アカハライモリはとてもかわいい見た目をしており、飼育者にもなついてくれるため、ペットとして人気があるイモリです。
今回はそんなアカハライモリについて生態や特徴、繁殖、値段、混泳、病気、冬眠の方法など飼育方法を詳しく紹介していきます。
アカハライモリの生態と特徴
アカハライモリは名前の通り、お腹に赤色やオレンジ色のまだら模様が入っており、背中は黒くコントラストが綺麗なイモリです。
1ヶ月に1回ほど脱皮のようなことを行いますが、ヤモリと違って正確な脱皮ではなく、人間の古い皮膚が剥がれ落ちてくるような感じになります。
興奮している時や嫌がっている時にはきゅっきゅっと鳴き声をあげることもあります。
日本のレッドデータでは準絶滅危惧種に登録されています。絶滅の危険は低いが、乱獲によって絶滅する恐れがある生き物となっています。野生や販売している個体は飼育できますが、不必要に捕まえるのはやめておきましょう。
生息地
アカハライモリは日本の北海道を除く全ての地域に生息している日本の固有種です。地域での体色の個体差が大きく、背面もオレンジ色になっている個体や全身が真っ黒の個体、全身が真っ赤の個体などがいます。
池や沼、水田などの流れが湿気が多くて、流れが穏やかな場所を好んでいます。基本的には水中で生活しますが、湿気が多い場所では陸地を歩き回ることもあります。
体の大きさ
アカハライモリの大きさはオスで12cm、メスは一回り大きく14cmまで成長します。
寿命の長さ
アカハライモリの寿命は平均して20年あります。見た目に反して長く、最長だと30年近くまで生きることができます。野生では天敵が多いので寿命が10年を超えることはほとんどありません。
毒性について
アカハライモリの皮膚には「テトロドトキシン」というフグと同じ毒性を含んだ体液を分泌しています。手で触った程度では問題ありませんが、目や口の中に入ると危険です。手で触った後は、必ず水洗いしましょう。
なつくことはない
アカハライモリは人に懐くことはありませんが、長く飼育することで飼い主さんになれる事があります。何度か餌を与えてくれると、顔を見ただけで喜んで近づいてきてくれるので、とてもかわいいですよ。
なれると言っても、人に触れるのは怖いので、ハンドリングはやめておきましょう。
アカハライモリの繁殖方法
繁殖の時期
アカハライモリは気温が暖かくなる4月から7月にかけて繁殖を行います。飼育下ではオスとメスが1匹づついれば自然とペアになってくれます。
発情期を迎えると赤色の腹部が赤紫に変わり、美しい婚姻色を見せてくれます。オスはメスを尻尾で抱きかかえて体をふるわすことで精子を地面に落とします。メスはそれを体内に取り込み、体の中で受精を行います。
産卵の方法
アカハライモリの産卵は落ち葉の中に白い卵を1個ずつ包むように産んでいき、初産では50個前後の卵を産んでくれますよ。慣れてくると200個近くの卵を生むようになります。
親は生まれた幼生を食べてしまうので、飼育するときは隔離する必要があります。
アカハライモリの飼育環境
必要な水槽の大きさ
アカハライモリの飼育容器は熱帯魚で使うガラス水槽がおすすめです。透明度が高く鑑賞に優れています。
最低でも45cm以上の水槽を用意しましょう。複数飼いするときは60cm水槽で4匹を目安にしてください。
おすすめの45cm水槽やおすすめの60cm水槽で紹介しているので、ご参考ください。
ろ過フィルターの選び方
アカハライモリの水槽では水位が高さの半分程度と低いので、コーナーフィルターか投げ込み式フィルターを使います。
ろ過フィルターがなくても飼育することができますが、いれておくと水が新鮮な状態で保たれて、水換えの頻度を少なく出来ます。
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ライトの選び方
ライトを入れておくと鑑賞しやすさが段違いになり、発色も良くなるのでいれておきましょう。水温が上がりにくいLEDタイプのものがおすすめです。
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脱走防止の蓋
アカハライモリはガラス面を登って脱走するのが上手なので、対策として風通しが良い網状の蓋を作成して、隙間なくしっかりとしておきましょう。
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アカハライモリの飼育方法
アカハライモリの飼育は簡単で、今まで両生類を飼育したことがない方にもおすすめのペットです。水槽の蓋と気温の管理だけはしっかりとしてあげましょう。
値段と販売場所
アカハライモリの値段は1匹200円前後とかなり安いです。夏になるとホームセンターなどのペットショップでたくさん販売されていますし、ネット通販であれば年間を通して手に入れることができます。
アルビノや全身が赤い、色彩変異している色変わりの個体は高く、1匹7,000円〜10,000円で販売されています。こちらは販売数が少なく、ネットオークションを探してみるといいですよ。
適している水温と水質
アカハラヤモリの飼育に適している温度は20度〜25度です。
低水温を好んでいるので、26度以下になるように冷却ファンなどで気温を調整してあげてください。特に28度を超えると危険な状態になります。水温を下げる手段がないときはエアレーションを入れることで酸素量を増やして水の流れを作ってください。3日に1回の水換えも効果的です。
水質を維持するために、水温が高くならない時期であれば1週間に1回、1/3ほど水換えをしてあげましょう。
おすすめの水槽用のヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
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水槽のレイアウトと水深
アカハライモリの水槽のレイアウトは水深を浅くするのが大切です。水深は10cm~15cmが目安です。肺呼吸をするために水面まで上がる必要があり、泳ぎが苦手なアカハライモリには上下運動はしんどい動きになるからです。
また、休めるように流木や石組みをして、少しだけ陸地になる場所を作ってあげましょう。底砂をいれるときは喉がつまらないように口に入らない大きさの砂をいれてください。
餌は人工餌がメイン
野生のアカハライモリは小型の昆虫やオタマジャクシ、イトミミズなどを食べる肉食の生き物です。
人工餌にもよく慣れてくれるので、メダカや金魚の餌も食べてくれますが、イモリ専用の栄養バランスが整っている人工餌をあげましょう。野生で捕まえてきた個体は人工餌の食いつくが良くないので、最初はボーフラを捕まえてくるか冷凍赤虫を与えて、徐々に人工餌にならしていきます。
餌の頻度は2日1回、2口ほどで食べきれる量を与えます。
イモリにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
冬眠の方法
飼育下でのアカハライモリの冬眠はとても難しいので、基本的には冬にはヒーターを入れて飼育することをおすすめします。
どうしても冬眠をさせたいときは秋の終わりから気温の変化が小さい屋外に移動させて、たくさん餌を与えてしっかりと太らせていきましょう。冬を迎える前には落ち葉をたくさん入れて、水が凍らないようにだけ注意してください。
かかりやすい病気と治療方法
アカハライモリは腹水病にかかることがあります。お腹が大きくなる病気で、水温が低下して体力が減少し、消化不良になったことが原因だと言われています。1週間ほど断食して様子を見てください。
体や尻尾に白いワタのようなものが付着する水カビ病にかかることもあり、体のスリ傷から水質悪化で発生した細菌に感染することで発症します。ワタを手で軽く擦り落として、熱帯魚用治療薬であるのグリーンFリキッドを規定量の1/5に薄めて1週間薬浴してください。
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アカハライモリと混泳できる生き物
アカハライモリは別の生き物と水槽で混泳させるのは難しいです。
肉食性で食欲旺盛のため、口に入る大きさの熱帯魚やメダカ、金魚、ドジョウ、エビ、カエルなどは丸呑みしてしまいます。また、口に入らない大きさの魚でもヒレを囓られることがあるので、混泳に向いていません。
混泳に向いているのは、ヒレが小さくて体が大きいタナゴやハヤなどの淡水魚です。
複数飼いがおすすめ
アカハライモリは同種であれば複数飼いすることができます。肉食性なので体の大きさが異なる個体はいれないでください。喧嘩をすることがあるので、隠れ家になる水草や流木をたくさんいれておきましょう。
アカハライモリについてまとめ
今回はアカハアライモリの生態や飼育方法についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
自分で採集してきた個体を飼育するのも楽しいので、川に行って捕まえてみるものいいですよ。とても長寿なので最後まで飼育するのは難しいかもしれません。逃したいときは捕まえた場所で逃すことを忘れないでくださいね。