シュレーゲルアオガエルはとぼけたような顔がかわいい日本のカエルです。見た目はアマガエルにそっくりで間違える人もかなり多いです。身近な生き物ではありますが、飼育は難しく初心者向けではありません。
今回はそんなシュレーゲルアオガエルの生態や鳴き声、アマガエルとの違い、入手方法、寿命、餌など飼育方法について紹介していきます。
シュレーゲルアオガエルの生態と特徴
シュレーゲルアオガエルは両生綱アオガエル科に分類されるカエルの仲間です。日本の本州、四国、九州地方に生息しています。ほとんどの時間を草木の多い場所で生活しており水中を泳ぐことはほとんどありません。田んぼや湖など湿気の多い森林を好んで生活しています。
シュレーゲルという名前から外来種のようなイメージを持たれますが、名前の由来は本種の研究を行っていたオランダ人のシュレーゲル博士が名付けただけで、日本の固有種です。
背中には模様がなく、緑一色の美しい体色を持っています。カエルでシュレーゲルタイプと呼ぶときは模様がないカエルを指すことが多いです。
食性はオタマジャクシの頃は藻や植物性プランクトン、小魚の死骸など何でも食べる雑食性で、カエルになると小バエやコオロギなど口に入る大きさの生き物を食べる肉食性になります。
体の大きさ
シュレーゲルアオガエルの大きさは4cm~5cmの小型のカエルです。
寿命の長さ
シュレーゲルアオガエルの寿命は平均して5年~7年です。2ヶ月ほどは幼生のオタマジャクシで過ごします。
シュレーゲルアオガエルの鳴き声
シュレーゲルアオガエルは繁殖時期の4月~6月になるとオスが鳴き始めます。
鳴き声は「コロロロロロッ」と低めで長い声を発します。アマガエルは「ゲコゲコ」、モリアオガエルは「コロロッ」と短い鳴き声になっているので、見分けることが出来ます。
シューレゲルアオガエルは落ち葉の下や土の中、岩の隙間で鳴くことが多いため、鳴いている姿を見つけるのはなかなか大変です。
シュレーゲルアオガエルと他のカエルとの違い
シュレーゲルアオガエルとよく似ているカエルにアマガエルとモリアオガエルの2種類がいます。
どのカエルも緑色なので違いを知っていなければ、見分けることが難しいです。
シュレーゲルアオガエルとモリアオガエルの違い
モリアオガエルは日本の固有種でシュレーゲルアオガエルと同様に草木の多い場所で生活するカエルです。
見分け方は次の4つになります。最初に背中の模様をチェックして、わからなければ目の周りの色をみてみましょう。
チェックポイント
- モリアオガエルの体色は地域差が激しいですが、背中に模様があれば確実にモリアオガエル
- モリアオガエルの目の周りは赤く、シュレーゲルアオガエルは黄色
- モリアオガエルの大きさは6cm~8cmと一回り大きい
- モリアオガエルはシュレーゲルアオガエルに比べて水かきが発達している
シュレーゲルアオガエルとアマガエルの違い
アマガエルは日本だけではなく中国やロシアに分布しており、田んぼに生息しているので、人里でもよく見かけるカエルです。
見分け方は次の2つになります。茶色のラインで見分けるのが簡単です。
チェックポイント
- アマガエルは目の後ろに茶色のラインがあるが、シュレーガエルアオガエルは緑色のラインになっている。
- アマガエルの口先は丸みを帯びているが、シュレーゲルアオガエルはシャープに尖っています。
シュレーゲルアオガエルの入手方法
シュレーゲルアオガエルはペットショップで販売されていることが少ないため、手間ですが、自然で採集するのがおすすめです。
野生で捕獲する
シュレーガエルオアガエルは鳴き声を頼りに探すのをおすすめします。
4月~8月にかけて繁殖活動が活発になるので、その時期になったら夜間に山地にある水田や沼地に向かいましょう。
鳴き声が聞こえたら、土の中や岩陰に身を潜めているので、音を出さないように注意深く探し、みつけたら網で優しく採集しましょう。
購入する
シュレーゲルアオガエルの生体の値段は1,000円~1,500円で販売されています。
ペットショップでもほとんど販売されていないため、何度も通って入荷されるのを待ちましょう。
シュレーゲルアオガエルの飼育方法
シュレーゲルアオガエルの飼育は難しく、初心者向きではありません。
その理由は生きた餌しか食べず、体が小さいので、小さい昆虫を用意する必要があるからです。
飼育に必要な水槽と器具
シュレーゲルアオガエルの飼育容器は熱帯魚の飼育で使用するガラス水槽を使います。運動量があるため、最低でも60cmのガラス水槽を用意してください。おすすめの60cm水槽で紹介しています。
床材にはソイルなど植物用向けの栄養分を含んだものを、レイアウトでは流木に水苔を活着して湿度を保ち、日陰を作るために葉の大きな観葉植物をなるべく植えてあげましょう。
毎日2回は霧吹きをして湿度を保ってあげましょう。
大きな水場は必要ありませんが、全身がつかるくらいの水容器を設置してください。水は毎日交換して新鮮な状態をキープしてくださいね。
必要なもの
- 水槽
- ろ過フィルター
- ライト
- 床材
- 水槽の蓋
適している温度
シュレーアゲルアオガエルに適している温度は16度~24度です。
冬眠をすることが出来ますが、飼育下では難しく、乾燥で死んでしまうことが多いため、なるべく加温するようにしてください。
ヒーターはパネルヒーターをケージの側面に貼り付けて、暖めるようにします。他のヒーターとの比較や使い方については爬虫類におすすめのヒーターで詳しく紹介しているので、ご参考下さい。
おすすめの餌
シュレーゲルアオガエルは動いている餌しか食べないので、体の大きさに合った昆虫を用意する必要があります。
飼育下での主食はデュビアやレッドローチなどのゴキブリ、コオロギの最小サイズになります。
この大きさの餌は3cmほどに成長したシュレーゲルアオガエルであれば食べることが出来ますが、それまでの間は自分で昆虫を繁殖させて与える必要があります。デュビアの繁殖は簡単なので、繁殖用のケージを用意しておきましょう。
春~夏の暖かい季節であれば草原にたくさんの羽虫がいますので、10分ほど草むらに向かって網を振り回せばたくさんの餌を捕まえられるのでおすすめですよ。
餌の頻度は、餌切れに注意して、毎日食べられるだけ与えてください。
餌についてはヤドクガエルに近いため、ヤドクガエルの飼育方法も参考にしてみてくださいね。
シュレーゲルアオガエルについてまとめ
今回は外来種を思わせる美しい体色を持ったシュレーゲルアオガエルについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
同じく日本に生息しているアマガエルやモリアオガエルと見た目がそっくりなので、見分け方はぜひ覚えておいてくださいね。
体が小さいので、飼育はとても大変で初心者にはおすすめできません。先に餌を確保できるか確認しておきましょう。
飼育が出来れば、美しい鳴き声を自宅で聞くことも出来ますので、癒やされること間違いありません。ぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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