フトアゴヒゲトカゲはトップクラスの人気を誇る爬虫類で、人への慣れやすさや飼育が難しくないところが人気を集めています。
今回はそんなフトアゴヒゲトカゲの生態や特徴、値段、おすすめの餌など飼育方法について詳しく紹介していきます。
フトアゴヒゲトカゲの生態と特徴
フトアゴヒゲトカゲはアガマ科アゴヒゲトカゲ属に分類されているトカゲの仲間です。
威嚇をする時に口を大きくあけるのですが、そのときに口周りにあるトゲがヒゲに見えることから名付けられました。自然環境では陸地をメインにたまに木の上に登ったりして生活しています。
オスは成長するにつれて頭部はより迫力を増してきます。特に発情期になるとのどの奥が黒くなり、のどを大きく膨らませて威嚇をすることがあるので、恐竜らしさもかいま見れます。発情期にはメスの上に乗っかって下顎を押し付けるので、喉の近くで出血が見られます。
生息地によって赤色や黄色など体色差があり、そこから品種改良で多くのモルフ(色違い)が生み出されました。特に欧米で人気が高く、繁殖は難しくないので、盛んに養殖が行われています。
生息地
フトアゴヒゲトカゲの生息地はオーストラリアだけの固有種です。乾燥地帯を好んでいますが、森林や草原、砂漠など様々な場所で見つけることができます。
体の大きさと体重
フトアゴヒゲトカゲの大きさは平均で40cm、最大だと50cmまで成長します。体重は300g〜500gほどです。
寿命の長さ
フトアゴヒゲトカゲの寿命は平均して7年です。長生きすれば10年ほど生きることができます。
なつく性格で、ハンドリングに向いている
フトアゴヒゲトカゲはおとなしい性格をしているので、ハンドリングに向いています。むしろハンドリングをすることで飼い主の匂いや声の音に慣れてくれるので、積極的にすることをおすすめします。
飼育を始めて1ヶ月は新しい環境に慣れていないので、威嚇をされることも多いです。何度か餌を与えて、落ちついてきたらハンドリングに挑戦していきましょう。
ゲージに手を入れても逃げたり威嚇をしなくなったら、手から餌をあげるようにして、匂いに慣らしていってください。何度も繰り返していると自分から手の上に乗っかりにきてくれますよ。
触りすぎるとストレスを与えてしまうので、ハンドリングは10分程度にしておいてください。
フトアゴヒゲトカゲの値段と販売場所
フトアゴヒゲトカゲは人気の爬虫類なので爬虫類売り場のあるホームセンターや爬虫類専門店に行けば、比較的簡単に見つけることができます。
値段の相場は15cm前後のベビーサイズなら7,000円〜13,000円、それ以上の大きさだと2万円〜3万円が目安です。
フトアゴヒゲトカゲの飼育に必要なもの
フトアゴヒゲトカゲの飼育に必要なものやレイアウトについて紹介します。初期費用では5万円ほどみておくといいですよ。
ケージの大きさは60cmでは厳しい
フトアゴヒゲトカゲは地上を歩き回るので、底の面積が広いゲージを選ぶ必要があります。ゲージの大きさは横幅が体長の2倍、奥行きと高さは体長と同じ大きさが必要です。
40cmの個体だと80cm(横幅)×40cm(縦幅)×40cm(奥行き)以上のゲージが目安です。おすすめのゲージは爬虫類専用で人気のグラステラリウムナノ9045です。60cmのケージでは窮屈で最後まで飼育できないので、注意してください。
おすすめの爬虫類用ケージで紹介しているので、ご参考ください。
ライトは紫外線とバスキングの2つが必要
フトアゴヒゲトカゲは日光浴を頻繁にする生き物で、飼育下でも太陽光を再現した紫外線ライトとバスキングライトが必要です。
紫外線を浴びることで、カルシウムを摂取するために必要なビタミンD3をつくる役割があります。
バスキングライトは高温地帯を部分的に作り出し、活動前に体を温めたり、食後の消化を助けるために必要です。バスキング直下が暖まりにくいときは、石を置いて高さを調整します。
点灯時間は日が昇っている時間を目安に8時間〜10時間ほどつけておいてください。電気代は月に2,000円ほどかかります。
フトアゴヒゲトカゲの照明については爬虫類に必要なバスキングライトと紫外線ライトで詳しく紹介しているので、ご参考ください。
床材の選び方
床材には爬虫類専用の砂漠砂やヤシガラマットがおすすめです。どちらもフンがたまりやすいので、みつけたらこまめに取り除くようにしてください。新聞紙は管理が楽ですが滑りやすく、足に負担をかけてしまうので、使うときは短期間にしておきましょう。
先ほど紹介したグラステラリウム9045に厚さ1cmで敷きたい場合、2.5kgの砂が必要になります。
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必要に応じて水場を作る
フトアゴヒゲトカゲは乾燥地帯に生息しており、水分は昆虫などの餌からの摂取で足りるので、常に置いておく必要はありません。ほとんど水を飲んでいる姿をみかけることはないですよ。
2日に1回程度飲めればいいので、水を飲んだのを確認したら取り出してしまいましょう。容器はなくてもたまに餌やガラス面に霧吹きしてあげるだけでも大丈夫です。
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レイアウトはシンプルに
フトアゴヒゲトカゲは休みたいときには日陰に隠れられると落ち着けるので、樹皮のコルクなどを置いてあげると喜びます。
他にもレンガや大きな石を一つだけ置いて、少しだけ立体的に動けるようにしておくといいですよ。
フトアゴヒゲトカゲの飼育方法
フトアゴヒゲトカゲは丈夫で飼育しやすく、初心者向けのトカゲの入門種です。国内繁殖数が多くて入手しやすく、湿度や温度の変化に敏感ではないためです。
慣れれば人工餌を食べてくれるのも良いポイントですが、昆虫しか食べてくれない個体だと、体が大きい分、大量の餌を用意する手間が出てきたりもします。
飼育に適している温度
フトアゴヒゲトカゲは直射日光が当たる温度が高い場所で体温を上げてから活動を始めます。そこで温度が35度〜45度になるバスキングスポットをつくりつつ、ゲージ全体は適温である20度〜28度を保つ必要があります。
ケージが大きいため、熱効率が良い「暖突」を使ってケージ全体を暖めるようにしてください。
おすすめの爬虫類用ヒーターで紹介しているので、ご参考ください。
飼育に適している湿度
フトアゴヒゲトカゲに適している湿度は30%〜40%と乾燥状態を好んでいます。
生息しているオーストラリアでは夜になると60%まで上がるので、個体に合わせて調整してあげてください。30%を下回ると脱皮不全になるので、注意が必要です。
温湿度計は必ず入れて、毎日チェックするようにしてくださいね。
餌や昆虫をメインに野菜をバランス良く
野生のフトアゴヒゲトカゲは昆虫をメインに果物や野菜も食べる雑食性です。人口餌も慣れやすいですが、個体差があるので、実際に与えてみるまではわかりません。
餌は専用餌であるフトアゴフードをメインにして、コオロギやミルワーム、ピンクマウス、かぼちゃ、人参、菊などバランスよく与えてください。多くの爬虫類がカルシウム不足になりやすいので、餌にはカルシウム剤を塗ってから与えるようにしましょう。
餌を吐き出してしまうときは餌が大きすぎることが原因なので小さく切り刻んであげましょう。餌の頻度は2日に1回与えればいいですよ。
詳しい餌の種類やトラブルの対処についてはフトアゴヒゲトカゲにおすすめの餌で詳しく紹介しているので、ご参考ください。
運動のために散歩をさせる
フトアゴヒゲトカゲにとって十分に運動できる大きさのゲージを用意することは難しいですが、毎日散歩させることで運動不足を解消することができます。
口に入る大きさのものを置いていると丸呑みしてしまう危険性があるので、部屋の掃除は先にしておきましょう。
多頭飼いはむいていない
フトアゴヒゲトカゲは縄張り意識が強いため、多頭飼いをすると喧嘩をしてしまいます。動く物にはかぶりつく習性があり、体格差があると共食いをする可能性もありますので、やめておきましょう。
フトアゴヒゲトカゲについてまとめ
フトアゴヒゲトカゲの生態や飼育方法についてまとめましたが、いかがでしてでしょうか。
大人しくて、人に慣れやすく、環境の変化にも強くて人口餌も食べてくれる。飼育しやすくてペットとしても触れ合えるちょうどいい大きさから人気が高い爬虫類です。飼い主さんの手を見つけるとのっそりと上がってきたりととてもかわいい一面も見せてくれますよ。
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