アフリカツメガエルは繁殖の容易さから肉食魚の餌用としてだけではなく、生物の研究用としても幅広く利用されているカエルで、まれに観賞用ペットとしても飼育されています。
今回はそんなアフリカツメガエルの生態や特徴、寿命、販売価格、餌など飼育方法について紹介していきます。
アフリカツメガエルの生態と特徴
アフリカツメガエルはピパ科ツメガエル属に分類されるカルの仲間です。アフリカ大陸の湖や池などの水が穏やかな場所に生息しており、陸地に上がることはありません。
後ろ足の水かきが発達しており、水中を泳ぎ回ることが出来ますが、じっとしていることが多く、泳ぐのは餌を食べるときか水面で呼吸をするときくらいです。
ツメガエルの由来は後ろ足にある5本の指のうち3本に小さい爪が生えており、これで餌を捕まえたりすることから名付けられました。
幼生のオタマジャクシのころは藻や水草に付着した植物性プランクトンを食べ、大人になると餌はメダカなどの小魚、水性昆虫など何でも食べる雑食性となります。
水温や水質の適応範囲が広く、日本の冬でも水が凍らなければ越冬することが出来ます。そのため食用として持ち込まれたアフリカツメガエルが日本の環境に帰化して、今では「総合対策外来種」に登録されて積極的に駆除すべき対象となっています。
突然変異は目が赤くて体が白色のアルビノ個体が出てくることもあり、原種の褐色とあわせて2つのカラーバリエーションを持っています。
体の大きさ
アフリカツメガエルの大きさは6cm~13cmです。ペットショップでみかけるアフリカツメガエルは4cmほどであり、大きく成長した個体はかなりの迫力が出てきます。
寿命の長さ
アフリカツメガエルの寿命は平均して10年~15年です。体が丈夫なので、水槽飼育だと長生きしてくれます。
アフリカツメガエルと人間との関係
アフリカツメガエルは繁殖が簡単で、水質悪化に注意すれば過密飼育でも問題ないため、熱帯魚の餌用だけではなく研究用として利用されています。昔は食用として利用されていましたが、今ではほとんど食べられていません。
研究用として
アフリカツメガエルは繁殖させるのが簡単で、細胞が大きくて胚の成長過程の観察がしやすいので実験動物として頻繁に研究されています。
繁殖ではゴナドトロピンというホルモンを注射することで翌日にはたくさんの卵を産んでくれます。この成分は妊娠した女性の尿にも含まれており、妊娠検査薬として使われていた歴史もありました。
餌用として
アフリカツメガエルは繁殖が容易で、過密飼育できることからアロワナなどの肉食魚の餌用カエルとして販売されています。
4cmのほど個体が1匹あたり30円~40円と餌用としては高価ですので、おやつとして使われることが多いです。
アフリカツメガエルの飼育方法
アフリカツメガエルは水温の変化や水質悪化に強く、餌をなんでも食べてくれるので、非常に飼育しやすいカエルです。
欠点をあげるとしたら、ほとんど動かないので、見ていて楽しいペットではないというところでしょうか。
飼育に必要な水槽と器具
アフリカツメガエルは水中で生活しているので、熱帯魚の飼育と同じ水槽で飼育するのがおすすめです。
水槽の大きさは横幅で体長の3倍、奥行きで2倍あればいいので、最終的には45cm(横幅)×30cm(奥行)の水槽があれば十分です。おすすめの45cm水槽で紹介しています。
ろ過フィルターには45cm水槽に適している外掛けフィルターを使い、飛び出し防止のために水槽の蓋をしっかりとしておきましょう。
底砂はあってもなくても問題ありません。好みにあわせていれてあげましょう。
レイアウトは水深を深めにして、水面には呼吸用に3cmほど空気の部分を作ってあげれば良いですよ。
必要なもの
- 水槽
- ろ過フィルター
- ライト
- 底砂
- 水槽の蓋
値段と販売場所
アフリカツメガエルは餌用だと30匹単位で900円、観賞用のアルビノ種だと1匹300円ほどで販売されています。
餌用だと肉食魚を販売しているペットショップなら簡単に見つけることが出来ます。観賞用はほとんど販売されていないので、ネット通販で探すことをおすすめします。
飼育に適している水温
アフリカツメガエルに適している水温は20度~26度です。
水温の適応範囲が広く水が凍らなければ冬でも大丈夫なので、無加温で飼育することもできます。
鑑賞をするときは水中用のヒーターを設置して、25度前後の水温をキープしておきましょう。おすすめの水槽用のヒーターで詳しく紹介しています。
水槽のレイアウト
アフリカツメガエルの水槽レイアウトはシンプルなベアタンクがおすすめです。肺呼吸のために水面を上がってきますが、泳ぐのが苦手で、木や水草にひっかかって溺れてしまうことがあるからです。
餌の食べ残しも多いため、レイアウトはこったものにせず、水槽を掃除しやすい環境にしておきましょう。
餌は人工餌がメイン
アフリカツメガエルは雑食性で食欲旺盛なので、なんでもよく食べてくれます。
長期的な飼育を考えないのであれば、メダカや金魚、熱帯魚の餌、亀の餌、ザリガニの餌などどのような人工飼料を与えてもかまいません。長期飼育をするときは、好物のメダカや金魚などの小魚や冷凍アカムシ、ウーパールーパーの餌など両生類用の人工飼料をメインに与えましょう。
口に入る大きさの生き物であればなんでも食べようとするので、いろいろな餌を与えてみてください。同種との混泳でも注意しておきましょう。
餌の頻度は1日1回、2口ほどで食べきれる量を与えます。
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水換えの頻度
アフリカツメガエルの水槽の水換えは2週間に1回は行います。水質の悪化に強いカエルですが、餌の食べ残しが多く、水質悪化が早いためです。
水換えは1/3ほど交換します。水換えの日にちを決めておき、カルキを抜いた水道水を用意しておきましょう。カルキの抜き方で紹介しているので、ご参考ください。
アフリカツメガエルについてまとめ
今回はアフリカツメガエルの生態や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
アフリカツメガエルは完全な水中生活で、水質と水温の変化に強く非常に飼育しやすいカエルです。さらに繁殖も容易なので研究用や肉食魚の餌用など様々な形で使用されています。
飼育下ではほとんど動くことはないので、鑑賞用としてはそこまで人気ではありませんが、逆に全く動かない無表情には惹かれるものがあります。
興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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