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ミジンコの生態と飼育方法|寿命や水温、捕まえ方は?

2018-06-28

理科の教科書でミジンコの姿を見たことがある人は多いのではないでしょうか。ミジンコは動物性プランクトンと呼ばれており、自然界では他の生き物の餌として非常に重要な役割を果たしています。それだけではなく、見た目もかわいさに惹かれて、ミジンコを専門に飼育する人もいるほどです。

今回はそんなミジンコの生態や特徴、おすすめの餌、繁殖方法など飼育のコツを詳しく紹介していきます。

ミジンコの特徴と生態

ミジンコの飼育

ミジンコは植物性プランクトンを食べて生活している動物性プランクトンの仲間です。プランクトンとは自力で泳ぐ力がない浮遊生物のことをさしています。

甲殻類に分類されているのでエビやカニと同じ仲間ですが、体は非常に小さく、目でギリギリ見えるか見えないかの大きさをしています。

水の流れが穏やかな水辺を好んでおり、田んぼや池など日本全国に分布しています。水草をつつくと小さな黒い生き物が一斉に動き出しますが、それがミジンコです。

全身が透明な体で覆われており、顕微鏡で心臓から各器官などすべての臓器を見ることができます。

ミジンコの目の構造は特殊で、複眼(複数の目)が単眼(一箇所に集まっている)になっています。横からみると手のような触覚が生えており、とてもかわいいのですが、正面から見ると黒い点が1つだけある不気味な生き物です。

漢字では微塵子と非常に小さなチリのように見えることが由来になっています。英語では水中をジャンプするように泳ぐことからwater fleaと書き、水中のノミという意味があります。

寿命の長さ

ミジンコの寿命は孵化してから平均して1ヶ月ほどになります。

ミジンコの種類

ミジンコの飼育

ミジンコの種類は多く、10種類以上います。それぞれ泳ぎ方や見た目で違うので、簡単に見分けることができますが、とても小さいので顕微鏡が必要になってきます。

大人のミジンコだと目でも見ることができるので、成長してから判断するのも可能です。大きさの比較なども合わせて代表的な4種類を紹介していきますね。

ミジンコ

ミジンコの基本種で体長は2mm〜3mmになる大型のミジンコです。左右の腕を使って、バタフライのように上手に泳ぎます。

ケンミジンコ

ケイミジンコは0.5mm〜1.0mmの大きさになる小型の種類です。細長い体と長い触覚が特徴的です。腹部に小さい足がたくさんあり、犬かきのような泳ぎ方をします。まっすぐ泳ぐことができず、くるくる回りながら進んでいきます。

カイミジンコ

カイミジンコは1.0mm〜2.0mmの大きさになる中型の種類です。2枚貝のような姿が特徴的です。自由形のように、両腕を交互に動かしならが泳ぎます。

オオミジンコ

オオミジンコは5.0mmの大きさまで成長する大型の種類です。サイズが大きいため、肉眼で内臓器官を見ることができます。

タマミジンコ

タマミジンコは1.0mm前後の大きさになる小型の種類です。体が丸いのが特徴的です。他のミジンコよりも殻が柔らかいので、熱帯魚の稚魚の餌として最も利用されている種類です。繁殖も簡単なのでどんどん増やすことができますよ。

ミジンコの捕まえ方

池

ミジンコは水辺だと、どこでもいるような生き物ですが、特に多く生息しているのは水の流れが少なくて、水草が浮いている池や田んぼになります。

日中は田んぼの土など泥の中で休憩しており、日の出や日の入りが近づいてくると水面に出てきます。捕獲する時はそのくらいの時間を狙いましょう。夜中だと懐中電灯を使っておびき出すこともできます。

捕まえ方は簡単で水面にいて、目視できるミジンコを目の細かい網ですくうか、瓶で水ごとすくいあげれば捕まえることができますよ。

採取する場所が近くにないときは、乾燥卵か生きているミジンコがホームセンターやネット通販で販売されているので購入しましょう。

ミジンコの飼育と繁殖に必要な容器

ミジンコは水をはることができれば、どのような容器でも飼育することができます。

2リットルのペットボトルや小型のバケツで飼育する方が多いです。本格的に繁殖させたい時は水量が多いトロ舟を使います。

飼育数が多くなってくると酸素欠乏で死ぬ個体が急激に増え出すので、こまめに間引くか容器の数を増やすようにしてください。エアレーションをいれておくと、より多くのミジンコを飼育することができますよ。

容器の中には浮き草や落ち葉、流木など隠れ家になるものをたくさんいれてあげてくださいね。

ミジンコの飼育方法

ミジンコの飼育

ミジンコは水温に気を使っておけば、簡単に飼育することができます。新鮮な水では餌が少ないので、古い水で少し汚いくらいがちょうどいいですよ。

飼育に適した水温は?

ミジンコに適した水温は15度〜22度です。水温を保っていると元気に泳いでくれて、繁殖行動も活発になります。

低水温に強いので、10度近くになっても死ぬことはありません。しかし10度以下になると徐々に死ぬ個体が増え始めるので、冬越しは難しいです。

基本的に野生のミジンコは冬越しができる卵を産卵して親ミジンコはすべて死んでしまいます。冬場でも飼育数を保ちたい時は水槽用のヒーターを使いましょう。

おすすめの餌と与え方

ホテイアオイ

野生のミジンコはクロレラやミドリムシなどの植物性プランクトンを食べて生活しています。家にあるものだと青汁の粉末やドライイーストを好んで食べてくれます。

一番おすすめの餌は苔が生えて緑色になったグリーンウォーターという水です。これは1週間ほど日当たりのいい場所に、水をはったバケツに熱帯魚の餌を入れておけば作ることができますよ。

熱帯魚を飼育していれば、すでにその飼育水に植物性プランクトンがいる可能性が高いので、そのまま使うことで餌を与えたことになりますよ。苔が生えた水草があれば、ぜひいれてあげましょう。

高い水温に注意しなければいけませんが、ミジンコを飼育している容器も日光の下に置いておくことで、自然と植物性プランクトンが発生して餌をあげなくても成長していってくれるようになりますよ。綺麗な水には餌がないので、なるべく古い水を使いましょう。

ドライイーストなどをあげる時は、頻度は1日に2回、1〜2分で食べきれる餌の量を与えましょう。

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ミジンコとメダカは混泳できるの?

メダカ

ミジンコはメダカの大好物の餌なので、混泳をすることはできません。

しかし、水槽内の栄養が十分にあると、メダカがミジンコを食べるスピードよりも繁殖するスピードの方が早くなるため、ミジンコがほとんど減らないということがおきます。

稚魚の餌として適しているミジンコ

野生の小型熱帯魚や稚魚はプランクトンを食べており、ミジンコは大好物な餌の一つです。人工飼料への食いつきが悪い魚でもミジンコなら食べてくれることが多いです。

多くいるミジンコの中でも餌として最もおすすめなミジンコはタマミジンコです。タマミジンコは稚魚でも食べれる殻の柔らかさをしているからです。

ケンミジンコなどの殻が硬いミジンコは、稚魚が食べてくれないことがあります。

ミジンコのもっともいいポイントは生き餌なので食べ残しても水が悪化しないことです。また、稚魚の時はたくさん餌を食べられないので、1日に5回は餌をあげないといけないのですが、ミジンコを入れておけば、お腹が空くと勝手に食べてくれるので簡単です。

ミジンコを与える時は、水槽に餌を入れたということを気づかせないといけないので、目の前にスポイトで落としてあげるといいですよ。

ミジンコの繁殖方法

ミジンコの飼育

ミジンコにはメスしかおらず、単独で繁殖していくことができます。

繁殖力がかなり高いので、2〜3匹ほどいれた飼育容器の水温を23度前後に保っておけば、1日で倍、2日でさらに倍とどんどん増えていきます。

飼育できれば繁殖もしてくれるので、特に意識する必要はありません。餌の量が多ければ繁殖スピードはさらに上がっていきますよ。

しかし、飼育水の環境が悪くなってくるとオスが生まれるようになります。オスとメスが交尾をすることによって、耐久卵と呼ばれる悪い環境に強い卵が生まれ始めます。耐久卵は乾燥や低温と高温の両方に強く、長くて数十年は卵の状態を保てるので、周りの環境が孵化に適した時になるまで待つことができます。

ミジンコが増えすぎた時には耐久卵を作って保存させるのは効果的ですが、通常は孵化した時の殻が水を汚してしまうので、おすすめできません。

ミジンコについてまとめ

ミジンコは種類が豊富で、1種類1種類の泳ぎ方も違ったりと、奥が深い生き物です。

飼育はバケツ1つでOK、繁殖も簡単で魚の稚魚の餌としても、最高の生き餌になってくれます。近くの池や田んぼで採取してどんどん増やしていきましょう。

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  • この記事を書いた人

高木 浩二

ペットの中でも熱帯魚が一番好きで、飼育履歴は10年以上あり、ペットショップでアルバイトをしていました。今は多くの書籍やショップ店員との交流で最新情報をアップデートしています。あいまいな情報をなくして、はっきりと最後まで責任を持って飼育ができるのかどうかイメージを湧いてもらえるようにしていきます。正しい情報の掲載に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

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