プラナリアは日本の綺麗な河川に生息する生き物で、高い再生力を持っており、カッターナイフで切断すると分裂して、数を増やすことが出来ます。この不思議な力は理科の教科書で紹介されていたり、研究が盛んに行われています。
今回はそんなプラナリアの生態や特徴、再生の仕組み、水槽への害、駆除方法など詳しく紹介していきます。
プラナリアってどんな生き物なの?
プラナリアは扁形動物(へんけいどうぶつ)門ウズムシ目に分類されている動物の総称です。扁形動物は体が平らで、呼吸器官や血液を持っていません。ウズムシとは漢字で渦虫と記載し、体に渦巻き状の細かい毛が生えている生き物です。この毛を地面に引っかけることで動き回ります。単細胞生物ではなく多細胞生物です
頭部は三角形で三角形で目がついています。この目は光を判断することができるので、乾燥が苦手なプラナリアが光から逃げるのに役立ちます。
雑食性で自然界での主な餌は小さい水生昆虫や魚の死骸です。
生息地
プラナリアはアジア、アフリカ、南米、オーストラリア、日本など世界中の河川に生息している淡水の生き物です。特に川の上流や水田など水が綺麗な場所を好んでおり、石や流木の陰に隠れています。
体の大きさ
プラナリアの体長は平均して1cm~4cmの大きさになります。
寿命と死因
プラナリアは大きくなると分裂を行うため、寿命はありません。分裂後に小さい体になって、また成長を始めます。
死なないわけではなく、水質の悪化や餓死、捕食されることで死んでしまいます。
繁殖方法
プラナリアの繁殖方法は程度成長したら自分で体を切断して、頭と体がそれぞれ独立して動き出し、再生して増えていきます。この繁殖方法を無性生殖といい、オスとメスが不要なので、簡単に繁殖できますが、親と全く同じ遺伝子を生成することが出来ます。
しかし、水質など環境が悪化してくると、厳しい環境でも生きていける強い子供を産むために、オスとメスに性別が分かれ、繁殖し産卵を行います。
プラナリアの再生力
プラナリアは再生力が高く、カッターナイフで体を半分に切断すると頭部と下部が独立して動き出し、1週間ほどで足りない部分を再生することが出来ます。
再生の仕組みは、どんな体の部分にもなれる「全能性幹細胞」といわれる特殊な細胞をもっており、この細胞によって分裂後に足りない体の部分を作り出すことができます。
なので、縦に切っても横に切っても再生することが出来ます。
しかし、全ての細胞が「全能性幹細胞」ではなく、通常の細胞も持っているので、「全能性幹細胞」がない通常の細胞だけのところを切断すると再生しませんし、ミキサーでバラバラにすると死んでしまいます。世界の研究記録では100等分でも100匹に分かれて、再生することが確認されています。
プラナリアの入手方法
採集する
プラナリアは綺麗な川であればどこにでもいるような生き物です。プラナリアが生息している川は水が綺麗な証拠とも言えます。
見つけ方はとても簡単で、水に接している大きめの石や流木をひっくり返すことで、裏側にへばりついています。3個~5個ほどひっくり返してみて、見つからなければ捜索場所を変えていきましょう。
冬には活動していないので、春~夏の暖かい時期に探しに行くと良いですよ。
値段と販売場所
プラナリアは1匹あたり100円ほどの値段で購入することが出来ます。
ペットショップにはほとんど販売されていないので、ネット通販であれば容易に入手することが出来ます。熱帯魚屋の水槽の壁面にへばりついていることもあるので、もらえるか交渉してみるのもいいですよ。
水槽に発生したプラナリアを駆除する方法
プラナリアはペットショップで購入した流木や水草にくっついていることが多く、そのまま水槽に入れると水槽内で繁殖してしまいます。スネールのように爆発的に増えるわけではありませんが、隙間に隠れるので、完全に駆除することが難しく徐々に増えていってしまいます。
直接的な害もあり、肉食性でメダカの卵や弱っている稚エビを食べてしまいますし、何よりも水槽の景観が悪くなってしまうので、早めに処分してしまいましょう。
餌を減らして餓死させる
飼育下でのプラナリアは熱帯魚が食べ残した餌を食べて成長しており、餌がなければ餓死してしまいます。
ミナミヌマエビやヤマトヌマエビ、オトシンクルスなどのコケ取りする生き物を飼育していれば、プラナリアの数は徐々に減っていきます。他にもコケ取りする生き物一覧で紹介しているので、ご参考ください。
熱帯魚を飼育しているときは一口で綺麗に食べられる餌を与え、食後はすぐにホースを使って、底にたまった見えにくい餌もしっかりと取り除いてください。
プラナリアを処分する商品
プラナリアを駆除する商品は3つほど有名なものがあります。
「プラナリアハンター」は粉状の薬剤で、水に溶かして、専用の注射器でプラナリア直接液体を拭きかけることで殺します。天然成分で害はないため、水草や魚やエビをいれたまま使用することが出来ます。他にもヒルやヒドラ、スネールにも効果があります。手間はかかりますが、数が集中しているときは一網打尽にすることが出来ます。
「プラナリアキャッチャー」はプラナリアをおびき寄せる餌を使って、捕獲するための商品です。1週間ほど水槽においておくことで多くのプラナリアを捕獲することが出来ますよ。生き残りが出る可能性が高いです。
「プラナリアZERO」は粉状の薬剤を飼育水にいれると、1週間程度でプラナリアだけを殺すことが出来ます。殲滅力があり、もっとも人気の方法です。
商品情報と価格をチェック
プラナリアを食べる生き物をいれる
プラナリアを食べてくれる生き物は少なく、スジエビや金魚、ドワーフグラミー、ピグミーグラミー、チェリーバルブなどになります。害虫駆除する生き物でも紹介しているので、ご参考ください。
全く食べてくれない個体の方が多く、精度の高い対処方法ではありません。餌の量を減らして、お腹が空いている状態で食べてくれるのを待ちましょう。
プラナリアについてまとめ
今回はプラナリアの生態や再生力、駆除方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
プラナリアは高い再生能力をもっているだけではなく、脳を持っていたり、共食いで相手の記憶を引き継いだり奇妙な力を多く持っており、研究者の興味を欠くことがありません。
そんなユニークなプラナリアですが、水槽では景観を損なう害虫ととして嫌われています。もし水槽に発生したら増えていってしまうので、早めに対応していきましょう。
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