サソリモドキはサソリに似ていることから有名になりました。毒性はないものの、強力なハサミと酸性の物質をもっており、サソリにも負けない危険な生き物です。
今回はそんなサソリモドキの生態や毒性、危険性、床材、飼育環境、おすすめの餌など飼育方法について紹介していきます。
サソリモドキの生態と特徴
サソリモドキはクモガタ綱サソリモドキ目に分類される生き物です。生息地はアメリカの南西部、日本の沖縄県にある八重山諸島や西表島などです。
手には大きなハサミがあり、鞭のような細い尾を持っています。見た目がサソリに似ているので、サソリモドキと呼ばれていますが、サソリと分類上の関係性はなく、ウデムシに近い生き物です。
※画像はウデムシです。
湿度が高い森林地帯に生息しており、落ち葉や倒木の下に身を隠しています。
極めて肉食性が強く、獰猛な生き物です。画像の右下に向かって伸びている、長い第一肢が触覚の役割をしています。周りの環境を探りながら、コオロギやゴキブリなどの小型の昆虫から小動物などを素早く捕食します。
体の大きさ
サソリモドキの大きさは8cm前後になる中型の生き物です。
寿命の長さ
サソリモドキの寿命は平均して5年です。ゲージ飼育だと運動不足で短命になりやすいです。
サソリモドキとサソリとの違い
※画像はサソリです。
サソリモドキは細長い足と尻尾をしていますが、サソリはしっかりとした足に、尾の先端には毒針があるため、簡単に見分けることが出来ます。
サソリモドキの毒性と臭い
サソリモドキには毒性はありませんが、尾の付け根にある肛門線から、酢のような臭いがする酸性の物質を出します。
天敵に襲われたときはこの物質を噴出し、臭いによって追い払います。強い酸性で、目などの粘膜に当たると激しい痛みを伴い、失明することがあります。
相手が逃げないようならはさみを上に上げて威嚇体制に入ります。はさむ力が強く、ハサミには歯状のトゲがついているので、出血は免れません。
床材の掃除をするときは皮手袋をしてから、行いましょう。
サソリモドキの飼育方法
飼育に必要なケージと器具
サソリモドキの飼育容器は小型昆虫用のプラスチックケースを使います。あまり動き回る生き物ではないので、15cmほどの横幅があれば十分です。
脱走しないように蓋は必須です。餌を与えるときに、開け閉めが素早く出来るタイプの容器を選びましょう。
床材は保湿性が高いヤシガラマットを使ってください。
夜行性の生き物なので、ライトは必要なく、隠れ家になるシェルターをいれると落ち着きやすくなります。
必要なもの
- プラケース
- 床材
- シェルター
値段と販売場所
サソリモドキの値段は1,000円~1,500円ほどで販売されています。
販売量が多い生き物ではなく、たまに爬虫類ショップで販売されているので、こまめに通ってみましょう。少し高価になりますが、ネット通販でも見つけることが出来ます。
温度と湿度管理
サソリモドキに適している温度は25度~27度、湿度は80%と多湿な環境を好んでいます。
冬にはパネル式ヒーターをケージの下に敷いて、底面を暖めるようにしてください。
床材が乾燥する前に霧吹きをしないといけないので、毎日2回は水滴が出ない程度に湿らせましょう。ケージ内の蒸れには弱いので、風通しが良い場所にケージを置いておきます。
商品情報と価格をチェック
おすすめの餌
サソリモドキの餌はコオロギやデュビア、レッドローチなどの活きた昆虫が主食になります。爬虫類専門店やネット通販で販売されているので、まとめ買いして、家でストックしておきましょう。
驚いたときは非常に素早く動くため、餌やりでは脱走しないように注意が必要です。餌を与えるときはピンセットでつかんで、蓋をさっとあけてさっと閉めましょう。
餌の頻度は1週間に2回ほど与えれば十分ですよ。
サソリモドキについてまとめ
今回はサソリモドキの特徴や飼育方法について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
毒性はないものの、はさみの力は強く、尾部からは強烈な酸性の物質を噴出するので、取り扱いには注意してください。
飼育は小さいプラケースと床材を敷けば飼育環境はできあがり、適度にコオロギを与えつつ霧吹きをするだけなので、とても簡単です。
餌を食べる直前の時間が止まったような静かさと、捕らえるまでの一瞬の動きは奇虫の最大の魅力と言えるでしょう。
興味を持たれた方はぜひ飼育に挑戦してみてくださいね。
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