの強さは見分けられるので、その強さによって食べたら危険と判断しています。
それでも自然界には天敵が存在しており、ノハラツヤヘビの仲間はヤドクガエルの猛毒に耐性があり、好んでヤドクガエルを捕食します。
体の大きさ
ヤドクガエルの大きさは平均して3cm、最大でも4cmにしかならない小型のカエルです。
寿命の長さ
ヤドクガエルの寿命は平均して10年、最長だと12年は生きることができます。
ヤドクガエルの種類
ヤドクガエルはカラーバリエーションが豊富で、同一の種類でも同じ模様はいないと言われています。とてもコレクション性が高いため、お気に入りの1匹を探してあげてくださいね。
コバルトヤドクガエル
生息地 | スリナム、ブラジルなどの南米 |
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大きさ | 4cm〜4.5cm |
コバルトヤドクガエルはコバルトブルーをベースに黒い斑点模様がついている種類です。ヤドクガエルの中でも最も人気があります。
マダラヤドクガエル
生息地 | ホンジュラス、コロンビアなどの南米 |
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大きさ | 3cm〜4cm |
マダラヤドクガエルはエメラルドグリーンをベースに黒いスポット模様がついている種類です。体色の個体差が激しく、黒い模様が全くない個体もいます。
イチゴヤドクガエル
生息地 | パナマなどの南米 |
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大きさ | 2cm |
イチゴヤドクガエルの体色は名前の通りイチゴのような真っ赤な体色に群青色の足をしているヤドクガエルです。しかし、カラーバリエーションが豊富で赤色をもっていないイチゴヤドクガエルもいるため、赤色だけで見分けることが出来ません。
体の大きさが2cmととても小さく、飼育下では餌を用意するのが大変です。
アイゾメヤドクガエル
生息地 | スリナム、ブラジルなどの南米 |
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大きさ | 4cm〜5cm |
アイゾメヤドクガエルは名前の通り藍色に染まっている種類です。模様のカラーバリエーションが豊富で黄色や黒色などコレクション性が高いです。
ヤドクガエルの値段と入手場所
ヤドクガエルの生体の値段は2万円〜3万円で販売されています。
ホームセンターにはめったに売っていないので、両生類専門店かネット通販を利用しましょう。ネット通販であれば珍しい種類やペアでの販売もしており、feverやCANDLEがおすすめです。
ヤドクガエルの飼育環境
ヤドクガエルは多湿の環境を好むため、他のカエルとは違う特殊な環境を用意する必要があります。必要なお金も必然的に増えてしまい、初期費用では7万円ほどみておく必要があります。
必要なもの
- ケージ
- 水容器
- 照明
必要なケージの大きさ
基本的には地表を移動していますが、草木にも登るためケージは高さも必要になってきます。ケージの大きさは最低でも横幅で30cm、複数飼育したいときは横幅60cm必要です。縦幅は40cm以上あれば問題ありません。
湿度を保つためにケージは前開きタイプのガラス水槽を選んでください。通気性も必要なので、完全密封タイプではなくメッシュ式がおすすめです。餌となる昆虫が5mm前後と小型なので、隙間から逃げ出さないように注意してくださいね。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
水浴びのための水容器
ヤドクガエルは乾燥に弱く、皮膚から水分を吸収するため、全身を浸かることができる水の容器を準備してください。水質悪化すると体調も悪くなるため、2日に1回は新鮮な水に交換してあげてくださいね。
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床材の選び方
ヤドクガエルの床材では、シンプルなレイアウトでは保湿性が高い水苔やソイルを使い、観葉植物をいれる時は肥料を含んでいる園芸用の床材がおすすめです。
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ライトは観賞用に
ヤドクガエルには光を必要としていませんが、レイアウトに観葉植物を入れるときは強い光量が大切になります。
温度が上がりすぎないように、LEDタイプのものを選びましょう。
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レイアウトはビバリウムが人気
レイアウトには草木が生い茂った緑の環境を用意することで、ヤドクガエルの原色に近い美しさをより際立たせることができます。
そのためビバリウムやテラリウムといった自然環境を再現したレイアウトが人気です。この環境を作り上げると、ミスティングシステムと合間って、フンなどの排泄物も植物の肥料となるので管理の手間を減らすことができます。
水苔や観葉植物、樹皮でできたコルクなどの隠れ家をたくさんいれてあげてください。おすすめの観葉植物はプロメリアで、繁殖にも使ってくれますよ。
ヤドクガエルの飼育方法
ヤドクガエルは飼育環境にはくせがあるので、最初に準備するのが大変ですが、いったん完成すると手間はかかりません。湿度を管理する環境と十分に生き餌を与えることが大切ですよ。
餌は小さい昆虫を用意する
ヤドクガエルの餌は生き餌を与えます。人工飼料は食べません。
体の大きさが3cmと小型の生き物なので、小さい生き餌が必要になります。餌には5mm前後の孵化したばかりのコオロギやショウジョウバエ、トビムシなどを用意します。これらの餌をコンスタントに用意するためには自分で繁殖させるしかありません。ショウジョウバエはネットショップや爬虫類専門店で販売されているので、入手しましょう。
また、昆虫食だけでは栄養が偏るので、餌にはカルシウム剤を栄養を調整してください。
たくさんの餌を食べるので、量が少ないとすぐに痩せてしまいます。餌の量は1日に10匹は与えてくださいね。
餌の種類や与え方についてはカエルの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
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適している温度
ヤドクガエルに適している温度は20度〜28度です。高温に弱いので夏場はクーラーをつけ、冬は爬虫類専用のパネルヒーターを使います。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
飼育に適している湿度
ヤドクガエルに適している湿度は70%~80%と高く、1日5回ほど霧吹きする必要があります。
非常に手間で難しいので、自動で設定した時間に空気中に霧吹きできるようにミスティングシステムの導入をおすすめします。
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複数飼育に向いている性格
ヤドクガエルはおとなしい性格で複数飼いすることができます。そのときは横幅60cm以上のケージを準備してあげてください。
オスとメスのペアにして、プロメリアをいれておけば自然と繁殖もしてくれるので、飼育に慣れてきたら挑戦してみましょう。植物の葉の間に産卵を行い、孵化すると水場におたまじゃくしを移動させるので、十分のサイズの水容器を準備してください。
ヤドクガエルについてまとめ
ヤドクガエルの生態や飼育方法についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
最近では飼育道具も揃ってきているので、飼育難易度はかなり下がってきました。美しいだけではなく、慣れてくると繁殖にも挑戦できるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
ヤドクガエルによく似ているカエルにモウドクフキヤガエルというカエルがいます。モウドクフキヤガエの特徴と飼育方法で紹介しているので、ご参考ください。
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